2017年秋に実証実験のユーザ募集開始予定

 日本を代表する企業、大学の研究開発者、公共機関、そして制作委員会と産学が一体となり、『攻殻機動隊』で描かれている数々の近未来テクノロジーの実現可能性を追求するプロジェクト“攻殻機動隊 REALIZE PROJECT”。この度、 2017年3月25日に東京ビックサイトにて開催された“Anime Japan 2017”内セミナーステージにおいて、新プロジェクトが発表された。

 以下、リリースより。


 攻殻機動隊 REALIZE PROJECT 事務局(東京都港区 統括顧問/事務総長:武藤 博昭)は、日本を代表する企業、大学の研究開発者、公共機関、そして制作委員会と産学が一体となり、「攻殻機動隊」に描かれている数々の近未来テクノロジーの実現可能性を追求するプロジェクトを展開しております。

 この度、 2017年3月25日(土)に東京ビックサイト で行われる「Anime Japan 2017」 内セミナーステージにおいて、新たなプロジェクトについて発表いたしました。

■攻殻機動隊 REALIZE PROJECT から、筑波大内に「ラボ(研究所)」開設へ!
 攻殻機動隊 REALIZE PROJECTは、2015年度、攻殻ハッカソン・攻殻コンテストを開催しました。この度、攻殻ハッカソングランプリチームを輩出した、筑波大学 エンパワーメント情報学プログラム(プログラムリーダー 岩田洋夫 筑波大教授)と株式会社コモンズとの間に、共同研究契約を締結し、研究開発の拠点として同大エンパワースタジオ内に、「ラボ(研究所)」を開設いたします。

 「テクノロジー×エンターテインメント」をコンセプトに、コモンズが持つ特殊造形・メカデザイン・映像制作技術などを融合し、デザインファースト最先端テクノロジーを活かした試作開発と、イベント・舞台、展示といった体験型エンタテインメント装置などの開発の二つの事業展開へと支援します。攻殻機動隊などSF作品に描かれたテクノロジーの実現に向けた「プラットフォーム」として、今回の発展と挑戦に、ご期待ください。

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■タチコマを起用したセキュリティ対策プロジェクト「Warp Drive」発足!
 攻殻機動隊 REALIZE PROJECTは、これまで情報セキュリティコンテストSECCONや「サイバーセキュリティ月間」とコラボレーションしてまいりました。この度、KDDI総合研究所が、情報通信研究機構(NICT)からの委託研究として、攻殻機動隊 REALIZE PROJECTと連携し、攻殻機動隊 S.A.C.シリーズ「タチコマ」をキャラクターに起用したWebによるサイバー攻撃対策プロジェクト 「Warp Drive-Project※」を発表いたします。PC、スマートフォン・タブレット、IoT製品などへのサイバー攻撃の脅威に対し、攻撃観測・回避を支援するエージェントソフトウェアの研究開発で、ユーザごとにカスタマイズしたセキュリティ対策を提示することや、並列化することによって成長する。本研究では、2017年秋を目途にPC(Webブラウザ)向けに、実証実験のユーザ募集を開始予定。また、2020年を目途にスマートフォンやIoT機器へと拡大していき、サイバーセキュリティの向上するサービス・製品の実現を目指します。

※WarpDriveとは、「Web-based Attack Response with Practical and Deployable Research InitiatiVE」NICT委託研究『Web媒介型攻撃対策技術の実用化に向けた研究開発』のこと

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■攻殻機動隊 REALIZE PROJECT「the AWARD 2016」グランプリを発表! ~表彰式レポート~
 同ステージにて、2016年4月~2017年2月までに「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」公式WEBならびにSNSでご紹介してきた国内先端テクノロジーニュースの中から、最も攻殻機動隊らしいテクノロジーを選出する攻殻機動隊 REALIZE PROJECT「the AWARD 2016」を実施いたしました。 読者のリーチ数、インプレッション数、アクション数を事務局が集計、順位付け。1~10位のニュースの中から、当方プロジェクト顧問である専門家、攻殻機動隊製作委員会ならびに制作陣がそれぞれの視点により『電脳(人工知能)』『義体(ロボット)』の2部門において、「これぞ攻殻!」という研究・活動に対して、攻殻機動隊 REALIZE PROJECT「the AWARD 2016」グランプリおよび審査員特別賞を表彰しました。

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<プレゼンター>
岩田 洋夫(筑波大学 システム情報系 教授 エンパワーメント情報学プログラム プログラムリーダー)
石川 光久(「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」実行委員会 実行委員長 / Production I.G 代表取締役社長)

