吉田氏が北米の“光の戦士たち”の質問に回答
このイベントは、来場者からの質問に吉田直樹プロデューサー兼ディレクターがその場で答えていくというもの。質問は、来場者が聞きたいことを書き込んだ質問カードの中から吉田氏が無作為に抽出したり、イベント観覧者の挙手制によって進行。吉田氏は、「最新拡張バッケージの『紅蓮のリベレーター』に関する質問はスルーします」としながらも、今後のヒントを散りばめながら軽快に回答していった。
ちなみに、イベント名になっている「Please Look Forward to It!」は、プロデューサーレターLIVEなどで定型文化している「ご期待ください」的な言い回し。海外のプレイヤーは吉田氏を“イジる”目的でこのセリフを言うのだが、それを運営側がネタにした形だ。
では、質問とその回答をまとめていこう。
Q.ダンジョンのタイムアタックモードが欲しい。それに見合った報酬も。
A.タイムアタックは企画が何度か出ている。ただ、チートツールを使って不正(ワープなど)をする人が出てくる。こうしたプレイヤーによるランキングの荒らしを完全に防げないと、実装はできない。個人的にはやりたいと思っているが、『紅蓮のリベレーター』やほかのコンテンツ制作を優先している状況。
Q.アルフィノやアリゼーはララフェルとエレゼンのハーフ?
A.エレゼンです(笑)。エレゼンがどのように成長していくのかは、世界設定本に書いてあるので、そちらを見て欲しい。
Q.暗黒騎士で鎌を使いたい
A.『FFXI』で“デスサイズ”をデザインしたゲームデザイナーが、いまは『FFXIV』チームにいる(デスサイズは“強くしすぎた武器”として知られ、本人的にはあまり触れられたくない)。予定はないが、今後のフィードバック次第で、いつかミラージュプリズム用のアイテムとして実装されるかもしれない。
Q.ファットドードーのマウントが欲しい
A.マウントの計画は、『紅蓮のリベレーター』のちょっと先まで決まっている。残念ながらファットドードーのマウントはその中にはない。かわいいもの、ファットなもの、かっこいいものなど、今後もラインアップしていくので、発表されるのをお楽しみに。
Q.スレイプニルのマウントは飛べるようにならないか
A.Please Look Forward to It! 予定はあります(笑)。
Q.ヒーラーから命中をなくしてほしい
A.『紅蓮のリベレーター』のリリースのタイミングで仕様を変える。大きな作業が必要になるので、『紅蓮のリベレーター』まで待ってほしい。
Q.『紅蓮のリベレーター』でオープンフィールドによるPvPは実装されるか? もし実装されるなら自分と1対1で勝負してほしい
A.残念ながら『紅蓮のリベレーター』のスタートのタイミングでは実装はない。個人的にオープンフィールドのPvPは嫌いではないが、『FF』シリーズなので「人と戦いたくない」という人もたくさんいるはず。ぜひ、まとまったフィードバックがほしいので、フォーラムでディスカッションしてください。おそらく、やるとしてもPvP専用のサーバにすると思う。
Q.デュエルモードでクルセードスタンスを使えるようにしてほしい
A.(即答で)NO. デュエルはPvPの練習のためにある。PvPコンテンツ中はクルセードスタンスは使えないので、当然同じ仕様になる。
Q.家具の設置数を増やして欲しい
A.『紅蓮のリベレーター』に間に合うかは約束できないが、作業はしている。Please Look Forward to It!(笑)
Q.開発がいちばんたいへんだったバトルコンテンツは?
A.パッチ3.4でリリースした、機工城アレキサンダー:天動編3。MMORPGのバトルコンテンツ中にQTE(Quick Time Eventのこと。プレイ中に特定のボタン入力を要求するイベント)をやろうとしたため、バグってたいへんだった。
Q.蛮神馬をすべて集めると麒麟がもらえたように、バードマウントを全部集めると何かもらえないのか?
A.パッチ3.5で実装です。ぜひすべてのバードマウントを集めてください。(報酬はフェニックスではない)
Q.機工城アレキサンダー:天動編で入手できる装備の染色はできないのか?
A.これまでの起動編や律動編のように、ノーマルの報酬と零式の報酬とで染色可能かどうかだけの差異ではモチベーションが保ちづらいので、今回は一部だけでもデザインを変えることにした。それによって開発コストがなくなってしまい、染色には対応できなかった。ただ、この件に関してはたくさんフィードバックをもらっているので、開発チームに伝える。
Q.死者の宮殿の報酬として髪型が加わったが、今後もダンジョンなどで髪型が入手できるのか?
A.バトルをやらないとオシャレができないというのは嫌がる人もいるので、ケースバイケースになる。今回は、死者の宮殿に“埋もれた財宝”という新仕様を実装したので、その目玉の報酬として用意したにすぎない。
Q.『FFXIII』のライトニングや『FFXI』のシャントットなど、シリーズのキャラクターがエオルゼアに登場しているが、ロックやバッツなど古い『FF』のキャラクターは登場しないのか?
A.登場しないとは言わない。ただ、ドットのキャラクターは難しい(苦笑)。『FFXIV』はすべての『FF』シリーズのテーマパークを目指しているので、この先、歴代の『FF』のキャラクターが登場する可能性はある。
Q.素敵なロングヘアーを追加してほしい
A.プレイステーション5が必要になる(笑)。実際、モデリング自体は可能。ただ、キャラクターはいろいろなポーズをするので、髪の干渉の問題がある。
Q.将来的にプレイヤーの人口が少なってきた場合に、サーバーの統合は考えているのか?
