VRコンテンツにも注力

 2016年7月28日~7月31日、中国・上海新国際博覧中心にて、アジア屈指の規模を誇るゲームイベントChinaJoy 2016が開催。ChinaJoyの意義などについて、事務局の担当者にお話をうかがう機会を得た。以下に、その模様をお届けしよう。

――改めてのご質問となりますが、ChinaJoyの魅力を教えてください。

担当 14年間に渡って展開してきた結果、ゲーマーに広く知られるようになり影響力を持つようになりました。毎年全世界から多数のゲーム会社が新ゲームを展示して、プレイヤーに体験する機会を提供してくれています。プレイヤーはChinaJoyを年に一度のパーティー、フェスティバル、カーニバルとして捉えてくれていまして、ゲームやアニメのファン約30万人が集っています。

――昨年のChinaJoyの出展社数と入場者数の実績を教えてください。

担当 2015年は10区画の展示ホール、12万平方メートルに700社が展示しました。その中には、200 以上のB2Cエリア、500以上のB2Bを含みます。コンテンツ数は3500以上となります。来場者数は、4日間で27万3000人ですね。8月1日の入場者は81000人以上となり、1日の入場者数としては、これまでで最高となりました。

ChinaJoy 2016がいよいよ開幕、その見どころを主催者に直撃「アジアの総合的なデジタルエンターテインメントのイベントに!」【ChinaJoy 2016】_01
ChinaJoy 2016がいよいよ開幕、その見どころを主催者に直撃「アジアの総合的なデジタルエンターテインメントのイベントに!」【ChinaJoy 2016】_02
▲昨年の模様から。

――世界では、E3やgamescom、東京ゲームショウなどのゲームイベントが開催されていますが、ほかにはないChinaJoyならではの特徴としては何がありますか?

担当 ほかのゲームエキスポ同様、ChinaJoyは中国のゲーム業界にとってエンターテイメントの祭典となっています。13年間業界の成長と歩みをともにしてきました。しかし、E3や東京ゲームショウ、gamescomとは異なり、ChinaJoy はゲームだけでなく、エンターテイメントおよびデジタルコンテンツの総合的なイベントという点を、コンセプトにしています。

――今年のChinaJoyの見どころを教えてください。

担当 現在、ChinaJoyでは中国デジタル・エンターテイメント・エキスポ(B2B、B2Cを含む)によって創設された、“全デジタル・エンターテイメント”を包括しています。この中には、“コミック&アニメーション・ワールド・アメージング・エキスポ”(CAWAE)、“中国デジタル・エンターテイメント・コングレス”(CDEC)、“中国ゲーム・デベロップメント・カンファレンス”(CGDC)、“ワールド・モバイル・ゲーム・カンファレンス”(WMGC)が含まれ、PCオンラインゲームやモバイルゲーム、ビデオゲーム、eスポーツ、コミック、アニメ、映画、音楽、オンライン文学などをカバーしています。対象は、プレイヤー、コンシューマー、ビジネス、テクニカル・デベロッパー、業界インサイダーなどです。今後、ChinaJoyの文化的表現はゲームに限定されることはなく、文学、アニメ、映画、周辺機器を含む汎用的なエンターテインメント業界が形成されていきます。業界の指標として、ChinaJoyはゲームを中心とした、全エンターテインメント向け世界最大のデジタル・エンターテイメント・コンテンツ・ディスプレイ・プラットフォームを作るという新しい役割を与えられています。

――今年からの新規の取り組みなどありますでしょうか?