<受賞代表者>
樋渡 穣(富士重工業株式会社 スバル第一技術本部 車両研究実験第四部 部長)
宮坂 浩司(日本アイ・ビー・エム株式会社 グローバル・ビジネス・サービス事業本部 IoTソリューション アプリケーション・アーキテクト)
鈴森 康一(東京工業大学 工学院 教授)
宮野 悟(東京大学 医科学研究所 ヒトゲノム解析センター 教授)

◆『電脳(人工知能)』部門グランプリ
団体名:富士重工業株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社
<受賞者>
樋渡 穣(富士重工業株式会社 スバル第一技術本部 車両研究実験第四部 部長)
宮坂 浩司(日本アイ・ビー・エム株式会社 グローバル・ビジネス・サービス事業本部 IoTソリューション アプリケーション・アーキテクト)

 富士重工業と日本IBMは2016年4月25日、高度運転支援システム分野における実験映像データの解析システムの構築と、クラウドおよび人工知能技術に関する協業検討について合意したと発表。運転支援システム「アイサイト」で実証された安全性能と信頼性をさらに進化、今回の日本IBMとの協業は、新機能開発を加速させるためのものでした。

 富士重工業株式会社 樋渡氏は、「今年、4月から株式会社SUBARUに変わり、自動運転車も予定通り出荷します。今後も是非ご期待ください。」とコメントしました。

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◆『義体(ロボット)』部門グランプリ
団体名:東京工業大学 鈴森・遠藤 研究室
<受賞者>
鈴森 康一(東京工業大学 工学院 教授)
車谷 駿一(東京工業大学 工学院 )
森田 隆介(東京工業大学 工学院 )

 東京工業大学工学院の鈴森康一教授、岡山大学大学院自然科学研究科の脇元修一准教授らは、株式会社池田製紐所(本社:岡山県倉敷市)との協力により、これまでより細くしなやかな人工筋肉の開発に成功しました。(鈴森教授が前任の岡山大学に所属していた2011年よりマッキベン型人工筋肉の研究開発を開始していました。)この人工筋肉を筋繊維として編み込むことで、軽く、柔らかく 着心地のよい介護福祉用サポートスーツやコルセット、 新しいロボットや福祉機器の可能性を示しました。鈴森教授はこれに対し、「本技術は、ギクシャクした機械的な動きではなく、非常になめらかでスムーズな、‟なまめかしい“動きを実現しています。今日このような賞を頂いたことを励みに、また世の中に役に立つようなロボットを作っていきたいと思います。」とコメントしました。

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◆審査員特別賞
団体名:東京大学 医科学研究所臨床シークエンス研究チーム
<受賞者>
宮野 悟(東京大学 医科学研究所 ヒトゲノム解析センター 教授)
東條 有伸(東京大学 医科学研究所先端医療研究センター教授)
溝上 敏文(日本アイ・ビー・エム株式会社 ワトソン事業部 ヘルスケア事業開発部 部長)

 東京大学 医科学研究所が導入した、2600万件以上もの医学論文を学習した人工知能「Watson」が、専門医でも診断が難しい特殊な白血病を僅か10分ほどで見抜き、60代の女性患者の命が救われました。

 東京大学 医科学研究所 ヒトゲノム解析センター 宮野教授は、「『Watoson』はよく人工知能(artificial intelligence=AI)と紹介されますが、我々のチームは「人知の増強(Augmentic Intelligence=AI)」と考えるのが良いと感じています。将来『Watoson』が医師の人知を増強することで、近未来のガン医療が変わると確信しています。」と述べ、喜びをあらわにしました。

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■攻殻機動隊 REALIZE PROJECTとは
 2014年・秋、「攻殻機動隊」が発表されて25年。日本を代表する企業、大学の研究開発者、公共機関、そして製作委員会が一体となり、「攻殻機動隊」に描かれている数々の近未来テクノロジーの実現を追究するプロジェクトが立ち上がりました。

 「義体」「電脳」「光学迷彩」「多脚思考戦車」などのテクノロジーは、物語上の設定を超えた「私たちの文明が進みうるひとつの可能性」、「未来へのビジョン」です。

 「物語」と「テクノロジー」この二つが奇跡的にマッチングしたサイエンスフィクションが、攻殻機動隊の世界。この世界を実現するために、「夢」と「英知」を集めること。これが『攻殻機動隊 REALIZE PROJECT』の使命です。

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