今回もめいっぱいこだわって名作タイトルを復刻!

 2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ 2016(15日・16日はビジネスデイ)。17日のセガブースにて開催された『セガ3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE』のステージイベントの模様をお届けする。

新規収録タイトル2本目は驚きの『サンダーフォースIII』! 開発者による秘話が明かされた『セガ3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE』ステージをリポート_01

 ステージには、本作の仕掛け人であるセガのリードプロデューサー下村一誠氏とシリーズプロデューサ奥成洋輔氏、そして開発を担当するエムツーの代表取締役・堀井直樹氏が登場。アーケードやメガドライブで人気を博したセガの名作タイトルたちを、3D立体視に対応させて現代に蘇らせてきた“セガ3D 復刻プロジェクト”。その集大成ともいえる『セガ3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE』の、未公開タイトルを含む新情報が明らかにされた。

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▲左からセガのシリーズプロデューサーの奥成洋輔氏とリードプロデューサーの下村一誠氏、開発担当のエムツー堀井直樹氏。全員が「ユーザーに支えられて続いてきたプロジェクト」であると、感謝の言葉を口にした。

 まずは新規収録タイトルとなる『ターボアウトラン』が選ばれた経緯を説明するために、前作購入者のアンケート結果を公開。1位は当然『ターボアウトラン』なのだが、壇上で語られたところによると、じつは集計期間の中盤までは、2位の『バーチャレーシング』がトップを走っており、エムツーも移植作業に着手(3DSでの描画ができる直前まで)していたとのこと。しかし、終盤となって『ターボアウトラン』が一気に表を伸ばして1位を奪取。「皆様が表を入れてくれたアンケートにはウソを付きたくない」(下村氏)ということで、最終的には『ターボアウトラン』に切り替えたのだそうだ。

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▲公開された移植希望アンケートのトップ10がこちら。6位に移植ではなく『スペースハリアーII リメイク』があったり、10位にセガタイトルではない『サンダーフォース』シリーズがあったりとなかなかのフリーダムさだが、それだけユーザーの熱い気持ちが込められているということだ。

 『ターボアウトラン』について堀井氏は「『アウトラン』に続いて60フレーム化をしているのですが、ゲーム中のプログラム一個一個を追っていってコマ数を倍にしなければならない。忘れているところがあったりすると、そこだけ30フレームになったりするんで大変です!」と苦労を語った。

 奥成氏は「『ターボアウトラン』は当時のプレイヤーには難しいゲームと思われているかもしれませんけど、今回は難易度がすごく下げられるので皆さん最後まで行けるだろう」と説明。堀井氏も「立体視になったことでアザーカーや障害物との距離感がつかみやすくなったことで結果として優しく遊びやすくなっている」と、本プロジェクトならではの利点を語った。なお、3D映像については、発売前までには公開予定とのことだ。

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メガドライブの名作シューティング『サンダーフォースIII』の収録が決定!

 そしていよいよ、このステージでの発表が予告されていた“2本目の新規収録タイトル”の発表に。ステージに元テクノソフト開発室長の新井直介氏が呼び込まれ、そして発表となったのが既報にある『サンダーフォースIII』。メガドライブの名作シューティングとして今なお語り継がれるタイトルであること、そしてセガ以外のタイトル収録というビッグサプライズに、ステージ前に駆けつけたファンたちからは、大きな驚きと喜びの声が上がっていた。

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▲元テクノソフト開発室長の新井氏が呼び込まれると、下村氏とガッチリ握手。下村氏は、サンダーフォースII~Vの開発に関わっていた人物で、現在はインタラクティブラボラトリー取締役副社長を務める。

 奥成氏は、テクノソフトがメガドライブ初期にリリースした『サンダーフォースII MD』は、メガドラユーザーにとっては“ゲームセンターで遊べないゲーセンにあるようなゲームが遊べる!”重要なタイトルであり、元セガ社長の佐藤秀樹氏にとってもたいへん印象深いタイトルであるエピソードを披露。
「ある意味テクノソフトさんがメガドライブを育てたんじゃないかと思います」と語り、今回の移植が3D復刻プロジェクトにとって大きな意味のあることだと力説した。

