井上喜久子さんをはじめとする豪華出演者が登壇
2016年7月16日、ハンビットユビキタスエンターテインメントは、同社がサービスを展開するPC用MMORPG『グラナド・エスパダ』の開幕10周年を記念するオフラインイベントを東京・秋葉原にて開催。作曲家の久保田修氏、声優の井上喜久子さん、イラストレーターの小林智美さんをゲストに迎え、会場を訪れたプレイヤーや配信の視聴者に日ごろの感謝の気持ちを伝えた。
ゲームの世界を音楽で体現したスペシャルムービーが上映
イベントの目玉は、『グラナド・エスパダ』の世界を映像と音楽で体現するメモリアルライブショーの放映。オーケストラ・バンド・EDM(Electronic Dance Music)が織り成すリッチなメロディが、ゲームの名シーンとともに楽しめる珠玉の映像だ。
なお当日は、放送機材のトラブルによりムービーの終盤部分が残念ながら上映されなかった。こちらは、フルバージョンの映像を追ってwebにて公開するとのこと。今後の続報を待ちたいところだ。
ぶっちゃけまくりの次期アップデート発表に場内は騒然!
スペシャルムービーの上映が終わると、プログラムは次期大型アップデート“グラナド・エスパダX”の発表へと移行。プレイヤーの要望をこれまで十分に反映しきれなかった反省を踏まえ、ゲーム全体のリニューアルが発表されたのだ。
プレゼンテーションは、現状説明とそれに対する解決策を井上喜久子さんが読み上げたうえで、中尾氏がそれを補足する形で進行。ところが、おふた方が口にした現状認識があまりにもぶっちゃけた内容だったため、新要素が明かされるたびに場内はざわつき、どよめいたのだ。
ここでは、当日発表されたアップデート内容を項目ごとに分けてお見せしていこう。箇条書きで示したコメントは、すべて中尾氏による発言だ。
【アップデートの全体方針】
まずは、今回の大型アップデートの全体的な方針の説明が行われた。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
“グラナド・エスパダX”の全体方針は、社会人でも本当に楽しめるMMORPG。最近の『グラナド・エスパダ』は忙しすぎるという考えのもと、ミッション数を50%削減。プレイ報酬が2倍に増加します。
◆いままでと違う冒険をお届けするには、10周年のタイミングしかないと思った。
◆いろいろ試行錯誤した結果、社会人でも楽しめる味付けに変えることを決断。
◆プレイヤーを長時間拘束しないという方針は、当分変わらない。
【ミッション入場の仕様変更】
続いて、ミッションの入場に関する仕様の変更について解説。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
ミッション入場の仕様……コロコロと変更を重ねた末に、最終決定! 『グラナド・エスパダ』は社会人でも遊べるMMORPG。“高確率のレア入手”を基本とし、プレイ制限つきのミッション(の割合)を75%に変更。時間が合わない方向けの制限なしの周回コンテンツを25%(まで削減)。この比率で今後コンテンツの開発が実施されていきます。
◆制限なしのコンテンツの割合を25%ぶん残した理由は、ログイン時間が合わない人に配慮したため。
【上位ミッションの設計について】
上位ミッションの難度が大きく緩和されることも明らかとなった。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
ゲーム全体の難易度が大きく緩和されます。いままでの上位ミッションの設計は超ツワモノ+大人数でしたが、“グラナド・エスパダX”ではツワモノ+少人数で設計されています。要約すると「ふだんは食べやすく、たまに歯が折れる」です。
◆食べものにたとえたせいで、説明が余計にわかりづらくなってしまった。
◆ちょっと強めの人のほかに数人のメンバーを集めれば、ある程度クリアできる難度にする。これが基本姿勢となる。
◆山場となるミッションは従来どおりの設計で開発。それ以外は、ライトユーザー向けに変更する。
【シナリオクエストの進行速度アップ】
新規プレイヤーおよび復帰者向けに、シナリオクエストの進行ペースが大幅に引き上げられる。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
長すぎる10年ぶんのシナリオクエストの進行速度を10倍速へ。NPCに言われてイラっとする「明日また来てください」をゼロへ! ひと晩“放置狩り”しても終わらないクエストを3分で終了できるように。さらにソロで進行できない要素は撤廃。まさに10倍速が実現します。
◆プレイを休んでいた人が冒険を再開した際に、「明日また来てください」と言われてクエストの進捗がまったく(仲間に)追いつけないことが問題。
◆たとえば“3500体撃破”のような重い課題を“50体討伐”程度まで緩和。基本は3分以内に完了できる設計となっている。
【キャラクター育成の高速化】
