見ただけではわからない本作の特徴を直撃インタビュー!

 2016年12月8日に発売される、任天堂のニンテンドー3DS用ソフト『Miitopia(ミートピア)』(4700円[税抜](5076円[税込])。大魔王に奪われた人々の顔を取り戻すべく、Miiたちが冒険の旅をする“みまもりシミュレーション”だ。今回、ファミ通.comでは、本作を事前にプレイする機会を得て、プレイインプレッションを公開した(記事は→コチラ)。本作は、Miiが動き回るかわいらしい見た目とは裏腹に、プレイをしてみると、驚くほどがっつり遊べる内容になっている。そんな本作はどのように生まれ、どのように制作されたのか。プレイインプレッションと合わせて、本作の特徴や魅力について、プロデューサーの河本浩一氏にメールインタビューを行った。

家族や友だち、あの人といっしょに冒険できる。想像以上にがっつり遊べる『Miitopia』開発者インタビュー_10

――『Miitopia』の開発のきっかけ、アイデアはどこから生まれたのでしょうか?

河本 RPGのキャラクターに、家族や友だちとか、好きな子……とかの名前を付けて遊んだ人って多いんじゃないでしょうか。知っている人が活躍したりやられたり、好きな子を大事にしたりすると、あらかじめ名前が付いているキャラクターとは別の楽しさが出るなあと思っていました。Miiは名前だけじゃなく顔があるので、そういう遊びにピッタリなのに、ストーリーがある形でしっかり作られたゲームはあまりなかったので、開発することにしました。

――Miiを使ったゲームということもあり、最初はライトなゲームだと思っていましたが、非常にやり応えのあるゲームで驚きました。当初からこういった、がっつり遊べるゲームを想定して作られていたのでしょうか?

河本 当初は手軽に遊べるゲームを目指していましたが、どんどんアイデアを入れていったら自然と長くなっちゃいました。メインのストーリークリアーだけでも、30時間以上かかるんじゃないでしょうか。Miiが主体のゲームで、こういうタイプのものはあまりないと思います。ただそれでも、ちょっとした合間に手軽に遊べる部分は大事にして開発したので、「長いゲームはちょっと……」という方にも楽しんでいただけると思います。

――『トモダチコレクション』のイメージがありますが、開発チームなどは同じスタッフの方々がいらっしゃるのでしょうか?

河本 『トモダチコレクション 新生活』のグラフィックスデザイナーが多く参加しています。『Miitopia』は『トモコレ』とは違うゲームとして開発していたのですが、『トモコレ』スタッフのおかげで、『トモコレ』のいろいろなよさも取り入れられたと思います。

――『Miitopia』はMiiたちが魔王に顔を奪われてしまうところから話は始まりますが、なぜ顔を奪うということにしたのでしょうか?

河本 開発初期に、いろいろ敵を作って上司に遊んでもらったのですが、コテンパンに言われてしまって……ただ、その中で唯一ウケがよかったのが、Miiのカオを奪う敵だったので、このアイデアをふくらませて、いまの形になりました。

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――CMや“Miitopia Direct”を見たところ、大人をターゲットにしている印象がありました。老若男女幅広い層に遊んでもらえるゲームだと思いますが、とくに遊んでほしいと思っているターゲットなどがありましたら、お教えください。

河本 たしかに、“Miitopia Direct”は大人が中心に出てくる映像でした。でももちろん、小さなお子さんでも楽しめるようわかりやすく作っていますので、どなたにでも楽しんでいただきたいです! 登場人物を知り合いでも有名人でも架空のキャラクターでも自由に割り当てられるので、人それぞれの楽しみかたがあると思っています。あえて言えば、妄想を楽しむのが好きな人は、とくに楽しめるかもしれません。

――楽しく遊ぶためのコツや、これを知っておくといいよというお得情報があれば、お教えください。

河本 個人的には、好きなMiiをひいきして遊ぶのが楽しいです。いい料理を優先的にあげたり、経験値をちょっと多めにあげたりすると、強く頼もしくなっていくので、どんどん愛着が湧いてきます。

――“ネコ”や“戦車”といった変わった職業が多いように感じます。どのようにして選ばれたのですか?

河本 オーソドックスな“戦士”や“魔法使い”は用意しつつ、ファンタジー世界をよく知らない方にも楽しんでいただきたかったので、ほかのゲームにはなくて現実世界になじみあるものを職業にしました。「“はな”が職業なの!?」という人もいると思いますけど、Miiによってすごく似合ったりするので、使ってみてください。ちなみに、“ネコ”はディレクターの好みです。

――スクリーンショットが気軽に撮れるのがとても楽しいです。ファンに向けた、秘蔵スクリーンショットなどありますか?

河本 おもしろいスクリーンショットを撮りやすいゲームなので、開発中にスタッフみんなでたくさん撮って遊んでいました。ただ、いろいろなMiiが写っているので、モデルの人の許可をもらうのがたいへんでして……お見せするのは難しいので、今回はご勘弁ください。スクリーンショットと言えば、じつはタッチ操作だけでなく、Yボタンを押しながら上下ボタンを押して撮ることもできるんです。これ、ゲーム内のどこにも説明を入れられなかったので、ぜひここで言わせてください。

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――宿で食べられる料理がとても気になります。好き嫌いの法則性などはあるのでしょうか?