A.パッチ3.5でワールドを越えたパーティ募集が実装される。それによって、所属ワールドが異なっていてもチャットや特定のコンテンツに遊びにいけるようになる。『FFXIV』は、だんだんワールドレスに近づいていっている。そこまでやってもパーティの編成に影響が出るようであれば、ワールドの統合を前向きに検討する。ただ、できるだけハウジングやフリーカンパニーは維持したいので、最後の手段になる。
Q.『新生エオルゼア』のころから吉Pの仕事量は少しでも減ったのか?
A.マーケティングやPRまわりはスタッフがしっかりやってくれていて、どんどん自分から仕事を取っていってくれる。『FFXIV』に関しては、『新生エオルゼア』のローンチよりは楽になったような気がする。ただ、いいことなのか悪いことななのか、スクウェア・エニックスの執行役員になってしまったので、全社案件が増えてしまった(苦笑)。きっと、楽しそうに『FFXIV』の仕事をしているように皆さんからは見えると思うので、大丈夫です。心配してくれてありがとうございます。
Q.アバルトメントに宅配モーグリを置いて欲しい
A.Please Look Forward to It! Coming soon.(間もなく実装されるので、お楽しみに)
Q.召喚士のエギに移動指示を出すと、若干の遅れによって倒されたりする。もっと強力なバフが欲しい
A.やるかどうかわからないが、エギを強化するとしたら『紅蓮のリベレーター』のタイミングになる。エギがどうなるかより、召喚士自体が『紅蓮のリベレーター』でどうなるか楽しみにしていてほしい。
Q.装備の染色について、もっと細かいパーツまで染められるようにしてほしい
A.同じ色であれば可能なので、キャラクターモデリングチームに伝えておく。たとえば、Tシャツの色はブルー、ジャケットの色をまた別の色に、といったことになると、(たとえとして)プレイステーション5が必要になる(笑)。
Q.(『FFVI』の)魔列車と戦いたい。それにゴットベルトも参戦してほしい
A.仮に魔列車と戦うコンテンツを作ったとしても、ゴットベルトが参戦したら絶対に彼が勝つ(苦笑)。魔列車については、“もしかすると”ガレマール帝国本国で走っているのではないか。その場合、我々には5.0(次の次の拡張パッケージ)が必要になる。
Q.5.0の作業は始まっていますか?
A.何のためにどこに行き、誰と戦うのかは一応決めている。ただ、その前に『紅蓮のリベレーター』を楽しんで欲しい。5.0のタイトルはまだ決めていない。
Q.任天堂が発売を予定しているNX(コードネーム)など、ほかのコンソールで『FFXIV』を出す予定はないか?
A.世界中のひとりでも多くの人に遊んでほしいので、多くのプラットフォームに対応したいというのが僕のポリシー。ただ、現時点ではイエスともノーとも言えない。Xboxのプラットフォームも含めて、もし対応が決まったら、真っ先にプレイヤーに伝えるつもり。
Q.エギのミラージュプリズムの実装時期を教えてほしいのと、『紅蓮のリベレーター』で新しいエギは登場しますか?
A.Hey you, 2 questions.(キミ、質問がふたつじゃないか) エギのミラージュプリズムは現在開発中。最速でパッチ3.5でそのシステムをリリースする。このシステムは、レベル50の召喚士の追加クエストで開放される。パッチ3.5の時点では、カーバンクルの姿に変えられるのみ。いくつかのパッチを経て、ラムウが実装されたり、セフィロトが実装されていくイメージ。なるべく多くの蛮神をミラージュプリズムできるようにしたい。ただし、ラムウがタンクをやるのはさすがに見た目が不自然なので、ラムウエギだけはキャスターエギにしかコピーできなかったり、セフィロトはどれでもコピーできるなど、いくつかルールを設ける。
この先、新しいエギが追加されるかは秘密。
Q.モルボルなど、モンスターをテーマとした家具がもっと欲しい
A.モルボルの家具はけっこうあるはずだけど(笑)。ハウジングチームは、いま全精力で新しいハウジングエリアを作っている。新しいエリアなので、新しい建物、新しい家具が必要になる。今後もモンスターをテーマにした家具のラインアップは増やしていくが、まずは新しいハウジングエリアが優先になる。
Q.スクワットや腕立て伏せのエモートを追加する予定は?
A.開発チームに確認してみる。NPCがそれらのアクションを行うので、もしかすると用意があるかもしれない。実装されるまで、マッチング待ちのあいだなどは皆さん自身がスクワットや腕立て伏せを行って、待っていてください。
Q.ゴットベルトと戦いたい
A.勝てるわけない。彼は光の戦士より強い(笑)。しかも、彼を倒したとしても、その上の“Savage”な奥さんがいる。
Q.ハウジングを使ってお金を儲けるようなシステム(不動産)は考えていないか
A.考えていない。家をもっと建てたいという人を優先しているため。僕たちがいまハウジングまわりで作っているのは、製作した飛空艇のデータを失わずに引越しができるシステム。
Q.パブリックのフィールド上でのレベルシンクはF.A.T.E.のコンテンツ内でのみ行われるが、対象の相手とつねにレベルシンクできるようにしてほしい
A.理屈的にはできる。ただ、けっこう危険な実装になるので、慎重に検討する。素晴らしいアイデアだと思う。
質疑応答は以上。毎回驚くのは、その場で初めて聞く質問に対して、吉田氏が淀みなく答えていくことだ。今回たまたまなのかもしれないが、ジョブについての質問が少なかったのは意外だった。残り2ヵ所のファンフェスでも、こうしたライブQ&Aがあることを期待したい。