DCエンターテイメント、日本で本格始動!

 2017年月3月2日、東京都内にてDCブランド プレゼンテーションが実施。スマッシュヒットを記録した映画『スーサイド・スクワッド』や2017年8月25日公開予定の映画『ワンダーウーマン』、映画『ジャスティス・リーグ』を通して、DCブランドの今後の展望について説明が行われた。本稿ではその模様をお届けする。

『スーパーマン』、『バットマン』を手掛けたアメリカンコミックスの巨匠ジム・リー氏、DCエンターテイメント社長が来日 日本におけるDCブランドビジネス拡大へ_01

 世界的なアイコンでもあるスーパーマンをはじめ、バットマン、ジョーカーといった多彩なキャラクターを生み出してきたDCエンターテイメント。ビデオゲーム『バットマン:アーカム』シリーズは日本でも人気を博し、映画『バットマンVSスーパーマン』、そして『スーサイド・スクワッド』はスマッシュヒットを記録。日本でも着実にDCファンは増えていると言える。
 そして今回のプレゼンテーションは、DCエンターテイメントの日本におけるビジネス拡大を予定して行われたもの。プレゼンテーションでは、DCエンターテイメント社長兼ワーナー・ブラザース・コンシューマープロダクツ社長のダイアン・ネルソン氏と、DCエンターテイメント発行人のジム・リー氏みずからが、DCブランドの今後の展望について語ってくれた。

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▲ワーナーブラザーズジャパン社長兼日本代表 高橋雅美氏(左)、DCエンターテイメント社長兼ワーナー・ブラザーズ・コンシューマープロダクツ社長 ダイアン・ネルソン氏(中央)、DCエンターテイメント発行人 ジム・リー氏(右)

強力なヴィランなしには、スーパーヒーローは語れない

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▲ワーナーブラザーズジャパン社長兼日本代表
高橋雅美氏

 ワーナーブラザースジャパン社長兼日本代表の高橋雅美氏は始めに、「10代~20代の知名度が高まってきたと感じる」と語る。『スーサイド・スクワッド』のヒットに始まり、『ワンダーウーマン』、『ジャスティス・リーグ』の公開を控え、徐々に日本国内での認知を広めてきているが、アメリカのようにDCキャラクターとともに育った人はいないと述べ、これからの国内展開に努力を尽くすと意気込みを見せていた。

 続いて、『ハリー・ポッター』シリーズの統括を行い、成功に導いたことで知られる、DCエンターテイメント社長兼ワーナー・ブラザース・コンシューマープロダクツ社長のダイアン・ネルソン氏が登壇。ネルソン氏曰く、DCコンテンツのみに特化したプレゼンテーションが行われるのは、全世界で初めてのことで、「DCについて知ってもらうよい機会になる」と述べた。
 ネルソン氏はDCエンターテイメントの特徴として、「スーパーヒーロー、そしてスーパーヴィランが際立っている。ヴィランはヒーローと同じくらい大切なキャラクターだ」とのことで、「スーパーヴィランなくして、スーパーヒーローを描くことはできない」とまとめる。同じくアメコミの巨頭とされる“MARVEL”については、「MARVELはDCより先んじおり人気も高く、素晴らしい作品を作っているので敬意を払いたい。しかし、DCにはMARVELにはないキャラクター像や素晴らしいストーリーを持っています」と力強くコメント。さらに、『ワンダーウーマン』や『スーパーガール』、『スーサイド・スクワッド』のハ―レクインを筆頭に、「他社とは違い、DCには力強い女性キャラクターが多数いる」とアピールし、「DCコミックには女性の読者も増えてきている。女性ファンを取り込むことはとても大切だ」と語った。

 現在のDCエンターテイメントが制作する映画コンテンツの営業総収入は7億ドル、ビデオゲームでは『バットマン:アーカム・ナイト』は1億人のプレイヤーがいるとのこと。また、トイ事業では6億ドルの収入を出しているそうだ。今後も大人から子どもと幅広いファン層を獲得するためには、子ども関連ビジネスの市場規模拡大が必要になるとネルソン氏は述べ、日本のホビーメーカーなどと協力関係を築いていきたいと意気込んでいた。

アメコミ界の巨匠が語る、DCキャラクターの人気の秘密

 続いて、『X-MEN』、『スーパーマン』、『バットマン』などを手掛けてきたアメコミ界の巨匠でDCエンターテイメント発行人のジム・リー氏が登壇。なぜスーパーマンやバットマンなどDCキャラクターは人気があり偉大なのか、いくつかのタイトル。キャラクターとともに解説してくれた。

 同イベントで、2017年11月18日公開が発表された映画『ジャスティス・リーグ』。脅威の襲来を予見したバットマンが、孤独に戦うヒーローたちを見つけ出し、バットマン、ワンダーウーマン、アクアマン、サイボーグ、フラッシュからなる究極のスーパーヒーローによる最強チームを結成、強敵に立ち向かうというものだ。バットマン、ワンダーウーマンと各それぞれが強力な力を持つが、映画では“チームだからこそ強敵に立ち向かう強さを発揮する”ことを大々的に描いているという。また、「キャラクターどうじのやり取りがたのしい」とのことで、ケンカもしたりと人間味溢れる演出もあるそうだ。

 では、1938年に誕生し、約80年経ったいまでも絶大な人気を誇るスーパーマンについてはどうだろうか? まずリー氏はスーパーマンについて、“究極の移民”であると答える。クリプトン星の生き残りとして、赤ん坊のときに地球に来たスーパーマンは、人間の夫婦に育てられ、道徳的教育を受け希望・責任感を与えられたという。強大なパワーを武器に戦うこともあれば、レポーター(新聞記者)としてペンを武器に戦う姿に、共感するファンがいたそうだ。スーパーガールについては、12歳のときに地球に逃げのびたため、クリプトン星と地球を比較してしまい、周りの環境になかなかなじめずトラブルを起こすこともしばしば。リー氏はスーパーガールを“究極の難民”だと表している。

 一方で、絶大な人気を誇るバットマンは、スーパーマンやほかのヒーローと違い超能力は持っていない。リー氏はバットマンを“究極の人間”、“警察官”であるとし、超能力はもってないもののヴィランを次々と倒していく姿や物語が、ファンの心をとらえているという。

 また、『ジャスティス・リーグ』に登場するヒーロー“フラッシュ”、“アクアマン”、“サイボーグ”は、日本ではあまりなじみがない。これについてリー氏は、バットマンなどといった有名キャラクターと交えて、戦略的にアピールしていきたいと述べた。

 プレゼンテーションでは、映画『ジャスティス・リーグ』のマンガ化が発表! 秋田書店より発売されている月刊誌『チャンピオンRED』にて連載されることが明らかにされた(担当マンガ家は、『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』で知られる手代木史織氏)。マンガオリジナルの日本キャラクターも登場するとのことなので、DCファンはぜひチェックしてみてはいかがだろうか?

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