次に繋がりそうな満足度が超高いコンサートに

 2016年4月16日、東京・六本木にあるEX THEATER ROPPONGIにて、『NieR』のコンサート“NieR Music Concert & Talk Live 滅ビノ シロ 再生ノ クロ”が開催された。本コンサートでは、『NieR Replicant/Gestalt(ニーア レプリカント/ゲシュタルト)』の楽曲はもちろん、新作『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』からもテーマソングを含む2曲、さらにトークパートでは新アンドロイド2機とボイスアクターの公開、初の実機プレイのお披露目など、さまざまな未公開情報が発表された。

 ここでは、そんなコンサートの模様をリポートしよう。

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 なお、このコンサートの模様は、ニコニコ生放送でタイムシフト視聴が可能(2000ニコニコポイント)。チケットの販売は2016年4月19日(火)23時59分まで、タイムシフト視聴は2016年4月26日(火)23時59分までとなっているので要注意。

 また、「あれこれネタバレじゃね?」と思われる箇所もありますので、気にされる方はご注意願います。

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▲ファンからも祝花が。
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▲会場ロビーには設定画のほか、ヨコオDが被るマスクの原型も展示。

オープニングから3曲目『カイネ/ 救済』まではニコ生無料放送

 オープニング曲は、バイオリン×2、ビオラ、チェロのストリングスカルテットによる『夏ノ雪』から。コンサートの始まりと、ゲーム冒頭を思い出させる『夏ノ雪』の美しいメロディーが弦楽器で奏でられ、一気に『NieR』の世界に引き込まれる出だし。
 2曲目は一転して、軽快なアコギギターからスタートした『光ノ風吹ク丘』。エミ・エヴァンスさんが登場し、透明感のある歌声を披露。フィールドを駆け巡った(&イノシシも)思い出が蘇る! 
 3曲目は帆足圭吾氏のピアノからスタートした『カイネ/ 救済』。エミ・エヴァンスさんの優しい歌声とゲーム映像による演出も相まって、早くも目頭が……。まだ3曲目なのに!

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▲エミ・エヴァンスさん(画面左)
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期待されていなかったので自由に作れた『NieR』(トークパートその1)

 3曲目が終わったところで、最初のトークパート。本コンサートのトークパートの司会を務めたのは、エミール役の門脇舞以さん。
 まず、登壇したのは、『NieR』シリーズのコンポーザー・岡部啓一氏と帆足圭吾氏(帆足氏はコンサートでピアノも担当)で、楽曲に関するトークが披露された。
 開発期間が長くなる家庭用ゲームの開発おいて、楽曲の制作がスタートするのは、開発の途中から、というのがふつうだが、岡部氏は『NieR Replicant/Gestalt』の試作段階から関わり、音楽に関しても開発が進むゲームに合わせ、いろいろ試行錯誤ができたという。「当時『NieR』はあまり期待されていない作品だったので、僕自身も気楽な気持ちで自由できました」(岡部氏)。ゲーム以外の楽曲でも活躍中の岡部氏は、ゲーム音楽作りで難しいところについて、作曲する側がいいと思うものができても、それが必ずしもゲーム開発側が求めているものではない場合があり、どう折り合いをつけるか、という点を挙げ「いい落としどころを見つけることが苦労でもあり、楽しいところでもある」と語った。

 一方、帆足氏は前作『NieR』のときは、岡部氏率いるMONACAに入社して、ようやく慣れてきたという新人時代で、岡部氏には散々ダメ出しをされたという。そんな苦い経験の中でも帆足氏が手応えを感じた仕事として挙げたのは『魔王』の曲。それまで帆足氏が作った曲は、岡部氏が修正指示を出したり、手を入れたりしていたとのことだが、『魔王』に関しては、それがほとんどなく「(帆足氏は)『NieR』でかなり成長した」と岡部氏も振り返った。

 『NieR』の楽曲といえば、エミ・エヴァンスさんが歌う多数の曲も外せない。そこで、ステージにエミさんも加わって、歌モノについてのトークに。『NieR』にエミさんを起用したことについて岡部氏は、「エミさんはアーティスティックで、オンリーワンの歌声をお持ちの方。エミさんの世界観も強く出るので、ここぞというときにお願いしたい」と、満を持しての起用だったことを明かした。そのエミさんは、『NieR』の楽曲に参加できたことに感謝の意を述べ、ゲーム発売から6年経ってコンサートができることに「夢が叶った」と笑顔を見せた。

エミさんと中川さんが

 コンサートパートに戻った4曲目は、エミさんのボーカルとギターによる『イニシエノウタ/ デボル』。間奏からピアノが入るアレンジ。
 5曲目は、ピアノとギターによる『休息』。灯台! 魚釣り!
 6曲目は、金属音がリズムを刻む『愚カシイ機械』。この曲ではエミさんのボーカルに中川奈美がコーラスを担当。

『NieR:Automata』新たに2機のアンドロイドが発表! 2B役の石川由依も登壇

 6曲目が終わるとステージが暗転。しばらくしてステージのスポットライトに照らし出されたのは2B役の石川由依さん!

