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海外からも絶賛されたあの名作は、いかに生まれ変わったのか? 『ZERO ESCAPE 9時間9人9の扉 善人シボウデス ダブルパック』プレイインプレッション

プレイステーション Vita、プレイステーション4、PC(Steam)で発売される、『ZERO ESCAPE 9時間9人9の扉 善人シボウデス ダブルパック』について、本シリーズをすべてクリアーしているギャルソン屋城によるプレイインプレッションをお届け。
  • ●未プレイの方は、この機会に!

     2009年にニンテンドーDSで発売された『極限脱出 9時間9人9の扉』、2012年にニンテンドー3DS、プレイステーション Vitaで発売された『極限脱出ADV 善人シボウデス』の2タイトルが、プレイステーション Vita、プレイステーション4、PC(Steam)で『ZERO ESCAPE 9時間9人9の扉 善人シボウデス ダブルパック』として復活する(プレイステーションVita、プレイステーション4版は2017年4月13日発売予定、PCは2017年3月25日配信予定)。


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     “極限脱出”シリーズ、“ZERO ESCAPE”シリーズとも呼ばれる本シリーズは、アドベンチャーゲームの鬼才・打越鋼太郎氏が、シナリオ、ディレクションを務めるシリーズで、各所に盛り込まれた脱出ゲームの要素はもちろん、終盤に明かされる展開に、多くのユーザーが驚嘆し、日本だけでなく、ワールドワイドでさまざまな賞を獲得するほどの人気を見せてきた。シリーズの最新作であり、完結編にあたる『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』が、2016年6月30日に発売をされ、そのシリーズの前作、前々作にあたるタイトルが、今回復活するわけだ。とくに、第1作の『9時間9人9の扉』は、高解像度化に加え、画面のレイアウトなども大きく変わり、リメイクと呼べる内容になっている。


     今回、本シリーズをすべてクリアーしている、ライターのギャルソン屋城が、本作を発売前にプレイ。2作品全体の所感に加え、生まれ変わった点などを語る。


    ●時を盗む名作にご用心!?

     名作は、何度だって楽しめる。

     たとえば僕は、少年少女が空を飛ぶ城を冒険するあの国民的アニメ映画など、テレビで放送されるたびに観て同じところで泣いているが、それ以外でも毎回違うところで「あ、こんなところに意外な仕掛けがあった!」という発見をしている。一度の体験だけではすべてを理解できない、数多くの仕掛けこそがその作品を名作たらしめているのだろう。

     そして、打越鋼太郎氏が描く『9時間9人9の扉』や『善人シボウデス』にも、何でもない会話や演出など、随所にたくさんのネタが仕込まれている。しかも、作品そのものがさまざまなエンディングを迎えることでほかの物語が解放される、周回プレイを前提した作りになっており、それらのネタと同時に、作中に仕込まれたトリックや伏線にも自然と気付かせる仕組みになっているのだ。初めて『ZERO ESCAPE(極限脱出)』シリーズをプレイする人は、この巧妙に張り巡らされた打越氏の“罠”にハマることになる。


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     特定の選択肢を選ぶことで“フラグ”を立てながら、何回もプレイを重ねていくうちに、作中に仕込まれたさまざまなネタとともに、事件の全貌も少しずつ明らかになっていく。しかし、『9時間9人9の扉』でも『善人シボウデス』でも、物語終盤までは肝心なところだけがモヤが掛かったようになっていて、なかなか真相までたどり着けないようになっている。それが気になってしかたがない。とくに、フローチャートも7割くらい埋まったころになると、終わりが見えているだけに「あとちょっと!」と真相が気になるあまり止めどきを見失って、プレイを止められなくなってしまうのだ。何という恐ろしい罠であろうか。

     それだけではない。このシリーズは、物語を読み進めたり選択肢を選んだりする“ノベルパート”だけでなく、それらのあいだに多彩な脱出ゲームが楽しめる“脱出パート”が用意されており、そのやり応えも半端なものではないのだ。それだけでも1本のゲームとして売り出してしまっていいくらいである。きちんと作られているので、物語が気になっていながらも、一旦始めると夢中になってしまう。そしてもちろん、その前後にある物語も見逃すわけにはいかない。まったく、とんだ時間泥棒だ。

     そして、触れておかなければならないのが、今回の『ダブルパック』によるリメイクで施された、『9時間9人9の扉』の数々の新要素である。まず、最大のポイントは“ボイスの実装”だ。ボイスが入ることで、ただテキストを読み進めるだけだったこの作品が、まるで違うゲームにも感じられるようになっている。その中でも、僕がとくに印象に残ったのは鈴木達央さん演じる淳平。1年後の物語を描いた『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』では、すっかりやさぐれてしまっていて別人のように感じられたが、『9時間9人9の扉』では性格の違いを細かく演じ分けながらも、根っこの部分をそのまま残す好演技のおかげで「確かに同じ“淳平”だ」と違和感なく受け入れられるようになった。「ボイスが入ることで各作品のつながりをより強く感じられるようになっているんだなぁ」と気付いて、正直感動した。

     さらに、ニンテンドーDS版の2画面仕様を、1画面でふたつのモードを切り換えることで再現した新たな画面システムやフローチャート機能、未読スキップ機能の導入もうれしいところ。以前クリアーしたことがある人ならご存じの、あの仕掛けもきちんと入っているので、どのように再現されているのか楽しみにしていてほしい。また、時代の変化に合わせて一部シナリオが変わっていたり、ある脱出ゲームでは内容が変更されているものも……。一方の『善人シボウデス』は、ほぼそのままの移植となっているが、セーブ領域が増えているなど細かいところが快適化されている。


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    ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』をプレイして過去作品を遊んでみたくなった人、以前プレイをして久々に遊んでみたくなった人、あるいは、今回たまたま気になった人。本作は、どんな人でも何度でも楽しめる“名作”である。仕込まれたネタのボリュームはとんでもない量だし(そのせいか、完結編まで持ち越しとなった伏線も多々あるのはご愛敬)、物語が進めば進むほど先が気になる、何ともうれし迷惑な構成にもなっている。しかも、2作品も入っているのだ。遊ぶ時間があるなら、手を出さない理由はない!




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