『スターオーシャン』シリーズ20年の集大成

 『スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness-(インテグリティ アンド フェイスレスネス)』(以下、『SO5』)は、スクウェア・エニックスとトライエースという最強のタッグが送る、『スターオーシャン』シリーズの最新作。発売まで3日連続でお送りする本特集では、『SO5』の魅力をたっぷりとお届け。1回目は、広大な宇宙を舞台にした『スターオーシャン』シリーズの歴史にスポットを当てつつ、『SO5』の物語をご紹介。

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“宇宙歴”の誕生から数百年に及ぶ一大叙事詩

 『スターオーシャン』シリーズは、本作品独自の年号“宇宙歴”の中で起こった出来事を中心にして物語が進む。年表は下の通りで、『SO5』はシリーズ作の中では比較的後期の年代の物語となっている。

・『スターオーシャン』の世界の歴史
西暦1957年……ソビエト連邦が人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功
西暦1961年……ソビエト連邦のガガーリンが人類初の宇宙飛行に成功
西暦1969年……アメリカ合衆国のアポロ11号が人類初の月面着陸に成功
西暦2064年……第三次世界大戦が勃発。わずか2週間で地球の大部分が放射能に汚染されて休戦
西暦2087年……トリラス・バークタイン博士による“ワープドライブ実験”が成功
西暦2090年……宇宙歴の制定。西暦2087年が宇宙歴元年となる
宇宙歴10年……SRF(第一宇宙開拓隊)が宇宙への第一歩を踏み出す
宇宙歴12年……未開惑星保護条約が成立
宇宙歴207年……地球にて“量子転送機”が発明される
宇宙歴346年……惑星ロークで石化病が発生。ロニキスとイリア両氏によって“紋章術”が発表される
宇宙歴360年……地球連邦が銀河連邦に改称
宇宙歴366年……十賢者がエタニティスペースから脱出して惑星エクスペルに不時着
宇宙歴368年……惑星エディフィスでムー大陸人の遺産であるマザーコンピュータを発見。人間の文明を管理していたマザーコンピュータを破壊する
宇宙歴371年……ノイマン博士によって惑星エクスペルで“マナクリーナー”が開発される
宇宙歴537年……クルップ博士によって地球で“重力ワープ”が開発される
宇宙歴652年……銀河連邦がクラウストロ人と接触
宇宙歴704年……銀河連邦が“クリエイションエネルギー”の実用化に成功
宇宙歴710年……銀河連邦がアールディオン帝国と接触。戦争が勃発
宇宙歴732年……戦闘艦ディグレムでクリエイションエネルギーの暴走事故が発生し、惑星がひとつ消滅
宇宙歴752年……ロキシ・ラインゴット博士らが惑星ストリームでタイムゲートを調査
宇宙歴772年……惑星国家バンテーンが惑星ハイダを襲撃し、銀河連邦と交戦状態に入る

『スターオーシャン』を紐解くキーワード

 『スターオーシャン』シリーズでは、作品に共通して登場するキーワードが数多く存在する。必ずしも知っておく必要はないが、ある程度の予備知識があれば物語への理解度がよりいっそう深まるはずだ。

■宇宙歴
地球人初の超高速恒星間移動から4年後の3月7日に制定された年号。元年は、トリラス・バークタイン博士が“亜空間ワープシステム”を開発し、光速を超える速度での恒星間移動が可能になった西暦2087年で、銀河連邦の標準年号でもある。

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▲『SO4』の物語の冒頭では、宇宙歴元年の様子が描かれている。(画像は『SO4』)

■銀河連邦
地球を中心に据えた巨大な連邦組織。大小合わせて数百種類にも及ぶ知的種族が所属している。現在の深宇宙探査(片道2年間程度)は、セクターθ(シータ)を中心に、4000~6000光年程度となっており、セクターα(アルファ)、β(ベータ)、η(イータ)、ι(イオタ)については、一部を探査中。

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▲宇宙歴10年に“地球連邦”として発足。勢力の拡大に伴って、“銀河連邦”に名称が変更された。(画像はプレイステーション・ポータブル版『SO1』)

■未開惑星保護条約
文明の発達していない惑星を保護するための条約。高レベルの文明との接触は、その星の歴史そのものに大きく干渉してしまう可能性が高いことから作られた。銀河連邦に所属する人物および勢力は、この条約を遵守し、未開惑星の人間との接触を避けなければならない。ただし、明確な生命の危機に瀕した場合はその限りではない。

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▲『SO4』では、条約が制定されることになったきっかけがわかる。(画像は『SO4』)

■紋章術
宇宙歴346年に惑星ロークで発見された技術。紋章と呼ばれる特定の“韻”と“印”、そして精神力の3つで特別な現象が引き起こされる。術ごとに紋章は異なるうえ、使用には紋章が書かれた場が必要となるので、紋章術者は体に紋章を刻み込んでいることが多い。

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▲紋章術は、いわゆる魔法のようなもの。物語にも深く関わることも多く、さまざまな技術に転用される。(画像は『SO4』)

■フェイズガン
銀河連邦で一般的に使用されている銃器。目標となったに向かって強力なエネルギーを放出し、分子結合を破壊する。人間型の生物を気絶させる程度の“麻痺モード”から、クルマほどの大きさの物質を完全に蒸発させる“気化モード”まで、威力を調整して放つことが可能。

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▲『SO2』では、主人公・クロードがヒロイン・レナの前でフェイズガンを使用したことで、“光の剣を持つ勇者”と誤認されてしまった。(画像はプレイステーション・ポータブル版『SO2』)

