唯一無二の『NieR』音楽の秘密に(それなりに)迫る!
スクウェア・エニックスから2017年初頭に発売予定のプレイステーション4用ソフト『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』。その音楽制作を担当するのは、前作に引き続き、岡部啓一氏率いるMONACA。今回は、そのMONACA(モナカ)のスタジオに潜入。『NieR:Automata』の音楽が生み出された現場を公開するとともに、楽曲制作を担当した岡部啓一氏と帆足圭吾氏、そして齊藤陽介プロデューサーへのインタビューをお届けしよう。
【MONACAとは】
ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)に所属していた岡部啓一氏によって、2004年に設立された音楽制作を行うクリエイティブスタジオ。テレビゲームだけではなく、テレビアニメ(『アイドルマスター』、『アイカツ!』、『Wake Up, Girls!』)やテレビドラマ(『真夜中のパン屋さん』ほか)などのBGMを手掛けている。
[関連記事]
『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』を開発するプラチナゲームズに潜入! 開発真っ只中の現場をリポート
MONACAスタジオで生み出される『NieR:Automata』の音楽
『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』の楽曲は、いまや主流になったDTM(デスクトップミュージックの略。PCで音楽を作成すること)で作られている。
DTMでは、PCにインストールされたソフトを使って、ギターやマイクやキーボードなど外部ハードウェア機器で演奏した音のレコーディングやミックスダウン、マスタリング作業など、音楽制作のほぼすべてを行うことができる。
MONACAでは、ストリングスなど一部の演奏の収録、ミックスダウンなど専門のエンジニアが必要とされる工程以外は、ほぼ社内のスタジオで制作を行っているという。
■作曲の手法
岡部 「(メロディーなどが)降りてくる」という作家さんはいっぱいいますが、私はぜんぜん降りてこないですね(笑)。
齊藤 降りてこないんですか?
岡部 降りてこないですねぇ。
齊藤 どちらかというと岡部さんが降りる派で、帆足くんのほうがスコアを書いては消し書いては消しというイメージだった。
帆足 全体像がいきなり降りてくることはありますね。
岡部 私は、メロディがというより、こういう組み合わせをしたらおもしろくなるかなというのはありますね。あとは音場感というか……。たとえば、すごく閉鎖的なところから開放的なところに出たときの気持ちが動く感じのイメージが、日常でパッと浮かぶことはありますね。ですので、それ以外のメロディの作成などは、基本的に鍵盤を使い、鼻歌を歌いながらトライアンドエラーをして詰めていくタイプですね。