最新のROMをガッツリプレイ! 肌で感じたことをリポートします!

 2017年1月26日にカプコンから発売予定のプレイステーション4、Xbox One、PC用サバイバルホラー最新作『バイオハザード7 レジデント イービル』。『バイオハザード』ファン視点と、ホラー愛好家視点の両面からの最新バージョンのプレイインプレッションを掲載する。じっくり読んでほしい。

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『バイオハザード7 レジデント イービル』取材リポート2 最新バージョンをプレイしてみた!_01

プレイインプレッションその1 プレイして確信した。この作品は紛れもなく『バイオ』だ

 週刊ファミ通の『バイオハザード』シリーズ記事担当編集者のででおです。これまでの『7』体験版をプレイした『バイオ』ファンの皆さんは、「これは本当に『バイオ』なのか?」と疑問を持ったことはあるだろうか? スピンオフ作品も含め、ほとんどの『バイオハザード』シリーズ作品プレイしてきた俺がそう思っていたくらいなので、同じことを考えた方は少なからずいるはずだ。でもそこで、もうひとつモヤモヤしたものが浮かんだ。「そもそも、“『バイオ』らしさ”って何だろう?」と。ナンバリング作品だけ見ても、ゾンビが出てこないこともあったし、それ以外のクリーチャーも、t-ウィルスに感染したものや、寄生生物に乗っ取られたものなど多種多様だ。そもそも第1作『バイオ』と『バイオ4』の2作品を比べるだけでも、ゲームの質がまったく違う(どっちも好きだけど)。いろいろ考えた末に俺の中で行き着いた答えは、“サバイバルホラーであること”だった。作品ごとに異なる恐怖がありつつも、プレイヤーはその恐怖から逃れるのではなく、乗り越えて生き残ろうとする。『バイオ7』はその両方を満たしている。いや、満たしているどころじゃない、突き抜けているのだ。

 いくら撃っても死なず、執拗に追いかけてくるジャックに対する恐怖。行く手を遮るモールデッドに弾薬を消費するかどうかの葛藤。システムもクリーチャーもすべて新しいのに、かつてない恐怖を味わい、生き残るため死にものぐるいになった。この感覚は、初めて第1作『バイオ』をプレイしたときに近い。たくさんのシリーズ作をプレイし、『バイオ』の怖さに慣れたつもりでいたけど、正直、一本取られたと思った。

 先ほど、“すべて新しい”と書いたが、シリーズファンへのサービスを感じられた箇所もいくつか見られた。そのひとつがアイテム合成だ。“グリーンハーブ”というアイテムをそのまま使うと体力を少し回復できるが、“薬液”と合成すると“回復薬”になり、回復量がアップする。しかし、この薬液は“ガンパウダー”と合成すると、“ハンドガンの弾”にもできる。回復を重視するか、攻撃を重視するかで悩みまくる。コレは、俺が週刊ファミ通に入社したばかりのころ、初めて攻略記事を書いた『バイオ3』のシステムに近いかも? そう言えば、ガンパウダーというアイテムも『バイオ3』以来の登場だ。うむ、懐かしい。懐かしさを感じるものはもうひとつ、“アイテムボックス”の存在もある。こちらは持ちきれなくなったアイテムを入れておく箱だが、これまた“どのアイテムを持ち出すか?”でプレイヤーを悩ませるシステムだ。「この先を生き抜くためには、弾薬やハーブをたっぷり持っていきたい。しかし、あまり多く持ち出すと、肝心なときにキーアイテムが拾えなくなるかも?」と、“その先に潜む恐怖”におびえつつも、思考をめぐらせるのがとても楽しい。この感覚、まさに正統派のサバイバルホラーだと断言できる。
 余談だが、“ミスターエブリウェア”や“アンティークコイン”といったやり込み/コレクション要素なんかもあり、『バイオ4』の青コインを連想して思わずニヤニヤしてしまった。これらもまた『バイオ』らしさだろう。

Text by ででお

『バイオハザード7 レジデント イービル』取材リポート2 最新バージョンをプレイしてみた!_03

プレイインプレッションその2 恐怖を存分に味わいたいなら、情報を遮断して発売日を待て!!

