アート制作の秘話をつぎつぎ披露!
2017年2月18日から19日にかけて、ドイツ・フランクフルトで開催中の“FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2016 in Frankfurt”。初日のステージイベント“開発パネル~The Art of Eorzea~”では、吉田直樹プロデューサー兼ディレクターと、リードキャラクターコンセプトアーティストの茂木雄介氏が登壇。茂木氏がこれまでに手掛けたアートワークとともに、さまざまな制作秘話が語られた。
アートワークの制作は、基本的にはプランナーやコンテンツチームなどによる現場からの発注からスタート。開発の最初の工程となるため、情報の食い違いがないように、いろいろと指示をもらいつつ制作している。また、吉田氏から直接、パブアートなどの発注が行われることもあるという。こちらは、キャラクターデザインができているものを、いかに宣伝用に描いてもらうかの発注を受け、制作に取り掛かるのだとか。
ではどのようにメインアートが制作されていくのか? パッチ3.3で描かれた、エスティニアンのメインアートを例に挙げながら、その工程が紹介された。
もちろん、すんなりと構図が決まることは稀。通常は複数のパターンのレイアウト案を描き、その中から吉田氏がオーケーを出したもので完成を目指す。茂木氏によると、レイアウト案は早いものだと10分も掛からないぐらいで完成するとのことで、これには思わず吉田氏も驚愕。「これからはバンバン頼んでもいい?(笑)」と茂木氏に詰め寄るシーンが見られた。
そして話題は再びエスティニアンのメインアートへ。ラフの構図が決まると、ディティールを描き込み、完成形を目指していく。こうしてできあがったものが、さまざまな形でプレイヤーの目に入ることになるのだ。
これでメインアートが完成で作業は終了! と思いきや、じつはこれには後日談が……。当初、散々「エスティニアンの鎧は青」と確認して制作を進めたにも関わらず、「赤いエスティニアン、あったよね?」と吉田氏が尋ねて来たらしい。そのときの記憶を思い出し、赤いエスティニアンを描けるくらい鮮明に覚えているという吉田氏だったが、作業フォルダやプリントアウトの切れ端にも赤いエスティニアンは存在しない。当時、この吉田氏の記憶違いによる質問に、アートチームはとんでもなく困惑させられたと茂木氏が言って、吉田氏をからかい、会場を沸かせた。