世界への登竜門となる新たな大会が開催

 2017年7月13日、新たなeスポーツ大会“GALLERIA GAMEMASTER CUP”の開催に伴う記者発表会が行われた。主催はゲーミングPC・ガレリアなどを展開するPCメーカー、サードウェーブデジノス。

GALLERIA GAMEMASTER CUP いよいよ開幕!

 最初に登壇したサードウエーブデジノス取締役社長・田中基文氏は、近年のeスポーツ業界の盛り上がりを説明しつつ、「いまから本格的に取り組まないと、アジアに取り残されてしまう」という思いから“GALLERIA GAMEMASTER CUP”の開催を決意。いま以上にeスポーツシーンを盛り上げるため、この思いに賛同するeスポーツ推進団体、PC業界、ゲーム会社、コミュニティと協力しつつ、eスポーツを楽しめる場を提供すると語った。

 では、“GALLERIA GAMEMASTER CUP”とはどういう大会なのか? その詳細を、サードウェーブデジノス コミュニケーション開発部長の大浦豊弘氏が説明した。

日本から世界へ羽ばたくためのeスポーツ大会になることを願って――GALLERIA GAMEMASTER CUP記者発表会リポート_01
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▲サードウエーブデジノス取締役社長・田中基文氏。
▲サードウェーブデジノス コミュニケーション開発部長の大浦豊弘氏。

 “GALLERIA GAMEMASTER CUP”は“チャレンジ部門”と“エントリー部門”の2部門に大別される。

 チャレンジ部門は、世界を目指すeスポーツプレイヤーの育成支援を目的とした部門で、アジア最大級のeスポーツ国際大会“eXTREMESLAND ZOWIE ASIA”の初の日本予選として始動する。競技タイトルは世界的に人気の高いPC用オンラインFPS『Counter-Strike: Global Offensive』。日本予選のエントリーは7月13日よりスタートしており、8月26日、27日にオンライン予選を実施。予選を勝ち抜いた上位4チームが、9月16日、17日に開催予定のオフライン決勝大会を戦い、日本代表チームを決定する。

 代表チームは、アジアの14地域から勝ち抜いた全16チームのうちの1チームとして、10月19日から22日にかけて上海にて開催される“eXTREMESLAND ZOWIE ASIA”に出場することになる。

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 一方、エントリー部門は国内だけで完結する大会で、日本におけるeスポーツコミュニティの活性化を目的に開催される。競技タイトルは、全世界で1億人以上の会員数を誇るオンライン戦車バトル『World of Tanks』と、戦略性の高いバトルが特徴のオンラインロボットバトル『フィギュアヘッズ』。

 こちらも7月13日より予選のエントリー受付が始まっており、8月26日、27日にオンライン予選を開催。上位2チームが9月16日、17日に行われるオフライン決勝戦で戦い、優勝チームを決定する。

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 なお、本大会ではチャレンジ部門とエントリー部門を合わせて賞金総額500万円を用意。賞金の内訳は以下のとおりだ。

【チャレンジ部門】
優勝150万円、準優勝30万円、3位(同率2チーム)各15万円、MVP賞10万円

【エントリー部門】※2タイトル共通
優勝100万円、準優勝20万円、MVP賞10万円

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▲賞金総額はあくまでも国内の大会のもので、“eXTREAMSLAND ZOWIE ASIA”本戦では、この賞金とは別に総額10万ドルの賞金が用意されている。決勝に駒を進めた全チームに、順位に応じた賞金が分配される予定だ。

 大浦氏は最後に「協賛していただいている方々と協力して、本気で日本でeスポーツのムーブメントを起こそうと思っている」と熱くコメント。世界大会への登竜門として、eスポーツコミュニティをさらに活性化する大会として、ぜひとも期待したい。

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 記者発表会では後援、協賛、協力各社の代表者も登壇。それぞれが日本のeスポーツシーン、本大会に向けてコメントした。