担当 2016年はVRハードウエアの人気が高いですね。VRテクノロジーはエンターテイメント、ゲーム、映画、健康、教育、軍事などの分野で幅広く使われており、実務的ソリューションを提供しています。今夏は、eSmart 2016という形で最先端のVRワールドに触れる機会を提供します。第一回グローバル・スマート・エンターテイメント・ハードウエア・エキスポ(eSmart)のスポンサーはHowell Internationalで、7月28日から31日までChinaJoyと同じ会場で同時開催されます。VRパビリオン・エリアは12000平方メートルを擁するだけでなく、3つの国際カンファレンスが開催されるんです。eSmart 2016では、VRコンテンツの可能性にスポットをあてることになるでしょう。

――ChinaJoyにおける、日本メーカーの出展状況などをお教えください。

担当 ソニー・インタラクティブ・エンタテインメントさんは、例年通り今年も700平方メートルのブースでプレイステーションの最新ゲームを展示しています。今年はプレイステーション VRもディスプレイします。バンダイナムコさんは、初の大型出展となりますが、多くのゲームやアニメーションだけでなく、周辺機器を中国のゲーマーやアニメーションユーザーに提示してくれるようです。また、B2Bエリアでは、多くの日本企業がブースを設けて中国企業とのビジネスを働きかけます。版権ライセンス、テクノロジー・エクスチェンジに関わる50000人以上のトレードビジターが、毎年B2Bエリアを訪れていますので、日本の企業にとっても機会創出につながるのではないかと期待しています。

――中国市場で家庭用ゲーム機が解禁されたことで、中国ゲーム市場の様相も変化してきていると思いますが、今年のChinaJoyにおける家庭用ゲーム機の出展状況はどのような感じになりますか?

担当 ChinaJoyでは、昨年より家庭用ゲーム機のための特別ホールをオープンしました。今年は、SIE、マイクロソフト、エレクトロニック・アーツ、ユービーアイソフト、NVIDAなどのメーカーが、展示のために大規模な代表団を組織し、FUZE Game Technologyなど中国のコンソール・メーカーも製品を展示します。家庭用ゲーム機の展示エリアは毎年拡張しており、現在は12000平方メートルとなっています。家庭用ゲーム機は中国に巨大なユーザーベースを持っています。中国政府が徐々にポリシーをオープンにしており、海外企業、とくに日本企業が中国に進出してこの市場がオープンになることを希望していますよ。

――今年、Comic&Animation World Amazing 2016が併催されますが、開催の意図を教えてください。また、ChinaJoyとはどのような相乗効果を期待していますか?

担当 ゲーム、アニメーション、映画のデジタル化のトレンドはますます明確になっています。デジタル・エンターテイメントをテーマとした展示場としてのChinaJoyは、全デジタル・エンターテイメントの拡大につながります。同時にコンテンツ・プロバイダーへのサービスを提供する際に、ゲーム企業がある成功を収めた後に、その成長を維持するため、全エンターテインメント分野に進出する例が増えているんです。クロスボーダーIPはゲーム業界の新しいフォーカスになっています。また、今後アニメーション、テレビ、映画、ゲームのあいだでのフォームのエクスチェンジ(形式の変換)は、コンテンツ・プロバイダーの新しいフォーカスになっていくでしょう。CAWAEはアニメーションと派生商品のトレードフェアです。展示者はオリジナルあるいは正式なライセンスを受けた高質な商品を展示する必要があります。こうした商品は30万人の若い入場者に提示され、消費への肯定的な態度を育み、版権についての認識を高め、中国国内のアニメーション会社が海外市場に進出するための国際的な舞台を提供します。また、中国のアニメーション会社がさらに高質のアニメを創出することを奨励するのです。CAWAEはChinaJoyの30万人の来場者と7000人のメディアレポーターを最大限に活用して、独自のブランドを展開していくことになるでしょう。

――ChinaJoyに注目している日本のゲームファンにひと言お願いします。

担当 ChinaJoyの来場者の中には日本のマンガやゲームのファンも多いです。アメリカのコミックに比べ日本のマンガ・ユーザーのグループは非常に大きいのです。こうした中国のディーンエージャーは日本のマンガに影響されて日本のゲームを求めています。日本のゲームファンやアニメファンがChinaJoyを訪問することで、2カ国間でゲームやアニメーションのファンが会話できるようになることを歓迎しています。