ゲーム事業は丸5年を迎え、さらなる飛躍を!
2016年9月15日(木)から9月18日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ 2016(15日・16日はビジネスデイ)。初日となる9月15日(木)にDMM GAMESブースにて、ビジネスユーザー向けのカンファレンスが行われた。その模様をリポートする。
ステージにはまずDMM.comのマーケティング本部長を務める川端祐喜氏が登壇し、「ゲーム事業に関しては、今年の12月で丸5年になりますが、たくさんの方に支えられてここまでやってこられました。TGSへの出展は3回目です。このあとも、ぜひDMM GAMESブースにお越しいただければと思っています。4日間、大いに楽しんでいきましょう!」と、TGSのスタートへ向けてあいさつを述べた。
続いては企画営業本部 本部長である林氏が、DMM GAMESの事業戦略を説明した。
好調を維持する昨年度のサービス実績
まず語られたのは、昨年度の実績について。DMM GAMESの国内会員数は2016年7月の時点で、1700万人に到達。配信デバイスもPCを主軸に、スマートフォン、“Nutaku.com”など海外のプラットフォームと、多岐にわたっている。ここでは会員数や配信デバイスの推移がグラフで示されたほか、『艦隊これくしょん -艦これ-』や『刀剣乱舞-ONLINE-』など、デバイスを代表する、時代を彩ったタイトルの数々も紹介された。「『艦これ』が出たときに、風向きが変わったな、と思ったことを覚えています。また『刀剣乱舞』では、このタイトルをきっかけに、女性ユーザーがかなり入ってきてくれました」(林氏)。
つぎに林氏が説明したのは、DMM GAMESの強みでもあるマルチデバイス展開。ひとつのコンテンツを複数のデバイスに対応させることで、収益軸を拡大するというビジネススタイルだ。ここでデータ連携の例として挙げられたタイトルは、『レッドコラプション』。このゲームはもともと“DMM GAMES ストア”対応でスマートフォン向けに展開していたが、WebGLに書きだすことによって、PC対応も実現させている。その作業にかかった期間は、わずか2ヵ月だったという。
ひとつ課題として、「パイを食い合うのでは?」という懸念があるが、これについて林氏は売上データを提示して説明。『レッドコラプション』の場合は、売上は単純にスマホにPCが上乗せされた形となっている。「これが、我々が推奨する、マルチデバイス展開の成功例となります」(林氏)。
今後はIP育成とともに海外展開も積極的に
カンファレンスの後半のテーマは、今期の事業戦略。林氏はその軸として、3つのポイントを挙げた。それは「タイトルの競争力強化」、「艦これ・刀剣に続く人気IP創出」、「海外展開の拡大」だ。
「タイトルの競争力強化」では、今後、アライアンスタイトルは“ゲーム性・ジャンル”の拡充を、パブリッシングタイトルについては“コンテンツ力”の強化を目指していくという。「今期はこういったIPの育成ですとか、新規タイトルの製作委員会への参加ですとか、そういった部分にも積極的に投資していきたいと思っています」(林氏)。
また「艦これ・刀剣に続く人気IP創出」に関しては、原作・イラスト・シナリオにこだわること、アニメとの同時リリースで瞬間風速を高めること、人気作家やイラストレーターと提携することなどが、重要な方針として説明された。
そして「海外展開の拡大」では、プラットフォーム展開と同時に、中華圏でのパートナー戦略を打ち出していく構えを見せた。その中国事業戦略では、「ライセンス・アウト事業」、「ライセンス・イン事業」、「共同ゲームIP創出事業」が3本柱となる。
ライセンス・アウトでは、すでに『刀剣乱舞-ONLINE-』と『シューティングガール』の中国市場への投入が決定。またライセンス・インでは、現在2タイトルを、日本でパブリッシングしていくことが決まっているとのことだ。
注目の「共同ゲームIP創出事業」に関しては、「ハイエンドを制作する技術がアジア圏はまだ弱く、日本のIPに非常に興味を持っている」(林氏)との見解から、DMM GAMESがIPやストーリーなどのコンテンツ面を担当し、パートナーにゲーム開発や運営を担当してもらうスタイルを考えているそうだ。
以上でカンファレンスは終了となり、林氏は最後に「これからももっと事業を拡大できるように、競合他社に負けないコンテンツを生み出せるように、スタッフ一同邁進していくつもりです。今後とも、ご協力いただければ幸いです」とコメント。ステージを締めくくった。