■惑星ストリーム
古代から存在していたと思われる謎の惑星。遥か昔に何らかの文明が存在した形跡があり、そのひとつに時を司る遺跡“タイムゲート”がある。利用すると時間の壁を越えられるという特殊な遺跡だが、遺跡に認められた者しか時空をわたることはできない。ストリームを中心とした半径5光年以内の宙域への侵入は禁止されており、周辺宙域は銀河連邦によって絶えず監視されている。

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▲『SO1』や『SO3』では、物語のカギを握る重要な施設として登場。(画像はプレイステーション・ポータブル版『SO1』)

『SO5』で新たに紡がれる物語

 『SO5』は宇宙歴537年が舞台。辺境の惑星“フェイクリード”から巻き起こる事件が描かれる。特集1回目の最後は、プロローグ、フェイクリードを代表する国家群、そして国々が抱える問題などを紹介しつつ、『SO5』の世界を掘り下げていく。

■プロローグ
宇宙の深淵は人間たちの平穏を許さないのか--

地球を飛び出して数世紀、幾多の苦難を乗り越えた人類は、“銀河連邦”の設立と拡大により、統一された秩序と平和を手に入れようとしてきた。

しかし、ここにまた、新たな争いの火種がくすぶり始めたのだ。

地球から6000光年以上離れた未開惑星“フェイクリード”。
多くの事例がそうであるように、歴史のうねりは辺境の一惑星から起ころうとしていた。

■惑星フェイクリード
地球から六千光年ほど離れた、銀河連邦未探査領域にある惑星。惑星でもっとも広大なヴェスティール大陸に人口の半分が集中している。

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▲文化、技術レベルは地球の15~16世紀程度だが、“呪印術”と呼ばれる技術で独自の発展を遂げている。ヴェスティール大陸は、3つの王国によって分かれていて、戦争状態になっている地域も存在する様子。

■レスリア王国
ヴェスティール大陸一の大国。肥沃な大地に恵まれ、山脈に囲まれているため他国から攻められにくくなっている。バーリフ一族に300年以上統治され、強国として発展してきた。しかし、突如として動物が凶暴化し、人々を襲う“呪印生物”の登場によって国は混乱。徐々に治安が悪くなり、犯罪組織も登場し国力は大きく低下してしまう。さらに、隣国から戦争を仕掛けられ、不安定な状態が続いている。動物が凶暴化しはじめてから混乱続きのこの期間は“暗黒の7年間”と呼ばれている

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■スタール村
本作の主人公・フィデルとヒロイン・ミキが暮らしている、レスリア王国の南端にある村。海に面しているため、漁業に従事している者が多い。“暗黒の7年間”に陥ってからは、フィデルは剣術で、ミキは回復の呪印術で村の人々を助けている。

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■ランドック王国
代々女王が統治している、呪印術の研究が盛んな国。現女王のマルベネーク聖女王は、優秀な呪印術士であるとともに、“聖厳”と呼ばれる呪印をその身に刻んでいる。また、レスリア王国に呪印術の技術を提供しており、両国の関係は良好。王国の首都・サンテロールにある王立呪印研究所は、呪印術を学ぶすべての者にとっての憧れの場所となっている。

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■ミードック
レスリア王国の東部にある交易が盛んな街。ランドック王国との国境が近く、東のロンド川、そして南北に伸びたエイヒッド山脈の美しい景観が楽しめる。『スターオーシャン』シリーズではおなじみのお騒がせ娘・ウェルチのラボがあるのもこの街。

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■トレクール王国
国土の多くが砂漠に覆われ、痩せた土地が多い。そのため、肥沃なレスリアの土地を狙って、幾度となく戦争をしかけている。現在も、“暗黒の7年間”を迎えて混乱しているレスリア王国に、侵攻をくり返しているが、こう着状態が続く。戦争の最前線となっているイースト・トレクールには、多くの陣や武装された建造物が見られる。

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■チャールズ・ディ・ゴールF
銀河連邦が所有する、最新鋭の宇宙戦艦。長期に渡る調査のため、多数の乗員が働いており、強力な武装やシールド、エンジンが搭載されている。装備やアイテムが買えるショップや“シックベイ”と呼ばれる医務室などがあり、ひとつの街といっても過言ではないほどの大きさとなっている。小型のシャトルもあるので、艦を直接動かすことなく探索に向かうことも可能だ。

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◆『SO5』スタッフ
プロデューサー:小林秀一/スクウェア・エニックス
『スターオーシャン』シリーズ 宣伝プロデューサー
ヴァルキリープロファイル』シリーズ 宣伝プロデューサー
ラジアータストーリーズ』宣伝プロデューサー
インフィニット アン ディスカバリー』ビジネスプロデューサー

ディレクター:小川 浩/トライエース
『ヴァルキリープロファイル』シリーズ 企画全般
スターオーシャン3 Till the End of Time』メインプランナー
『インフィニット アン ディスカバリー』ディレクター

キャラクターデザイン:あきまん
ストリートファイターII』プランナー、キャラクターデザイン
∀ガンダム』キャラクターデザイン
コードギアス 亡国のアキト』メカデザイン
モーレツ宇宙海賊』キャラクター原案
ガンダム Gのレコンギスタ』メカデザイン

音楽:桜庭 統
『スターオーシャン』シリーズ
『ヴァルキリープロファイル』シリーズ

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▲キャラクターデザインも手掛けたあきまん氏によるパッケージイラスト。パッケージにキャラクターが描かれるのはシリーズでは初めてのこと。※リメイク版、インターナショナル版を除く

 第2回では『SO5』に登場するキャラクターたちをご紹介!