本作は全140のキャラクターを操作できるのが魅力だが、そのぶん育成に長期間を要する。この問題を解決すべく、FESO商店の品揃えを大幅に強化。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
新規ユーザーと休眠ユーザーから、「140キャラクターも育てきれない」とのご意見が続出していました。それもそのはず。ひとつのキャラクターを1日で育てた場合でも140日(を要するうえ)、2日かかると280日(まで延長)……終わるはずがありません。(この問題を)新FESO商店がすべて解決します! 大量のキャラクターカードなど育成に便利なアイテムが、FESO商店に加わります。装備制作素材やクエストアイテムなども大きく拡充され、スピーディなプレイが可能になります。
◆ゲーム内でFESOをたくさん集められれば、最短1日で(カンストまで)行ける。
◆休眠していた人やキャラクターを集めきれていない中級者は、かなり楽になるのではと思っている。
【既存アイテム数の削減】
これまでのアップデートで追加されてきたアイテムのうち、存在意義が薄い/使用回数の少ないものを削除。シンプルでわかりやすい方向へ舵が切られる。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
整理不能、理解不能、使用不可能……10年の(負の)蓄積をいまこそ根本解決します! 倉庫枠を2000に増やして逃げるようなことはせず、アイテムの70%削減を決行。運営スタッフが総出でデータ整理を徹底的に行います。
◆過去にプレイヤーの要望を受けて検討したが、「無理です」のひと言で片づけられてきた。ところが今回“10周年”の話を持ち出したことで、技術スタッフの考えが一変。アイテム数の削減を実現できる運びとなった。
◆このタイミングで実行しなければ永遠に実現できないと考えている。
【既存アイテムの統合&圧縮】
不要なアイテムが削除されるだけでなく、存在価値の低い品物どうしの統合および圧縮も行われる。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
アイテムを削除、統合、圧縮。すべて“使えるもの”へと変換します。最大1500個まで収納できる倉庫ですが、(アップデート後は)人によっては500個を下回ります。もし思い出の品が削除された方は、お問い合せ窓口へご連絡ください。変換されたアイテムとの引き換えになりますが、復旧対応がなされます。
◆この改善によりスッキリとした気分でプレイできるようになるので、楽しみにお待ちいただきたい。
◆たとえば“1日の期間性で30個”だったものが、シンプルに“15日でふたつ”といった感じで変更される。
◆アイテムのデータそのものを消すわけではないので、思い出深い品物などは個別に返還できる。
【負荷軽減への対策】
一部地点の混雑を緩和するために、進入口の分散とサーバーの増設が行われる。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
ミッション開始まえに“人が集中して重い”。一部では、ボスの討伐よりもミッションを開始するまでのほうが難度が高いという声もありました。(これを改善すべく)入り口を分離し、負荷軽減が実施されます。デイリー&週ミッションは“心が和む噴水”に。イベントNPCは“分かり易い役所通り”に。周回ミッションは複数の場所からアクセスできるようになります。10周年を機にサーバーも増設され、さまざまな負荷が大きく軽減される予定です。
◆“噴水前”は風景が美しいので、待っていても苦にならないはず。
【そのほかの変更点】
円滑にゲームが進められるよう、“グラナド・エスパダX”では広範囲に改善の手が加えられる。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
塵も積もれば山となる。積み重なるストレスをひとつひとつ排除。武器オプションの統一や防具の統合、アクセサリ強化の一発成功により、地味ながらも利便性は向上しています。今後も継続して頻繁に発生する追加ルーレットの(参加に挑必要となる)VIS不足(の解消)や利用キャラクターの少ない武器の統合作業を進めます。
◆シエラはこの先使えるようになってくると思う。
◆百科事典は魔法書、箒は長杖と統合され同じカテゴリーになる。
【コスチュームから性能を削除】
キャラクターの見た目が気軽に変更できるよう、コスチュームに付与されていた各種性能が削除される。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
ゆがんだ歴史の始まりは8年前……。コスチュームに性能を付与したことはやはり誤りであった。10周年を機にこれを正し、見た目を自由に楽しめるよう、すべてのコスチュームから性能を削除。胴体と背中(をはじめとする)、すべてのコスチュームをドレスルームで入手可能にし、気軽に収集が楽しめる環境が構築されます。コスチュームに付与されていた性能は違う要素でしっかりと補填されます。
