味方ウォーチーフと友情も育んできた

 2017年6月13日~15日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのコンベンションセンターにて、世界最大規模のゲーム見本市、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2017が開催。会期中に、ワーナー ブラザースから10月12日発売予定の(海外は10月10日)プレイステーション4、Xbox One、Xbox One X Windows 10 PC用ソフト『シャドウ・オブ・ウォー』をプレイする機会を得たので、その内容をお届けする。

『シャドウ・オブ・ウォー』の主役は、前作から引き続き、レンジャーのタリオン。幽鬼ケレブリンボールの力を得て、冥王サウロンへの復讐に挑む……という基本となるストーリーラインは変わらない。タリオンはサウロン傘下のオークたちが支配する地域を取り戻していくことになる。
 本作の魅力のひとつ“ネメシスシステム”についても触れたい。『シャドウ・オブ・ウォー』で新たに追加されたのが“ネメシスフォートレス”だ。フォートレスは砦・要塞という意味だが、本作ではオープンワールドの各所に要塞があり、それぞれオーバロード(君主)が支配している。タリオンはそのオーバロードを倒すことで、その砦と周辺のエリアを自分のものにすることができるように、ネメシスシステムが拡張されているのだ。

 という訳で、今回プレイできたのはサブクエストとフォートレスアサルト。筆者は迷わずフォートレスアサルトを選択してプレイすることにした。
 フォートレスアサルトはまず、準備が必要になる。敵軍のウォーチーフやオーバーロードの弱点を考慮したうえで、自軍のウォーチーフを選ぶ必要がある。今回のハンズオンでは4名のウォーチーフに設定できるようで、種類はオログ=ハイやビースト使い、さらにはドレイク(龍)とさまざま。筆者は毒攻撃が得意なウォーチーフやドレイクを選択することにした。また自軍および敵軍それぞれに戦力のレベルがあるようで、レベルはプレイヤーの“ネメシスフォロワー”などを考慮して決められる模様。敵との大幅なレベルの差はなく、ほぼ同等のレベルに設定されるようで、敵のウォーチーフを倒すとレベルが下がるようになっていた。筆者はハンズオンで3回フォートレスアサルトに挑むが、各挑戦回で敵ウォーチーフを1体倒していたので、回数を重ねるうちに敵の戦力レベルが徐々に下がっていくことを確認。フォートレスアサルトは何度か挑戦できるが、倒した敵ウォーチーフは復活/新たなウォーチーフが再配置されることはなかった。
 準備を済ませいざ尋常に勝負! とスタートボタンを押すと、ここでカットシーンへ。ここでは、オーバーロードが直々に要塞から歓迎の挨拶を述べてくれる。なお筆者はこのハンズオンで敵ウォーチーフに負けまくったので計3回挑戦したのだが、何度も挑戦しに来るタリオン(筆者)に対してオーバーロードは「なんかい戦いに来ても歓迎するぞ! 結果は同じだからなハッハッハ」、「もうお前の顔は見飽きた」なんて毒を吐いてくる始末。毎度挑発のセリフが変わるのもおもしろい。

『シャドウ・オブ・ウォー』プレイリポート ドレイクを仲間に入れて、敵の要塞陥落ミッションを体験【E3 2017】_01

 要塞にはA、B、Cの3つのチェックポイントがあり、各ポイントの敵を一掃することでチェックポイントを確保することができる。なお各チェックポイントには敵のウォーチーフがいて、なかなか強敵。味方のウォーチーフも加勢してくれタリオンに代わり撃破してくれることも、やられてしまったりもする。なんというか、この味方のウォーチーフのキャラクターが個性的かつ愉快で、ピンチのときに助けてくれたりすると、何だがタリオン(プレイヤー)とオークとのあいだに友情のようなものを感じたりする。筆者がプレイしたときは、味方ウォーチーフひとりが殺されてしまい、撃破されたシーンが流れてくるので「うおー、本当にスマン! 君の分も頑張るわ!」なんて、仲間を失うような悲しい気持ちが襲ってきた。