 新井氏は「1993年に東京で『サンダーフォースIII』の記者発表会を行なったことがあり、そのときにはセガの人もお招きしました。それから26年が経ったいま、逆に自分がステージに呼ばれ、『サンダーフォースIII』が移植されるというのは“ムネアツ”です」と、感極まった様子であった。

 さらに下村氏からは、セガがテクノソフトの全タイトルの権利を取得したことが発表に。「今後皆様の要望が高ければ、『サンダーフォースIV』、『サンダーフォースV』、『ヘルツォーク・ツヴァイ』をやってみたいと思いませんか? そのために今回の『アーカイブス3』を成功させましょう」と今後の展望を力強く語ると、来場者からは大きな拍手が送られていた。

 今回の権利獲得の経緯について新井氏は、2年前に元テクノソフトの大園富美男社長が亡くなられたこと、その時点ではテクノソフトの権利はトゥエンティワン有限会社の松岡氏が守っていたと前置きした上で、生前の大園社長が「テクノソフトのブランドを途切れさせたくない、引き受けてくれるのはセガさんしかないんじゃないか」と言い残していたのだと説明。そこから新井氏が橋渡し役となって奥成氏と連絡を取り、約2年の歳月をかけて今回の権利取得が実現したのだという。なお、テクノソフトブランドのグッズ販売は引き続きトゥエンティワンが行い、先日よりサウンドトラックのデジタル配信が行われているので、ぜひチェックしてみよう。

 開発途中のバージョンをプレイしたという新井氏は「多重スクロールをするゲームなのですが、それがいい感じに3Dになっていたり、樹の立体感が出ていたりと、すごくこだわった作りをしているんじゃないかな」とうれしそうに語れば、それを受けた堀井氏は「全部のステージの背景や敵キャラクターに立体視をつけるのはすごくたいへんですけど、その成果をぜひ実機で確認していただきたいです」と、今回もこだわりたっぷりに制作が進んでいることをうかがわせるコメントを残した。

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▲初公開となった3DS版『サンダーフォースIII』の映像を見ながら、当時の貴重なエピソードが語られていった。

 今回の発表を受けて、パッケージイラスト(イラストはゲームフリークの杉森建氏)も更新された。『サンダーフォースIII』の時機STYXが加わっているものの、ほかの2タイトルについてはまだモザイクがかかったまま。なお、残り2タイトルについては、来月に発表されるとのことなので、楽しみに待とう。

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▲新たにSTYXが加わったパッケージ画像。残り2タイトルのイラストは未だモザイクの向こう側なので、目を細めて何かが見えるが挑戦してみよう。

 最後に、出演者からユーザーへのメッセージを掲載する。それぞれの思い入れやこだわりを感じさせる言葉から、本作への期待度はさらに高まるはずだ。

堀井氏
「『3D復刻アーカイブ』も3作目。よく続いたものだと思います。今回パブリッシャーデビューをすることになって12月に『バトルガレッガ Rev.2016』をリリースしますので、こちらもよろしくお願いします。セガ流通です!」。

新井氏
「いい感じの出来上がりになっています。ぜひとも『サンダーフォースIII』を楽しんでください。そして、セガさんが取得されたテクノソフトの全タイトルをセガさんが今後どのように展開されていくのか。今回は3DSに移植されますが、『サンダーフォース』はその時代の旬なテクノロジーを導入してきました。私もVRなどの研究開発をしていますので、なにかあったらぜひ呼んでください!」

奥成氏
「7タイトルまでしかまだ発表していないですけど、残り2タイトルものうち1本は立体感がすごく気持ちいいです。もう1本は立体視をつけるのがこれからなんですけど、ちゃんとみんなが“おぉーっ!”と言ってもらえるものになりますので、残りの2タイトルにも期待していてください」

下村氏
「発売まであと100日ほど、時間にしたら2400時間くらいです。あっという間ですので、みなさま楽しみにしてお待ちください。『アーカーイブス1』~『3』をセットにしたお買い得価格のトリプルパックもありますので、プレイしたことがない人はそちらもよろしくお願いします」