6月6日に発売予定

 ベセスダ・ソフトワークスのRPGシリーズ“エルダースクロールズ”を土台にしたオンラインアクションRPG『エルダー・スクロールズ・オンライン』(国内ではDMM GAMESがPC版のみサービスを提供)で、大規模新コンテンツ“Morrowind”(モロウウィンド)が発表された。

 モロウウィンドでは、新エリアVvardenfel(ヴァーデンフェル)とともに30時間以上の新クエスト、新クラスのWarden(ウォーデン)、ふたつのパブリックダンジョン、新たなトライアルダンジョンなどが登場する有料アップデートパッケージの扱いとなっており、6月6日に発売予定。
 参考までに海外での価格は、既存プレイヤー向けのTES本編からのアップグレード版が39ドル、新規プレイヤー向けの本編とセットになっているスタンダード版が59ドル、さまざまな特典がついたコレクターズエディションのデジタル版が79ドル、パッケージ版が99ドルとなっている。

 今回本誌では、アメリカのメリーランド州にある開発元ゼニマックス・オンライン・スタジオで行われたスタジオツアーに参加。インタビューなどを行ってきたので、その模様をお伝えしよう。

Vvardenfel(ヴァーデンフェル)島の“過去への帰還”

 新コンテンツ“モロウウィンド”はその名の通り、海外で2002年にPC/Xboxで発売されたエルダースクロールズシリーズ第3作『The Elder Scrolls III: Morrowind』(以下、区別のためTES3とする)に出てきたモロウウィンド地方、中でもダークエルフの本拠地であるヴァーデンフェル島がメインの舞台となる。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_01

 時間軸としてはTES3の約700年前にあたり、当地に君臨する3柱の神に等しい存在“トリビュナル”(ソーサ・シル、アルマレクシア、ヴィベク)のうちヴィベクが何らかの原因により力を失い始め、さまざまなパワーバランスが崩れつつあるという危機が描かれる。
 というわけでプレイヤーの目的は、隠密集団モラグ・トングのメンバーであるダークエルフの女性ナリュー・ヴィリアンと協力し、ヴィベク弱体化の原因を探り、回復の道を探すこと。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_14
▲彼女がナリュー・ヴィリアン。

 実はヴィベクはTES3で主人公にラスボスを倒すよう未来を託す重要な存在であり、モロウウィンドには彼の廟があるヴィべク・シティをはじめ、TES3に出てきた数々の名所が登場。作品内の時間軸では過去にあたるものの、アップグレードされたグラフィックでこれらの地を“再訪”できるというワケだ(ソーサ・シルの街クロックワーク・シティなどはトライアルダンジョンの一部にもなっている)。
 さらに一部クエストでも、TES3に出てきたある幽霊キャラクターを本作で殺すことになるといったリンクがあり、いわばTES3発売の15周年記念的な側面を持っていたりする(TES3は日本語版が出なかったためプレイした人は限られているかもしれないが)。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_18
▲これがヴィべク・シティ。何度となく訪れることになるだろう。
『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_13
▲TES3版のモロウウィンドはこんな感じ(時間軸的には本作から未来にあたる)。トリビュナルの本拠地の上には巨石が浮いているのだが、今回はヴィベクの力が弱まったことで街に落ちつつあるという事態に。

 ヴァーデンフェルの風景は、火山と湿地に囲まれつつ、巨大なキノコが住居に利用されていたりする、開発チームいわく「エイリアンの星のような」独特な雰囲気が特徴。巨大なノミのような“シルトストライダー”(TES3にも登場した)が馬のように乗り物として利用されていたり、生態系もエキゾチック。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_16
▲キノコ生えまくり。
『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_17
▲住居としても使われていて、住んでいる魔術師の能力によって大きさが変わるという設定も。

モロウウィンドから始めることも可能

 ユニークだったのが、本コンテンツを説明するにあたって「(MMORPGで一般的な用語である)エクスパンションとは呼びたくない」と語っていたこと。その理由は「(海外で依然として人気のMMORPG『World of Warcraft』を念頭に置いて)エクスパンションって言葉はエンドゲームコンテンツだけをイメージされがちだから」。