「私の名前は2B。ヨルハ部隊所属。二号B型アンドロイド。西暦11945年に起きた第十四次機械兵器戦争に参加。最終決戦と目されたその戦いは、次第に激しさを増して……。ねえ、9S、私たちの選択は間違ってたのかな……」

 という石川さんのひとり語りから、『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』の最新映像が公開。

「僕たちスキャナータイプは、現地の単独での事前調査が主です。だから、誰かといっしょに行動できるって楽しいんです」(9S)

「お前たちが何人アンドロイドを殺したと思ってる! そうやって命乞いをすれば許されるとでも思ってるのか!?」(A2)

「これは呪いか。それとも……罰か」(2B)

 もう気になるセリフ満載! ここからは最新作『NieR:Automata』に関するトークパート。壇上には司会の門脇舞以さん、2B役の石川由依さん、プロデューサーの齊藤陽介氏、ディレクターのヨコオタロウ氏が登壇。

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 まず、2Bの印象を問われた石川さんは、アンドロイドで感情を表に出すタイプではないという設定があるものの、「演じてみて思ったのは、ほかのキャラクターへの愛情もあったり、じつは人間らしい心を持ったキャラクターだと感じながら演じています。2Bはほかのアンドロイドと行動していくうちに、心を開いていくキャラクターなので、彼女の成長をいっしょに見守ってもらいたい」とコメント。
 ボイス収録はまだ途中だとのことだが、収録に立ち会った齊藤プロデューサーが「叫びが多い」という感想に「(前作のエミール役で)血を吐くかと思いました。(石川さんの)気持ちはわかります!」と門脇さんも反応。『NieR:Automata』もいろんな意味で激しいゲームになってそうだ……。

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2B
9S
A2
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2B役の石川由依さん
9S役の花江夏樹さん
A2役の諏訪彩花

 9S役の花江夏樹さん、A2役の諏訪彩花さんからはビデオメッセージが寄せられ、花江さんは9Sについて、「比較的物静かな2Bに対して状況説明をしたり、ときには感情的になるセリフもありますが、アンドロイドなので感情は出さないよう、人間とは違う切り口で、演じられれば」と抱負を語った。また、一生分と思えるほど泣き叫ぶシーンを演じ、「いい意味で、もう二度とやりたくないと思うシーンがたくさんあった」と告白(会場は「あ、やっぱり……」な空気)。
 さらに、花江さんは小学生のころにプレイした『ドラッグ オン ドラグーン』が大好きだったそうで(会場は「えっ!? 小学生で『DOD』を!?」という反応)、デカイ赤ちゃんが出てくるエンディングでは、衝撃を受けている息子(花江さん)を心配した母親がプレイステーションのコンセントを引き抜いた、というエピソードを披露。本作でも、「ゲームを進めて2Bはいいヤツ、9Sもかわいいと思ったころに、いつものエンディングがくる」と衝撃(or笑撃)発言。会場を大いにザワつかせた。
 
 一方、諏訪さんは2Aに関して「ダイナマイトなセクシーキャラクターで、メチャクチャ強くてクールな感じ。でも、戦闘では熱くなっていろいろ声を出すタイプで、収録中では何回「クソッ」て言ったかな、と思うくらい「クソッ」というセリフが多かったです(笑)」とコメント。A2はクールだけど激しいタイプのようだ。
 また、本作の世界観については、「儚く、切なく、美しい。機械とアンドロイドなんだけれど、何かが芽生えたり芽生えなかったり」と気になるコメントも。

 「ハッピーエンドかバッドエンドかわからないですけど、私たちキャストも残りのアフレコでは、皆様の期待以上のものを出せるようにがんばりますので、楽しみに待っていてください」(石川さん)

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『NieR:Automata』では音楽的にも新しい要素を入れていきたい

 『NieR:Automata』に関しては、楽曲についても語られ、石川さんと入れ替わりで岡部氏が登壇。さらに、今作のテーマソングを歌うJ’Nique Nicoleさん、バトル曲(Paris Games Weekで公開されたPVに収録)でボーカルを務める中川奈美さんが登壇。

 J’Nique Nicoleさんを起用したことについて岡部氏は「『NieR:Automata』でもエミさんに参加してもらうんですが、ゲームも新しくなりますし、音楽的にも新しい要素を入れていきたいということで、J’Niqueさんに参加をお願いしました」と起用の理由を説明。

 「私はR&B、ポップス、ゴスペル、ソウルミュージックなどを歌っていますが、ゲーム音楽という新しいフィールドに挑戦できることをうれしく思っています」(J’Niqueさん)

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▲J’Nique Nicoleさん(画面左)

 「『NieR』というゲームは世界でもこれしかない、ええっ!? って驚かされるゲーム。本作では、さらに予想を裏切る、美しいものを作っていけたらいいなと思っています」(中川さん)

 新しくも『NieR』らしい新曲2曲については、テーマソングは公式サイト、バトル曲はParis Games Week PVでチェックしてほしい。