大人も子どもも高度な戦略&『ガンダム』愛で挑むハイレベルな対決

 2017年4月22日、東京・バンダイナムコ未来研究所にて、トレーディングカードアーケードゲーム“『ガンダムトライエイジ』“第6回最強小隊決定戦”が行なわれた。ここではメインステージで行なわれた大会とイベントステージの模様をお伝えする。

 “最強小隊決定戦”は、『ガンダムトライエイジ』の稼動がスタートして以来、定期的に行なわれてきた全国大会。6回目の開催になる今回も、スコアアタック予選、エリア代表決定戦を勝ち抜いてきた8名×2部門(年齢無制限のオールエイジクラス、中学生以下によるヤング&ミドルエイジクラス)、計16名のGコマンダー(プレイヤー)が決勝会場に集結した。

『ガンダムトライエイジ』最強プレイヤーが決定した、“第6回最強小隊決定戦”イベントリポート 河西健吾さんや金元寿子さんらが参加したトークショウも_01

 モビルスーツカードとパイロットカードの組み合わせに始まり、自分の部隊、そして対戦相手のアビリティ発動をも見越したデッキ構成が伝統的に重要な『ガンダムトライエイジ』の対人戦。

 そんな本作の今大会(メインステージで全試合が行なわれたヤング&ミドルエイジ部門)で存在感を放っていたのは、モビルスーツカードだと昨年の『ガンダムトライエイジ』5周年を記念して誕生した“アニバーサリーレア”(ふたつのアビリティを持っているのが人気の秘密か)。なかでもダブルオーライザー、ガンダムAGE-1ノーマルは多くのプレイヤーが愛用していた。また、3部隊のうちの1枠にはビルドモビルスーツカード(複数の機体を登録、育成できるカード)を組み込むのがセオリーになっているように感じた。

 一方、パイロットカードで活躍が目立っていたのはディフェンスバースト(うまく使えれば相手の攻撃を50~70%カットできる)持ちのキャラクターたち。比較的最近に追加された(“鉄華繚乱1弾”)で追加されたパーフェクトレアのウッソを筆頭に、ティエリア、ラフタ、セシリーといったパイロットを1枚、試合によっては2枚以上入れているプレイヤーも見受けられた。

『ガンダムトライエイジ』最強プレイヤーが決定した、“第6回最強小隊決定戦”イベントリポート 河西健吾さんや金元寿子さんらが参加したトークショウも_02
▲ディフェンスバースト持ちの部隊は、相手の必殺技を受けても生存できる可能性が高いのが強み。

 ただ『ガンダムトライエイジ』では強いデッキを構成することと同じぐらい、相手にデッキ構成を“読まれない”ことが重要なようで、勝ちあがった選手が同じデッキ構成をそのまま使うケースはほとんどなかった。

『ガンダムトライエイジ』最強プレイヤーが決定した、“第6回最強小隊決定戦”イベントリポート 河西健吾さんや金元寿子さんらが参加したトークショウも_03
▲大人、子どもを問わず、ダメージをカットするボタンの早押し、より高いバースト効果を得るための目押しなど、プレイ中の操作面でミスらしいミスを犯す選手は皆無。それだけに試合前の戦略(デッキ構成)が重要になっていたようだった。

 そんなデッキ構成と読み合いが勝敗を分けたハイレベルな戦いを制してヤング&ミドルエイジ部門の決勝戦まで勝ち上がったのは、フォレスト選手(九州沖縄エリア代表)とヤテ・ニ選手(関東エリア代表)。両者のデッキは、フォレスト選手がダブルオーライザー+刹那&沙慈にビルドMSのGセルフ(パーフェクトパック)+キンケドゥというスピードバースト持ちの部隊を多めに配したデッキを送りこんできたのに対して(もう1部隊はガンダムAGE-1ノーマル+ラフタ)、ヤテ・ニ選手は全部隊をディフェンスバースト持ちのパイロットで固めた守備重視の構成(ダブルオーライザー+ウッソ、ガンダムAGE-1 ノーマル+セシリー、ビルドMSのガンダム・グシオン リベイクフルシティ+ティエリア)。