 つまり「モロウウィンドはエンドゲームコンテンツではなく幅広いプレイヤーが楽しめます」ということなのだが、実際にモロウウィンドには専用の新チュートリアルもついてきて、新規プレイヤーがいきなりヴァーデンフェルから冒険を始めることも可能だ(その場合は本土に行くと本来のチュートリアルエリアであるコールドハーバー絡みのクエストが始まる)。
 ここでカギとなっているのが昨年行われたアップデート“One Tamriel(ワン・タムリエル)”。このアップデートによって、オンラインRPGでよくある“エリアによって敵のレベル帯が決まっている”という仕組みから、“エリアによってプレイヤーのレベルが調整される”という仕組みに変わっているので、モロウウィンドも同様に新人とベテランが混在できるというわけだ。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_15
▲プレイヤーがボートでモロウウィンドのSeyda Neenにたどり着いた所から新たな冒険が始まる。

新クラス“Warden(ウォーデン)”

 新クラスのウォーデンについても解説しよう。ウォーデンのクラススキルは、氷系のWinter's Embrace、植物系のGreen Balance、動物系のAnimal Companionsの3系統を持つ。回復して良し、動物で手数を増やして良しのサポート系である一方、設置型スキルを使いこなすとさらに面白くなるという点で、真価を発揮できるのは中上級者向けかも。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_21
▲ウォーデンは自然の力で戦うというイメージ。

 まずWinter's EmbraceではUltのSleet Stormを中心に、時間経過で回復させるIce Fortressや、シールド強化するCrystallized Shieldなど、氷系の攻撃や回復・バフ系スキルが揃う。Frozen Deviceはルーンを設置しておき、踏んだキャラクターを呼び寄せるという能力で、PvP/PvEでの使い所が面白そう。

 続くGreen Balanceはテクニカルな回復系が揃っており、Fungal Growthは直接ヒール+コーン状のエリアで範囲回復という技。一方のHeling Seedではヒールの花を咲かせて周囲を回復する。Nature's Graspでは回復対象のところにワープするというギミックがついていて、こちらもパーティープレイでどう使うかで個性を出せそうだ。

 そしてAnimal Companionsでは、クマを召喚して戦わせるUltのWild Guardian以下、モンスターのCliff Racerを急降下攻撃させるScreaming Cliff Racer、ハチのような生物の群れを飛ばしていくGrowing Swarmなど、生き物大行進といった感じのスキルが集合。
 ちなみにメイルストローム・アリーナ(ソロで敵の群れと戦う)で実際のスキルを見せてもらったのだが、クマをタンク代わりに突っ込ませておいて、自分は後ろから矢を放ちつつ、合間にセルフ回復を入れていく、というようなプレイスタイルだった。

新PvPコンテンツ“バトルグラウンド”

 また新たなPvPコンテンツとして“バトルグラウンド”が登場する。バトルグラウンドは4対4対4の小規模な三つ巴戦で、チームデスマッチだけでなく、一種のキャプチャー・ザ・フラッグ(FPSなどでよくある敵軍の旗を自軍陣地に持ち帰るのを競うモード)、フィールド内の拠点制圧でポイントを稼ぐタイプなど、さまざまなモードが存在し、コンパクトで素早いテンポが特徴だ。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_03

 フィールドはモロウウィンドのローンチ段階では3種類を実装予定で、ヴァーデンフェルらしい火山に囲まれたフィールド、多層的なドワーフの遺跡のフィールド、ワープギミックがついているデイドラの遺跡のフィールドを確認。なおバトルグラウンドのフィールドはモロウウィンド外にも存在するという。

 各フィールドは3チームそれぞれのリスポーン(復活)地点はつねに安全で、そこからメインのフィールドに飛び降りる形で復帰できるのだが、ここで注意したいのが、たった4人編成なのでひとりいないと戦力25%減ということ。実際、ひとりが離席したりすると結構厳しくなる構成で、グループファインダーなどにもバトルグラウンドの項目が追加されるそうなのだが、できれば身内で参加するのがベターかもしれない。


 スタジオの代表であり、本作の全体を統括するディレクターでもあるMatt Firor氏と、クリエイティブディレクターのRich Lambert氏にインタビューを行ったので、内容紹介に引き続き、そちらの内容もお届けしよう。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_11
▲左がMatt Firor氏で、右がRich Lambert氏。