 皆さんこんにちは。ホラー映画が大好きなライター、メスカブト森田です。今回プレイしたバージョンは、ジャック一家の晩餐シーンから幕を開ける。具体的な言及は避けるが、開幕から全力でキ※〇△(ファミ通.comではとても書けない表現)な一家総進撃な展開は、胸にこみ上げてくるものがあった。トビー・フーパーの『悪魔のいけにえ』然り、ケヴィン・コナーの『地獄のモーテル』然り、ロブ・ゾンビの『マーダー・ライド・ショー』然り、外界とは異なる独自のルールを持つ気の触れた家族は、厳格ながらどこまでも自由で、魅力的に見えるのだ。

 そして、その家族のテリトリーに踏みこんでしまった主人公(プレイヤー)。自分がこれまでに培ってきたルールはベイカー邸では通用しない。ここでは家長であるジャックが法律であり、その家族は法の番人なのだ。いきなり脳天にショベルを突き立てられようとも、文句は言えない。そんな理不尽まみれの体験が、今回のプレイのほとんどを占めた。得体の知れない理不尽さが、アイソレートビュー(一人称視点)による没入感、絶妙に計算された演出、焦燥感を煽るギミックなどと相まり、無二の恐怖を生み出していた。

 ここで、ホラーファンにもうれしい演出があったこともご報告。開発陣が語るように、本作にはホラー作品のエッセンスが随所に散りばめられている。個人的に感じ取れた中でうれしかったは、ジャックの得物に関する要素だ。スラッシャー系の作品に触れていると、興味はだんだんと人体がいかに破壊されるかにシフトしていく。本作のジャックはたびたび主人公の前に現れるのだが、手にした武器がショベル→熊手(?)といった具合に、細かいながらもつぎつぎと変化し、場面ごとに違った顔を見せてくれるのだ。殺人鬼がバリエーション豊かな殺しを見せてくれる『ツールボックス・マーダー』や『道化死てるぜ!』といった映像作品にも通じるサービス精神に、頭が下がる思いだ……勝手な思い込みなのかもしれないけど。

 さて、ここまで書いておいていまさらだが、『バイオ7』の購入を考えている人は、今後本作の情報を遮断することをオススメする。と言うのも、人間が抱く恐怖という感情はかなり厄介で、簡単に薄まってしまうからだ。もちろん恐怖の質や個人の耐性などによる例外はあるが、人はどんな恐怖にも“慣れ”てしまう。初めは、画面にゾンビが登場しただけで悲鳴を上げていたのに、いつのまにか冷静沈着に何体ものゾンビを葬れるようになっていた、という方も少なからずいるだろう。このように、ホラーゲームをプレイしてくうえで恐怖が薄れていくのは仕方のないことだ。しかし、だからこそ『バイオ7』では、恐怖の上澄みでもあるファーストプレイを大切にしてほしい(水分補給を絶って喉をカラカラにして飲むビールのひと口目が、最高にウマイのと同じ)。

 そのためにも既視感などによる“慣れ”を生み出す事前情報は、できる限り排除して臨みたい。恐怖があればこそ、敵と対峙する緊張感、アイテムをやりくりする楽しさ、探索で役立つものを見つけたときの喜びも増すのだから。情報を発信するファミ通.comでこれを言うのは矛盾しているけれど(苦笑)。

 とはいえ、決して安くないゲームの購入を精査するにあたり、情報収集が避けられないのも事実。その際は、くれぐれも過度な収集やネタバレにはご注意を。すべては極上の恐怖体験のために……。

Text by メスカブト森田

『バイオハザード7 レジデント イービル』取材リポート2 最新バージョンをプレイしてみた!_02

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※画面は開発中のものです。