『シャドウ・オブ・ウォー』プレイリポート ドレイクを仲間に入れて、敵の要塞陥落ミッションを体験【E3 2017】_03
▲PVでは、タリオンの後ろにいるオークを幽鬼の力で支配すると、タリオンに気さくに話しかける、コミカルな一面を魅せてくれる(PV2分50秒あたりから)。オークそれぞれのキャラクターや社会構成が描かれていているのも、本作の魅力なのだ。

 さて、チェックポイントにいる敵のウォーチーフを殺害したり“幽鬼の力(ブランド)”をして仲間にしたりと、あらかた片づけると、ゲレブリンボールの幽鬼の力でチェックポイントを確保することができる。確保すると周りの敵も一掃(ネメシスシステムで仲間になるのかは不明)され、有利に侵略を進められるようになるようだ。
 “ネメシスフォートレス”では、ウォーチーフたちの力を借りて侵略していくことなるが、ここで“ドレイク(龍)”についても説明しておきたい。筆者は今回ウォーチーフのひとりにドレイクを選択したが、ドレイク自身は味方でも敵でもないので無差別に攻撃されるのだ。ドレイクを完璧に仲間にするには、ゲレブリンボールの“幽鬼の力(ブランド)”で支配しなければならない。ドレイクをブランドするには、体力を半分以下にする必要があるようで、筆者がシアターでスタッフによるデモプレイを見たときは、あえてドレイクを弓で攻撃して弱らせて、ブランドで支配し龍使いのようにあやつるというプレイが披露されていた。支配することでタリオン(プレイヤー)の意のままに滑空させられ、口から出される業火を敵に浴びさせられる。やはり空からの攻撃は強力なので、ぜひ製品版がリリースされたら試してほしいところ。

『シャドウ・オブ・ウォー』プレイリポート ドレイクを仲間に入れて、敵の要塞陥落ミッションを体験【E3 2017】_02

 もちろんタリオンとケレブリンボールの爽快なアクションも健在。パルクールなんて目じゃない素早い壁登りや、落下中に弓で攻撃して先手を打ったり、剣で猛攻撃を仕掛けていくアクションは、そこまで難しくなく、とても気持ちがいい。とはいうものの、敵もなかなかしぶとくて、前作よりも手ごわくなっているような印象を受ける。敵を“ブランド”でリクルートして自軍の戦力にしたりと、多彩なアクションとシステムを上手く使い分けていくのがよさそうだ。

 ハンズオンでは、なんとかA~Cのチェックポイントを確保し、いよいよオーバーロードのいる要塞の最奥へと向かう。オーバーロードとご対面し、タリオン対オーバーロードとその近衛兵という圧倒的不利な状況でボス戦はスタートした。初めは敵の攻撃をかわし近衛兵を撃破していこうと試みたが、1対複数の戦いかつ強敵なのでもうてんやわんや。そうこうしているうちに制限時間いっぱいとなり、ハンズオンは終了となってしまった……。
 今回は最後までプレイできなかったが、ここでオーバーロードを倒し要塞を奪取すると、要塞とその周辺に地域がタリオンの支配下になる“ネメシスフォートレス”システムを確認できるとのこと。その模様は記事上部にある動画(Shadow of War: E3 Live Fortress Assault - Day 1)でも確認できるので、ぜひチェックしてほしい。

 前作のよさはそのままに、ネメシスシステムが拡張されてさらに遊びの幅が増えた『シャドウ・オブ・ウォー』。発売日は10月12日に延期されてしまったが、胸を張ってオススメしたいタイトルなので、ファンの方も、気になっている方もぜひ期待して待っていてほしい。

『シャドウ・オブ・ウォー』プレイリポート ドレイクを仲間に入れて、敵の要塞陥落ミッションを体験【E3 2017】_04
『シャドウ・オブ・ウォー』プレイリポート ドレイクを仲間に入れて、敵の要塞陥落ミッションを体験【E3 2017】_05
『シャドウ・オブ・ウォー』プレイリポート ドレイクを仲間に入れて、敵の要塞陥落ミッションを体験【E3 2017】_06