ワン・タムリエルこそがモロウウィンドを可能にした

――オリジナルのローンチからモロウウィンドまでたくさんの事が変わりました。開発チームにとってESOの核と呼べるものはなんだと考えていますか?
Rich 一番大きいのはやりたいものをやりたいようにやれる、というフリーダムだと思う。ワン・タムリエルを導入したのも、例えばこの世界を探索するにあたってレベル制限やさまざまな障壁をなくしたかったという部分が大きい。
Matt (ワン・タムリエルを導入したのは)それと、すべてが「オンラインのエルダースクロールズだ」と感じられるようにだな。
Rich その通り。(TESシリーズのナンバリングタイトルのように)制限を取り払って昔ながらの冒険をしてもらおうというわけさ。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_06
▲チームによるローンチ時の分析。「エルダースクロールズ感が足りない」という認識があったようだ。

――モロウウィンドのコンテンツは、すべてのプレイヤー、すべてのレベル帯、すべてのプレイスタイルのためのものということでいいですか? 例えば自分は基本的にソロプレイヤーで、レイドや対人戦にはあまり興味がなくて、ストーリーを楽しむのが一番の目的というタイプです。モロウウィンドで復帰してソロで楽しめるでしょうか?
Rich もちろんだ(深く頷く)。プレイ時間にして30時間以上相当のクエストがあるけども、どれもソロでプレイすることができる。

――プレゼンテーションで「これはエンドゲームコンテンツではないからエクスパンションとは呼びたくない」と話していたのが面白かったです。でも、すべてのレベル帯に向けたコンテンツを作るというのは大変なのでは?
Matt ワン・タムリエルがこれを可能にしてるんだ。僕らは今「良いストーリーとそれに沿った良いコンテンツを作ろう」ということにシンプルに集中できている。中身を作れば、後は(ワン・タムリエル以降のシステム設計によって)コンテンツがすべてのレベル帯のプレイヤーに調整されるので、そこはあまり悩まなくてよくなる。逆に、ワン・タムリエルがなければ幅広いレベル帯で遊べる作りにするのは難しかっただろうね。
 実際は、人によって感じ方は変わると思う。例えば私がハードコアプレイヤーであれば、従来的な“エンドコンテンツを追加するエクスパンション”とみなすこともできるだろうし、カジュアルなプレイヤーであれば「ほう、アップグレードすればESOの新しいストーリーが楽しめるのか」と感じるだろう。ワン・タムリエル以降のESOはこれまでのゲームとは違うやり方をしているから、どういう性質のコンテンツかという感じ方も従来のゲームより幅があるんだ。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_20

――両者の関係はどうなんでしょう? モロウウィンドのためにワン・タムリエルをやったのか、それとも別々の話なのか。
Rich そのふたつは基本的に別々の話なんだけど、ワン・タムリエルはずっとやりたかったんだ……本当はローンチ前からね。けれども、当時いきなりそれをやるのはちょっとリスキーじゃないかという考えもあった。だからDLCを投入していく段階で、まずその中でレベル調整のシステムを入れて、プレイヤーにどう影響を及ぼすかを見ることにした。そして反応が非常に良かったので、全体に適用しようということになったんだ。そして適用した結果、モロウウィンドにとっても非常に話をシンプルにするものだったということさ。

――モロウウィンドを選んだ理由はなんでしょう? TES3の15周年記念だからですか? それとも例えばオブリビオンを選ぶにしても、その舞台のシロディールはもうゲームに入っているということもあるかもしれませんが。
Matt 我々にとってはモロウウィンドが論理的だったんだ。例えば大きな島だから、メインとは違うコンテンツのエリアとするには都合がいい。そして“最初の偉大なエルダースクロールズゲーム”へのノスタルジアを感じ取れる場所であるということも意味があった。シリーズのファンにとって、モロウウィンドという単語はなにがしかの意味や価値があるものだからね。それと単純に面白い土地でもある。エルダースクロールズの世界でもなお、異世界のような雰囲気がする場所で、景観も不思議だ。開発としても、火山とか灰の嵐とか、普段とは違ったことができるしね。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_02

Rich そう、エイリアンの星みたいなんだ。伝統的なファンタジーの風景からは外れたものがある。デカいマッシュルームが家になっていたり、虫のような構造があったり……。
Matt どこも同じような風景というのはつまらないからね。プレイヤーは新しいもの、新しい土地、新しいエフェクト、新しいクリーチャーを見たいわけだし。モロウウィンドはそういったもろもろの理由がカチッとはまる場所だったんだ。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_12

