日曜夜9時から10時の「デリシャス」なプライムタイムに放送

 アメリカの大手TVネットワークCBSの新番組“Candy Crush”は、Kingの人気パズルゲーム『キャンディクラッシュ』を題材にした、日曜夜の1時間枠のゲーム番組。毎週二人組4チームが参加し、賞金10万ドル(約1100万円)をめぐって特殊ルールの『キャンディクラッシュ』をプレイする。
 現地9日に放送された初回は、同じCBSのリアリティショー“サバイバー”の過去の参加者などがチャレンジャーとして登場した(16日に放映予定の2週目以降はオーディションを経た一般参加者が挑戦する模様)。

 番組の進行は、予選・本番・決勝の3つのフェーズに分かれている。まずは予選ラウンドのゲームを行い、その勝者チームが本番のゲームに挑み、その後ふたたび負け残りで予選ラウンドが行われ、本番で作ったマッチ数の上位2組が決勝ラウンドに進む。
 要は予選パートで負けてもリタイアにはならず、負け続けてもどっちみち本番ゲームに挑むことはできるのだが、4種類ある本番ゲームのどれに挑むかは先に取った者勝ち。ゲームの難度差は考慮されず、決勝に進めるかはそこで作ったマッチ数だけで決まるため、できるだけ先に勝ち抜けてプレイしやすそうなものを選んだ方が有利というわけだ。

 登場するミニゲームは、すべて大型スクリーンを使った『キャンディクラッシュ』。本当に実在ゲームをミニゲームに使ったゲーム番組なのである。参考までに初回の本番種目は、数メートル上に吊られたゴンドラから長い棒でスワイプしてプレイする“シュガースイング”、ひとりが吊られてもうひとりがロープで位置を調節する“ザ・バルーン”、繋がった台車に腹ばいの状態で乗ってプレイする“キャンディカート”、ふたりがランダムに動くロープに吊られてプレイする“スピンサイクル”といったところ。どう考えてもラストが一番めんどいのだが、そこは『キャンディクラッシュ』なので、消したことで思わぬ連鎖が起きて意外にスコアが伸びたりするのが面白い。

 ちなみに決勝ラウンドなどで使われる最大のスクリーンは、55枚の55インチタッチパネルディスプレイを使用した、30フィート(約9メートル)ものサイズを持つ巨大なもの(幅20フィート4 11/16インチ、高さ25フィート9 1/16インチ)。これはギネス世界記録に「世界最大のタッチスクリーンディスプレイ」として認定されている。

 番組中では、ボーナスキャンディやゼリーやリコリスなど、ゲーム中に出てくる各要素の解説なども一応行われるのだが、プレイするのは必ずしもハードコアなプレイヤーというわけではないため、スペシャルキャンディーを作れそうなのに見逃していたり、安目の手で消しちゃったり、キャンクラガチ勢の人にはモヤッとしそうなシーンも。まぁキャンクラを攻略しようという番組ではないので、チャレンジャーたちのドタバタに「そっちじゃねぇよ!」とかツッコミを入れながら観るのが正しい態度と言えるかも。

 とまぁそんな感じに、日曜9時から10時までのプライムタイムにゲームが元ネタの番組が放送されるという快挙を成し遂げている“Candy Crush”。懸念を示すとすれば、巨大スクリーンでのキャンクラが中心になるので、ミニゲームのギミックでバリエーションをつけようにも、結構限界があるんじゃないかということだろうか。

ギネス認定の巨大スクリーンでキャンクラをプレイして戦うアメリカのテレビ番組“Candy Crush”を観た_01
▲写真は23日放送予定分のもの。ゲームのギミックは固定ではなく、ちょっとずつ変わっていくようなのだが……。