美少女たちが不幸のどん底に落ちる物語

 2015年9月20日まで千葉・幕張メッセにて開催されていた東京ゲームショウ2015。同イベントの3日目となる19日に、DMMゲームズのブースで、竜騎士07氏の新作アドベンチャーノベル『祝姫』のステージイベントが開かれた。ゲストのトークや主題歌ライブで盛り上がった、そのステージの模様をお届けしよう。

竜騎士07氏、新作『祝姫』の魅力をスペシャルステージでアピール!【TGS2015】_01

 まずはゲストの開発スタッフが華々しく登場してイベントはスタート。ゲストはシナリオを担当した竜騎士07氏、キャラクターデザイン&原画担当の和遥キナ氏、背景担当のmocha氏の3人だ。最初は竜騎士07氏がストーリーについて「美少女たちを、僕が不幸のどん底に落とす物語です」と冗談交じりに紹介。また主人公は「僕の作品にしてはよくできた、まじめな主人公」で、ヒロインは「いつも日本人形を抱いている、不思議な少女です」と、キャラクター像を語った。

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▲イベントは開発スタッフ3人のトークで開幕。左から竜騎士07氏、和遥氏、mocha氏。

 続いてトークは、世界観やグラフィックの話題に。スクリーンには、ゲーム冒頭のシーンやヒロインのグラフィックが映し出され、和遥氏が簡単に内容を紹介した。和遥氏とmocha氏はロケハンを重ね、ゲームのテーマとなる“呪い”に合わせて、光と影のコントラストなど細かいところまで、ふたりで世界観を話し合いながら開発をしているとのこと。

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▲スクリーンで紹介された、冒頭のワンシーンと、ヒロインのグラフィック。
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▲ふたりのこだわりが感じられる、ムードのあるイベントシーン。

 そしてキャストがテーマになったところで、第2弾のゲストとして、春宮椿子役の声優・本多真梨子さんが登場。「どんなキャラクターですか?」と司会者に振られると、「イチオシなところは、主人公と幼なじみで、とても真っ直ぐな子ということです」と返答。それを受けて竜騎士07氏が「さらに主人公の遠い親戚であり、2親等以上離れているので結婚もできるという、すばらしいスペックを持っています」と補足を入れていた。

 その椿子は主人公の隣の部屋に住む設定になるとのこと。なおmocha氏いわく、椿子の部屋が「いちばんたいへんな背景だった」そうだ。ちなみにこのトークのくだりでは、司会者の無茶ぶりで、本多さんがスクリーンに写ったシーンのセリフを実演するワンシーンも披露された。

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▲本多さんは、画面に合わせてキュートなボイスを披露してくれた。

 続いては、そのほかのキャラクターやキャストが公開された。ゲストのコメントを交えながらイラストを紹介しよう。

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主人公/煤払 涼(声:古川慎)
本編の主人公。親元を離れてひとり暮らしを始めるため、遠い親戚である椿子の一家が大家を務めるアパートへ引っ越してきた。

「美少女ゲームにありがちな受身の主人公ではなく、自分から行動を起こしていくタイプですね」(和遥氏)
「僕の中では、草食系ではなく“光合成”男子ですね。もはや食べもしない(笑)。そんな新感覚をお楽しみいただきたいです」(竜騎士07氏)

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ヒロインA/黒神 十重(声:赤﨑千夏)
神社のひとり娘。焦点の合わない瞳でぼんやりしていることが多く、学校の教師やクラスメイトからは奇異な目で見られている

「ぱっと見で、この娘がここにいるのはおかしいという、画面に違和感があるようなイメージをいかに出すかを念頭に置いてデザインしました」(和遥氏)

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ヒロインB/美濃部 鼎(声:大坪由佳)
上級生の自覚がまったくない先輩。のんびりふわふわとしていて面倒くさがり屋だが、ときに積極的な行動を見せることも。

「幼い見た目ですが先輩キャラです。設定を読んでタレ目なイメージがあったので、かなりタレ目にして、テールの位置やカーディガンなど、細部にも気を配りました」(和遥氏)