――以前ESOを取材した時に、ゼニマックスグループ内で各コンテンツがエルダースクロールズの歴史として正しいかどうかをチェックする“Lore Keeper”と呼ばれる人たちがいるという話を聞きました。今回のモロウウィンドでは調整が大変だったのでは?
Rich ベセスダ・ソフトワークス側の人たちだよね?(※ゼニマックス・オンライン・スタジオとは組織的に系統の異なる同グループの別会社という扱い) 彼らとはいい関係を築いていて、僕らが展開したいストーリーを「こんな風にやりたいんだ」と相談すると、「それはいいね、問題ないよ」とか「この出来事はそう起こったんじゃなくて、こう起こったことになってる」なんて教えてくれる。一緒に仕事ができるのが楽しい人たちだよ。

――現在ESOのプレイを中断している人もいるかと思うのですが、古いキャラクターを引っ張り出してくるべきでしょうか、それとも新キャラを作り直した方が早いのでしょうか?
Matt それは完全にプレイヤーによる。どちらでも行けるようにしてあるよ。結構な期間遊んでいないなら、いっそ新キャラでやり直したいという人もいるだろうしね。
Rich システムが結構変わったから、おぼろげな記憶で混乱するよりモロウウィンドのチュートリアルからやり直すというメリットもある。
Matt 逆に定期的にプレイしているというなら、それは継続してキャラを育成するのがいいしね。

新クラス・新PvP要素について

――新クラスのウォーデンのいい部分、悪い部分はなんでしょう? オススメのプレイヤータイプなどは?
Matt 悪い部分はないよ。今潰してるから! ……というか、開発中だからまだ悪いところだらけだ(笑)。
Rich ESOでのクラスは他のゲームと異なって、どちらかと言えばプレイヤーのファンタジーを刺激するものという側面が大きい。例えばナイトブレードだったら「隠密野郎」って感じで、テンプラーだったら「パラディンで、ヒーラーで……」といったイメージがある。ウォーデンは(自然を愛する)ドルイドで、ピンチに駆けつけるレンジャーといった感じかな。
Matt 具体的にはグループ全体を助けて、かつダメージを与えることもできる。
Rich ESOの場合は武器やアーマータイプがクラスに縛られないから、ある程度の型はあるけども、あるタイプに固定されずにファンタジー的な役割を自分で作り上げられるよ。ただ個人的には、ヒール能力に設置型が多かったりするから、ある程度スキルのあるプレイヤーの方がわかりやすいとは思うけど。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_22
▲スキルで羽根を生やすウォーデン。

――では今度はバトルグラウンドのゲームルールについてもうちょっと教えてもらっていいですか? デモではキャプチャー・ザ・フラッグ風のものがあるという説明を受けましたが、他には?
Rich 現時点では、まずチームデスマッチがある。3チームで戦って、一番倒したプレイヤーが多いチームの勝ちだ。そしてキャプチャー・ザ・フラッグ系のモード。フラッグを奪って自分のフラッグにタッチダウンできればポイントが入って、一定のポイントに到達すれば勝ち。その他にもいくつかのモードを内部的にテストしていて、ローンチ時点では少なくとも3種類のルールが入るはず。

――検討中のモードはどんなものなんですか?
Rich 候補としては“キング・オブ・ザ・ヒル”、これはマップ内のある拠点を占拠して保持するというタイプだ。あるいは“ランドグラブ”と呼んでいるものもあって、これは基本的にはキング・オブ・ザ・ヒルと似ているけども、複数の拠点があって同時占拠を狙いたいようなルールになっている。そして“ジャガーノート”と呼んでいるルールでは、フラッグを保持している間のダメージに応じてポイントが入っていく。これらが現段階で検討しているモードだね。

――キャプチャー・ザ・フラッグについて確認したいんですけど、敵のフラッグを持ち帰った時に、自軍のフラッグが奪われているとダメなタイプですか?
Rich そう。自軍のフラッグがちゃんとある状態でタッチしないといけない。だから誰かは守備をやっていた方がいいだろうね。