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▲e-sports推進機構理事 浜村弘一氏は、「eスポーツはプレイヤーだけでなく、ゲームをしない人を巻き込まないといけない。その人たちを巻き込むようなビジネスができれば、さらに大きなeスポーツ市場の飛躍が待っているのではないか」と期待を寄せる。
▲一般社団法人eスポーツ協会 馬場章氏は、同氏が理事を務めるJeSPAの活動について説明。それを踏まえて“プレイヤーを増やして質を高める”という目標を掲げ、本大会に前向きに協力する旨を述べた。
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▲インテル 執行役員 第3営業本部 本部長 藤木貴子氏は、「今回の大会を通して日本でのeスポーツの盛り上がりを感じることに期待したい」とコメント。
▲NVIDIA Japan コンスーマーマーケティング部 ゲーミング、ソーシャルメディア、キャンペーンマネージャー 谷口純也氏。『Counter-Strike』シリーズにおいて、noppoという選手名で世界を股にかけて活躍していた同氏は「日本でも世界に挑戦したいというプレイヤーが増えてきている。素晴らしいプレイヤー、チームが出てくることに期待したい」と語った。
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▲ウォーゲーミングジャパン アジアパシフィック パブリッシング ストラテジーディレクター オザン・コチョール氏は、『World of Tanks』を競技タイトルに選出されて光栄だとコメントしつつ、「NO TANK NO LIFE, Let's battle!」と締めくくり、会場を沸かせた。
▲スクウェア・エニックス 第7ビジネス・ディビジョン『フィギュアヘッズ』プロデューサー 織田英治氏は、「『フィギュアヘッズ』でもいずれ世界的な大会もできればと思っている。その登竜門的な大会となってくれれば」とコメントした。

 最後に、登壇者に対する質疑応答が行われた。その模様をお届けしよう。

【Q.】日本のeスポーツ団体はほかにもありますが、ほかの団体には断られたのでしょうか?

【A.】日本eスポーツ連盟にも話をさせていただきました。ただ、最初にどの団体にご連絡すればいいのかがわからないということもあり、弊社の対応が遅れてしまいました。日本eスポーツ連盟の方にもご返答をいただいていますが、我々の対応が遅かったこともあって、今回は残念ながら、間に合わなかったという背景があります。

【Q.】今回の競技タイトルが決められた経緯を教えてください。

【A.】チャレンジ部門については“eXTREMESLAND ZOWIE ASIA”の主催であるBenQさんが『Counter-Strike: Global Offensive』に決められていて、そこに我々が話をさせていただき、予選として実施することになりました。
 エントリー部門に関しては、非常に悩みました。我々のできる規模感なども考慮して、日本でも根強いコミュニティがあり、さらにグローバルの人気がある『World of Tanks』を選ばせていただきました。『フィギュアヘッズ』は新しいタイトルですが、日本で生まれたタイトル。今後、世界を狙えるタイトルじゃないかと思っています。

【Q.】『Counter-Strike: Global Offensive』の大会に関してですが、次回以降、アジアだけでなく世界に行けるものにしていく予定はあるのでしょうか?

【A.】我々の主催する大会を“世界の登竜門”にするというコンセプトは変わりません。来年以降の話は、現時点では未定です。
 ただ、我々はこういうメッセージをつねに発信していく予定ですので、そういったことをいっしょにやりたいという人にお声がけさせていただければ、第2回からもやっていきたいと思っております。
 一足飛びとはいかないでしょうけど、ゆくゆくはそういう大会として位置付けて、我々としてもともに成長していければなと考えております。

【Q.】日本でeスポーツの競技大会を開催するということで、法律に触れないということを意識されたと思いますが、法規制をクリアーしてまで日本でeスポーツ大会を開くことにどういう意義があるのでしょうか?

【A.】法律に触れるか触れないかということに関しては、皆さんもご存知かと思いますが、法に触れない形で進めさせていただいております。我々が目指すものはeスポーツの裾野拡大、プレイヤーのスキル向上などがあります。その中でいちばん(の目的)は、コミュニティの活性化、プラットフォームの提供というところになると思います。

【Q.】高額賞金はどうやって実現したのでしょうか? 

【A.】景表法上、規制がかからないようにしようとする配慮は必要ですから、その手続きはとってきたつもりです。本大会の目的は日本におけるeスポーツの普及にあり、本大会を通じて当社が顧客の方と直接取引を行うことはありませんし、また具体的な取引を目的とした類のものではありません。ですので、法律に触れることなく運営していけると思います(顧問弁護士による回答)

【Q.】チャレンジ部門で日本代表となったチームが国際大会で優勝すれば、その賞金はそのチームのものとなるのでしょうか?

【A.】アジア大会に優勝すれば、アジア大会の賞金は優勝したチームのものとなります。

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