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ヒロインC/春宮 椿子(声:本多真梨子)
主人公とは遠い親戚だが、小さいころに会ったのが最後なのでほとんど思い出がない。プリティーな花嫁になるのが将来の夢。

「自分を可愛く見せようと努力している子です。制服の胸のところ、ほかの子はスカーフですが、彼女だけリボンにしています。ちなみに髪止めのリボンは、“ドクロ”ですね」(和遥氏)
「いままでも幅の広い役を演じてきたのですが、断言できるくらい、このキャラがいちばん幅が広いです(笑)」(本多さん)
「実質、ひとり5役くらい演じている感じじゃない?」(和遥氏)

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ヒロインD/布川 莉里亜(声:ブリドカットセーラ恵美)
現役高校生アイドルの後輩。ふだんはちょっと冷たいが、自分のファンには思いっきりサービスしちゃうタイプ。

「アイドル衣装をまだ見せられないのが残念です。子役時代からアイドル活動をしていて、過去と現在で揺れ動くような……これ以上はネタバレなのでやめますが、とても魅力的なキャラクターになっています」(和遥氏)
「アイドル衣装をどうするかで、スタッフのチャット会議で壮絶な論争になりました(笑)」(竜騎士07氏)
「パターンのナンバリングは、Aに始まり、Zまでいきましたからね」(和遥氏)

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サブキャラA/雛形 真由(声:田中涼子)
保健室の先生。やさしい口調のお姉さんだが、恐るべき三段論法を巧みにこなす口先の魔術師。

「“シャチホコ部”なる部の顧問です。美少女ゲームでいうところの攻略対象ではない、準ヒロイン。高嶺の花でオイシイ役どころです。肉なら赤身より脂身が好きという皆さんには、ぜひとも味わっていただきたいキャラに仕上がっています」(和遥氏)

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サブキャラB/熱田 夏也(声:秦勇気)
主人公のクラスメイトで親友。とあるきっかけで主人公を尊敬することになり、やたらと「グレート!」と感動する暑苦しい友人。

「終始アツくて、いっしょにいるだけでカッカカッカするんですが、でもコイツがいると場が和むというか、うれしいキャラクターになっています」(和遥氏)

ミニライブでエンディング曲を初公開

 トークが弾むなかでイベントは終盤となり、ここでさらにゲストが登場。最後のゲストは、主題歌『ちとせつづり』を歌う吉田凛音さんと、作詞&作曲を担当したShihoriさんのおふたりだ。Shihoriさんは楽曲作りのコンセプトについて、「竜騎士07さんからいろいろなキーワードをいただいて、それに基づいて作りました。でも、“1000年呪う”とか、そんな言葉ばっかりで……(笑)」とエピソードを披露。また吉田さんは、「名曲なので、気持ちを入れて歌いたいと思います」と、歌唱に向けての感想を語ってくれた。

 ステージはそのまま、ふたりのミニライブとなり、主題歌『ちとせつづり』と、初公開となるエンディング曲『ひとつ星』が披露された。

 ライブのあとは、登壇者全員が発売を待つファンに向けてメッセージを述べ、スペシャルステージは終了となった。最後に各ゲストのコメントを、まとめて紹介しよう。

「主題歌とエンディング曲を、ゲームといっしょに楽しんでもらえたらうれしいです!」(吉田さん)

「今回は和風ホラーといえども、曲のとおり、暖かいメッセージがあったりもして、さらにどんでん返しもあるとかないとか……? 挿入歌もいま作っていますので、楽しみにしていただけたらと思います!」(Shihoriさん)

「この作品は“呪い”がテーマということで、私もすごく、叫びました。いろいろなキャラクターがいるので、楽しみにしていてください!」(本多さん)

「製作陣も楽しんで作っていますので、その輪の中に皆さんも入っていただけるとうれしいです!」(mocha氏)

「いまの曲のライブで、エネルギーをかなりもらいましたので、残りの製作期間も
がんばって盛り上げていきたいと思います!」(和遥氏)

「精いっぱい作りました。スタッフの皆さんの最高の仕事が詰まっていると思うので、ぜひご期待ください!」(竜騎士07氏)

※2015年9月22日13時30分 キャラクター解説および誤用を修正しました。