第3話を1時間しっかりプレイ!

 2017年6月2日、カプコンのニンテンドー3DS用ソフト『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』(2017年8月3日発売予定)のメディア向け体験会が実施された。そのリポート第2回となる本稿では、新たなエピソードをプレイした感触をお送りしよう。重要な部分はカットしているが、記事にはネタバレが含まれるため、この先を閲覧される方はご注意ください。

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倫敦万国博覧会で大惨事! CGモデルが滑らかに動くオープニング

 今回は、“科学実験爆発事件”の探偵パートを1時間プレイできた。まずは、シャーロック・ホームズの小説を思わせるプロローグ。前作でもおなじみの挿絵風イラストと、菅生隆之さんによるナレーションが重厚な味わいだ。ここで気になったのが、華やかな倫敦万国博覧会の裏に、謎が“幾重にも”織り込まれている、という言葉。万博を舞台に複数の事件が発生するのだろうか。本作にも『逆転裁判』シリーズの醍醐味のひとつ、“別々の事件が、じつはつながっていた”という物語の仕掛けがありそうな予感……。

【ネタバレ注意】『大逆転裁判2』新たなエピソードのプレイリポートをお届け! 巧みなシナリオに心奪われた!!_01

 続いて、オープニングムービーが流れる。新キャラクターの“ベンジャミン・ドビンボー博士”が、これから万博のステージで科学実験を公開しようという場面だ。博士の口上によると、人間を瞬間移動させる実験で、ステージ上のケージに入った紳士を遠く離れた“水晶塔”へと飛ばすらしい。トンデモない実験内容に加え、博士の大げさな身振り手振りが余計に胡散臭さをかもし出している。実験に心躍らせ、興奮しながら装置のレバーを操作する博士の姿は、マッドサイエンティストさながらだ。そんな彼は、自信たっぷりに実験をスタートさせるが、装置からモクモクと黒煙が噴き出して……?

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 ここでムービーは終了し本編が始まるのだが、ムービーがCGモデルで描かれていたため、スッと切れ目なくゲームに移れたように感じた。前作のセルアニメによるオープニングも素敵だったが、CGムービーは没入感を深めてくれるようで、これもまたいい。

倫敦っ子の変わったところ 変わらぬところ

 ゲーム本編は、主人公・成歩堂龍ノ介の回想で幕を開けた。それによると龍ノ介は前作の後、半年ほど法廷に立っていなかったが、司法の勉強は続けていたようだ。さて、お話はゲーム中の“現在”へと移り、龍ノ介は弁護士に復帰するため、ヴォルテックス首席判事にお伺いを立てに行く。ヴォルテックス首席判事といえば、前作で時間にキビシイ人物として描かれていたが、今回は約束の時間を大幅に過ぎて登場する。聞けば、科学式捜査を本格導入するため多忙を極めており、時間が押すのは仕方のないこととして捉えるようになったらしい。それでも彼のすさまじい威圧感はそのままだった。

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 ちなみに、彼が両腕を広げる仕草をしたとき、背景に白い鳥が羽ばたくのだが、それにアイリスが毎回反応を見せていてかわいらしかった。アイリスはほかにも、判事の執務室の本を広げて寝っ転がりながら読むという、子どもらしい姿を見せてくれた。
 アイリスについてはまだある。後ほど向かうことになる万博会場がものすごい人出だったため、龍ノ介ははぐれないようアイリスの手を引いて歩いていた。その絵姿こそなかったが、微笑ましい場面を想像してホンワカしてしまった。

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▲ホームズ家の朝の食卓でも、万博が話題に上る。ホームズは相変わらず変人だったが、万博よりも気がかりなことがあるようでボンヤリとしていた。何かあったに違いないが、ごまかされてしまった。
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 ヴォルテックス判事からの依頼で、龍ノ介は万博での事件の弁護を担当することに。さっそく留置所へ赴き、被告であるドビンボー博士の話を聞くと、実験は成功していたにも関わらず被験者の紳士は亡くなってしまったという。

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 博士は裁判で有罪になると、実験装置が改められ、機密が漏れることを恐れていた。そこだけ切り取ると薄情で研究のことしか頭にない人間に思えるが、博士はちゃんと被害者の死を悔やむ心は持っていて、罪を償いたいと言っていたのにはホッとした。これまでのシリーズで、疑惑で真っ黒な被告人を弁護することもあったが、やはり弁護する側としては肩入れしにくいもの。

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▲博士は、紳士を分子レベルでバラバラにして転送し、転送先で元通りに組み直すことで瞬間移動を実現したという。
▲警察は事故でなく殺人と見ているが、博士は研究資金を投資してくれた被害者には感謝こそすれ、殺す気などないと主張する。
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 つぎに足を運んだ万博会場では、ジーナ・レストレード(※1)と遭遇する。前作ではスリだったが、スコットランド・ヤードの刑事となって会場の警備を務めていたのだ。立派になった彼女の姿に、何とも言えない晴れ晴れとした気持ちになる。ただ、手癖の悪いところはまだ直っていないようで……。

(※1 ホームズの原作小説でレストレードといえば、よく頼みごとを持ちかけてくる警部だ。ジーナは今回ついに、原作にちなんだ“警部”となる。ただ、本当はまだ見習い刑事のため、警部は自称)

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 会場では、同じく警備中のグレグソン刑事とも出会う。今回は、グレグソン刑事の弱点であるアイリスのおかげで、ステージの調査もすんなり行えることに。現場では、グレグソン刑事とジーナの愉快なやり取り(※2)も見られた。

(※2 原作小説では、グレグソン警部とレストレード警部はライバル関係にある。本作のグレグソン刑事とジーナも何かにつけてやり合っている)

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▲アイリスが連載中の小説「シャーロック・ホームズの冒険」には、グレグソン刑事が実名で度々登場するため、彼はアイリスに頭が上がらない。というより、進んでゴキゲンを取りに行っている。「ゴキゲンは いかがですかな ゴキゲンは」という五七調の挨拶を始め、彼の崩れっぷりには磨きがかかっているように思えた。
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 ところで探偵パートでは、証拠品などをキャラクターにつきつけることができるが、そのときの会話も、前作に負けず劣らずユニーク。それぞれのキャラクターらしい返しが楽しめた。

 また、この事件では記事にはとても書けない重大なことがたくさん出てきていた。前作を未経験でもまったく支障はないけれど、前作を知っているとその真相の衝撃も倍増するはず。ぜひ、いまのうちに予習をしてみては!

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