――モロウウィンドのPvP要素についてですが、シロディールのような大規模戦はありますか?
Rich それはシロディールでやるものだ。モロウウィンドが出たからってシロディールで戦わなくなるわけではないしね。シロディールでは引き続き、50対50対50の大規模で長時間の攻城戦が続く。それに対してバトルグラウンドは、チームなり個人で入って15分ぐらいでサクッとプレイするできるというもので、性質も異なっている。

――バトルグラウンドをプレイするための必要条件などはありますか?
Rich シロディールとほぼ同じで、レベル1-49のグループと、50以上のグループを分ける予定だ。

ハウジングシステムや今後について

――モロウウィンドの話題からは少し離れますが、もうすぐリリースされるハウジング(住宅)システムについて少し話していただけますか?
Rich ハウジングは非常に広範なシステムで、2月に実装予定だ。家のタイプは37種類ぐらいで、中に置けるアイテムは2000ぐらいあるのかな? ゲーム内エディターがあって、アイテムを思ったようにレイアウトしていけるわけだけども、テストサーバーでは誰かが柱やラグといったパーツから巨大なロボットのオブジェを作り上げた。結構好きなように作れるはずだ。クエストや実績をクリアーすることで得られる家具もあって、例えばダンジョンのボスを倒すと“モンスタートロフィー”と呼ばれるブロンズの胸像が手に入って、それを家に飾れるというわけだ。PvP関連のものもあるし、家具のクラフト要素なんかもある。

――モロウウィンド以降のプランについて教えてください。メインゲームのサポートは続くのでしょうか。それともモロウウィンドの部分にシフトしていくのでしょうか。
Matt モロウウィンドは一種の新章だ。DLCは別にやることになっていて、第3四半期と第4四半期にはリリースされるだろう。そちらはメインゲームを所有していれば、モロウウィンドが必要ということはない。
Rich それとモロウウィンドの所持に関わらず、みんなにアップデートを提供していくということをはっきりさせておきたい。土台となるメインゲームの改善についても同様で、モロウウィンドが出たから本土が放置されるということはない。サポートはちゃんと続いていく。

――モロウウィンドの開発追い込みと調整を除いて、ESOで現状の最大の問題と捉えているのはどんな部分ですか?
Rich 自分が頭を悩ませているのは、シロディールでの全体的なパフォーマンス問題かな。大規模戦の時にパフォーマンスが低下するので、なんとかしたい。それとコンソール(家庭用ゲーム機版・日本では現状未発売)でのパフォーマンスかな。そのふたつが大きいと思う。

――では最後に、おふたりがそれぞれモロウウィンドで一番だと思う部分は?
Matt ノスタルジアをプレイヤーに与えられるということが非常に気に入っているんだ。シロディールもある意味再訪だし、あそこでのPvPも楽しいし気に入っているけども、それとはやっぱりちょっと違う。今日プレゼンで見せた時に、オープニングで「おおっ」っと声を漏らした人が何人かいたけども、あれこそが自分が一番だと思う部分だね。自分たちの仕事が間違ってなかったということだし、「家に帰ってきた」という感覚を与えられた。もちろん、現代風にバージョンアップされた“我が家”だ。チームの仕事に誇りを持っているよ。
Rich 自分にとっては、さっきも少し触れたけど、モロウウィンドが他とはまったく違う雰囲気の場所であるという部分かな。エイリアンのようで、普通とは違って……。TES3はグループでも大きな転換点となった重要なタイトルだから、下手なものは作れないというプレッシャーもあった。だけど自分も反応を見た時に「これだよ」って実感できたかな。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_04
▲おまけ写真その1。これがZenimax Onlineが入っているビル。周囲には割と何もない。ちなみにベセスダ・ソフトワークス本社は同じメリーランド州内だがクルマで1時間かかるぐらい離れている。
『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_05
『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_09
▲スタジオ内には海外公式サイトで販売されているフィギュアやイベント出展時のプロップス(小道具)これまでに獲得した賞などが飾られていた。
『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_07
▲三軍の鎧。
『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_10
『エルダー・スクロールズ・オンライン』新章はTES3の舞台モロウウィンド。新クラスやPvPコンテンツの概要をインタビューとともにお届け_08
▲海外のスタジオでよくある、スタッフの個室の扉ギャグ。TESプレイヤーならわかるだろう。