 思い切ったデッキ構成が功を奏したのか、先に相手機体を撃墜してポイントを稼いだのはヤテ・ニ選手。しかしフォレスト選手も即座にAGE-1ノーマルのアビリティ“トライブレイズ”を絡めた強烈な一撃で反撃。1ラウンド目のうちに1-1のイーブンに戻すことに成功した。
迎えた2ラウンド目はお互いここが勝負どころと見て必殺技による撃墜を狙っていくが、フォレスト選手のビルドMSの必殺技はヤテ・ニ選手がバーストバトルでの勝利でダメージを無効化、両者のガンダムAGE-1ノーマルが必殺技で攻撃しあったバトルも両者瀕死の状態ながら耐えるなど、決定打にはならず。さらに撃墜必至と思われたフォレスト選手のダブルオーライザーの“トランザム”発動後の強烈な攻撃も、HPの高いガンダム・グシオン リベイクフルシティを落とすまでには至らず(残りHP140で耐えるというミラクル)、勝負は最終ラウンドに。
 
 お互いの部隊の多くのHPがわずか、“先攻”を取れればほぼ確実にポイントが取れる第3ラウンドを制したのは、スピードバーストを多く積んだフォレスト選手……ではなく、ヤテ・ニ選手。絶対にスピード勝負では勝てないフォレスト選手のGセルフには発動すればスピード差に関わらず先攻が取れる“迅雷”持ちのガンダムAGE-1ノーマルをぶつけると、その狙い通りに“迅雷”が発動し、ポイントを獲得。続いて行なわれたダブルオーライザー対決では先行は取られるも“トランザム”の発動で攻撃を回避し、反撃+必殺技という、どんな機体でもほぼ確実に沈められる攻撃でフィニッシュ。この一撃により、ヤング&ミドルエイジ部門の頂点には、ヤテ・ニ選手が立つことになった。

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▲「1回戦、準決勝とは逆のディフェンス系のデッキにして、“強襲”を持つダブルオーライザーを生き残らせれたのがうまくいった」と語ったヤテ・ニ選手。

 続いて行なわれたオールエイジ部門の決勝は、関東エリア代表のオキヌ選手と中国四国エリア代表のリョウ選手が対決。デッキ構成はオキヌ選手はビルドMSのクアンタフルセイバー+刹那&沙慈、ダブルオーライザー+ウッソ、ガンダムバルバトス(第6形態)+三日月、リョウ選手はマルチフレームシステム(ビルドMSと同様、ICカードでの育成が可能)のガンダム・ダンタリオン+ダリル、ガンダムAGE-1ノーマル+ティエリア、ダブルオーライザー+ラフタ。機体やパイロットは異なるが、ビルドMS系統にスピードバースト持ちを乗せ、ディフェンスバーストが使える部隊をふたつ用意するという大元のデッキ構成は同じな戦いとなった。

 オールエイジの決勝戦では、先ほどのヤング&ミドルエイジ戦ではまったく発動しなかったダブルオーライザーのもうひとつのアビリティ“強襲”(一定確率で味方部隊のバトルに参加する)が両者ともに立て続けに発動。1ラウンド目は“強襲”での追撃が決め手となり、オキヌ選手、リョウ選手ともに1ポイントを獲得した。2ラウンド目はオキヌ選手のビルドMSが持つアビリティ、“超電刃”(指定した1部隊へ確実に一定ダメージを与える)が発動し、1ラウンド目に仕留め損ねた部隊を労せずに撃破。これで優勝へリーチをかけたオキヌ選手は、すかさず火力とスピードを備えたビルドMSでリョウ選手のガンダムAGE-1ノーマルをロックオン。ビルドMSの攻撃+“強襲”の追撃で決着……と思いきや、ガンダムAGE-1ノーマルは残りHP120で奇跡の生存。反撃でオキヌ選手のビルドMSを倒すと、つぎのバトルでガンダム・ダンタリオンが先攻を獲得。これによりスピード差がある敵に大ダメージを与えられるアビリティ“急襲”が発動し、オキヌ選手のダブルオーライザー+ウッソのディフェンスバーストを上回る一撃を叩きこむことに成功。逆転勝利でリョウ選手が優勝を果たした。

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▲好きな作品、『機動戦士ガンダム00』のカードを中心にデッキを作ったというリョウ選手。この日の大会では、ソレスタルビーイング系モビルスーツの専用アビリティ「トランザム、強襲がいい効果を発揮してくれた」とのこと。
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▲表彰式には、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の三日月・オーガス役を担当した河西健吾さんがプレゼンターを務めた。
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▲写真右からフォレスト選手、ヤテ・ニ選手、リョウ選手、オキヌ選手。
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