河本 料理の好みはMiiごとに決まっています。好みに合う料理を食べると早く成長するので、誰にどの料理をあげるか考えるのも楽しみどころです。しかも、料理で成長したステータスは、職業を変えても引き継がれるので、けっこう重要なんです。

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――登場人物たちには性格や職業が設定できますが、相性がいい性格、職業はあるのですか?

河本 もちろん有利不利はあります。でも、そのMiiのモデルになった人のイメージで決めてもらうのがオススメです! その人らしい行動が見られて、楽しめると思います。

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――たとえば、アイドルグループを作って、全員職業アイドルにしたい!というのも、バランス的に問題ないのでしょうか?

河本 そういう遊びかたをするプレイヤーはいるはず! と思いましたので、ちょっとキビシイ場所もあるかもしれませんけど、なんとかなるように、がんばってバランスを取りました。ぜひ自由に職業を割り当てて遊んでください。

――ミニゲームの“じゃんけん”で勝てる確率は、1回戦から同じですか? それともだんだん難しくなっているのでしょうか……?

河本 うーん……ヒミツにしておきます!

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――Miiどうしの仲が悪くなる(ケンカをする)とバトル中にデメリットもあるかと思いますが、導入するようになった経緯を教えていただけますか?

河本 人間関係のリアリティーを重視しました。誰だって、ずっと仲よしのまま…ってことは、なかなかないですよね。でも、仲が悪くなっても、『Miitopia』では必ず仲直りさせられるのでご安心ください。ちなみに、ケンカ中のときだけの強い攻撃をしたりと、デメリットばかりでもないので、ケンカはケンカで楽しんでほしいです。

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――ふりかけや仲間との協力、またオートモードなどもあり、多くの人がクリアーできる難易度に感じました。クリアー後も遊べるやり込み要素などはあるのでしょうか?

河本 もちろん、新しい場所や強いボスなど、たっぷり用意しています。また、クリアー後は毎日3人新しいMiiがやってきて、いわゆるクエストを出してきます。プレイヤーに人気があるMiiが来るので、みんなが知っているあの人が助けを求めてくるかもしれません。助けてあげると、お礼がもらえますし、仲間に入ったりするかも?

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――髪の色や瞳の色など、『Miitopia』では、従来よりもMiiもアレンジの幅が広がっているように感じましたが、具体的に増えた部分などを教えていただけますか。

河本 髪の色は8色から32色に、目の色は6色から30色に増えています。それから、“ぼく”や“オレ”のような“自分の呼び方”を決めたり、ここぞというときの“キメ台詞”なんかも設定したりできます。より、その人らしさを出せるようにしています。その人がよく言う台詞をあてていると、自分で設定したはずなのに「あるある〜」って思ったりします。

――Miiを作らなくても、ユーザーが作ったMiiをダウンロードして遊ぶシステムがあるということですが、まだ発売前のため、それを実際に見ることができませんでした。こちらに関して詳しく教えてください。

河本 “みんなのMii”っていうシステムのことですね。これは、開発スタッフに「自分の3DSにMiiがいない」という人が何人かいまして……それでも楽しめるよう、自分事として気合を入れて作ったものです。人気のMiiから選んだり、名前で検索したりして、誰かが投稿したMiiを自分のゲーム内のキャラクターに配役できます。それと、町の人などには人気のMiiが自動で配役されるので、初めて入った町なのにどこかで見たことある人がいっぱい! ……なんてことも起きるかもしれません。2016年11月30日(水)にバージョンアップする『好きなMiiで見るMiitopia予告編』で“みんなのMii”が少し遊べるので、ぜひ体験してほしいです。

――SNSのハッシュタグ“#あなたは誰と冒険にでますか”で、『好きなMiiで見るMiitopia予告編』のスクリーンショットなどが広まっていますが、タイトルの発表、予告編配信の反響はいかがでしょうか?

河本 想像以上にSNSにスクリーンショットが投稿されたりと、予告編を楽しんでいただけているようで、とてもうれしいです。一方で、「本編はどんなゲームなの?」、「ボリュームはあるの?」、「Miiが少なくても楽しめるの?」などの疑問もいただいています。『Miitopia』本編は、見た目よりもずっとしっかり作り込んだボリュームのあるゲームですし、Miiがいなくても遊べる“みんなのMii”も用意しているので、きっと楽しんでいただけると思っています。ゲーム内容を詳しく紹介する動画も公開されるので、続報をお待ちください!

――Miiを使ったゲームとしては、スマートフォンでの『Miitomo』が話題になっていましたが、『Miitopia』との関連性などはありますか?

河本 「3DSにはMiiがあまりいないけど、『Miitomo』のフレンドはいる」という方もいると思います。そこで、『Miitomo』のスタッフに無理を言って、『Miitomo』のフレンドのQRコードを表示できるようにしてもらいました。『Miitopia』に読み込んで、『Miitomo』のフレンドと冒険に出てみてください。(……『Miitomo』と『Miitopia』がまぎらわしくて、すみません!)

――最後に、本作を楽しみにしているプレイヤーの皆さんに、メッセージをお願いします。

河本 『Miitopia』は、キャラクターがMiiであることを最大限に活かしたゲームです。まず、Miiが好きな方には、絶対に楽しんでいただけると思います。Miiのゲームということで、『トモダチコレクション』や『すれちがいMii広場』と比較されがちですが、どちらとも違った、新しい遊びになっています。それだけじゃなくて、Miiを作るのがニガテな方、自分の3DSにMiiがいない方にも楽しんでいただけるように作りました。ぜひ、あなたが選んだMiiといっしょに、妄想を捗らせながら世界を救ってください!