◆当時いろいろとトラブルがあった結果、簡単にまとめると“課金で売る”という結論に至り、販売促進部が勝った。販売数を稼ぐためにコスチュームに性能を付与したのだが、これがそもそもの間違いの始まりだった。
◆嘘をつくとその場は逃げられるが、その嘘がだんだん蓄積。そのうち逃げ道がなくなってくる。現在はそれが改められて、ハッキリと真実をお伝えするようになっている。
◆頭や背中以外も、ドレスルーム(FESO)に入ってくる。
【PvPの改善】
PvP(対人戦)のバランス調整も実施。再び人気コンテンツに返り咲けるよう、継続的に改善が加えられていくようだ。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
職業、ダメージ、耐性、計算式……さまざまな要素が破たん。回避、回避無視、回避無視の無視などその場しのぎを続け、バランス調整をあきらめていたPvP。10周年でしっかりと根幹を修正し、主要コンテンツの一角として返り咲かせます。直近のアップデートで実施される内容も複数ありますが、少し未来の内容も混ざっていますのでご注意を。キャラクター(別の)個性集中アップデートは強力なので、PvPは少しのあいだ不安定になるかもしれませんが、根幹は安定しており、後は微調整を残すだけです。個性集中アップデートが安定化すれば、いまよりも3倍楽しくなること間違いなしです。
◆特定のキャラクターが技を出しても(HP全体の)5%程度しかダメージを与えられないのに、ある別のキャラクターがスキルを撃つと(周囲の敵が)すべて倒れたりしていた。
◆PvPは個人的に好きなので、コストをかけて改善を図る。
◆PvPの報酬は意図的に少なくしてきたが、今後は引き上げていこうと思っている。
【不具合削減のための対策】
続いて、既存の運営のありかたに関するリニューアルを発表。続出してきた不具合を根本的に減らすべく、アップデートの実施ペースが変更されることとなったのだ。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
「アップデート情報よりも不具合ページのほうが充実している」との声も多くありましたが、それもここまで。不具合の90%削減を宣言します。これを実現するため、アップデートは毎週から隔週に変更されます。“X”アップデート直後の最初の1週間をのぞき、7月末からは各段に安定した『グラナド・エスパダ』をお楽しみいただけます。
◆コンテンツの追加に伴うルール変更により、プレイヤーを毎週困惑させてしまった。アップデートを隔週にすることで、これを解消する。
◆QA(品質チェック)の期間も長めに取れるので、その部分についてもしっかり対応できる。
【アイテム収集のあり方を是正】
プレイヤーのモチベーションを高めるため、ガチャで獲得できる品物と、ゲーム内で手に入るアイテムの割合が調整される。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
ガチャで(しか)入手できない装備をストップ! はるか昔は課金専用、インフィニティから課金でもゲームでも手に入る。そして(今回の)“X”では課金で手に入るのは50%、ゲームで手に入るのは100%へ。新シリーズの装備にもこの方針が適用されます。
◆プレイ時間の少ない人が置き去りにされるので、月額課金は個人的にあまり好きではない。
◆ドミニオンやベデルなど、シリーズ単位で(この方針が)適用される。
【ほしい品物がガチャで当たりやすく】
意中のアイテムがガチャで手に入る確率を引き上げ。おカネを持っている人ほど有利になるという現在のバランスが緩和されることに。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
もっと欲しいものを狙いやすく……ガチャのラインナップが60品目から20品目へ! (景品のパターンが)約3倍削減され、狙ったアイテムが当たりやすくなります。“脱セレブゲー”を目標に、ガチャがリニューアルされます。
◆60品目もあると、狙ったアイテムがぜんぜん当たらない。これを改めるべく、今回の措置を行うこととなった。
◆狙ったアイテムが手に入りやすくなるぶん、取得品が重複する機会も増える。それを避けるために、ガチャのラインナップを頻繁に変更する。
◆“これが今回入ったら、つぎはしばらく(ラインナップに)含まれない”みたいな感じで、メリハリをつけていく。
【不正アクセスへの対処】
海外からの不正アクセスへの対処を強化。今後は国内プレイヤーの報告が、不正撲滅のカギを握ることになるようだ。
<井上さんが読み上げたアナウンス>
海外不正アクセスの取り締まりを強化。外国アクセスらしき接続は、日本のユーザーから多数の迷惑報告があった場合、アカウントの停止措置が容赦なく実施されます。BOTと業者については、報告(の有無)に関わらず発見しだい処理します。
◆以前のBOTや業者は行動パターンが通常のプレイヤーと違っていたため、対処が容易だった。現在は一般の方と同じ遊びをしているので、判別が難しくなっている。