これぞ、ゲームの手法を使った未来のVRライブ!

初音ミク×セガ プロジェクトのProject Morpheus技術デモを体験! ミクと同じステージに立って楽しむ、未来の技術が詰まったライブ_01

 2015年6月16日~18日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて開催された世界最大規模のゲーム見本市、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2015。さまざまなコンテンツが発表・展示されましたが、なかでも注目を集めていたもののひとつとして、“Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)”が挙げられます。

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が開発を進めている、PS4の魅力を高めるVR(仮想現実)システム、それがProject Morpheus。高解像度のVRヘッドセットを装着することで、まるでゲームの中に入り込んだような没入感を得られるというものです。E3 2015のSCEブースでは、多種多彩なProject Morpheus技術デモが、百花繚乱と言わんばかりに並べられていたとか。その中で、ひと際輝いていたに違いないデモが、“SEGA feat. HATSUNE MIKU Project: VR Tech DEMO”ですよ!

 ……“~いたとか”とか、“~に違いない”とか、あいまいな表現でごめんなさい。というのも、今年のE3では、私は日本でお留守番していたので、SCEブースをこの目では直接見ていないのです。このデモを見るために、ロサンゼルスに行きたかったのですが……。現地にいる人に対して「ぐぬぬ(羨ましい)」という思いを抱いていました。

 というわけで、悔しい気持ちを押さえきれず、“SEGA feat. HATSUNE MIKU Project”宣伝担当のなっちゃん氏に頼みこんで、“SEGA feat. HATSUNE MIKU Project: VR Tech DEMO”を日本で遊ばせていただきました(内容はE3 2015出展バージョンと同じものです)。「どういうデモだったんだろう!?」と、気になっていた方、ぜひこのリポートを読んでください!


 セガゲームスにお邪魔して、『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ-』シリーズのディレクターである大坪鉄弥氏の説明を受けながら、VRヘッドセットを装着。自分の頭と顔にぴったりくっつくように装着すると、もう現実の世界は見えません。目の前に見えるのは……わ、ライブ会場だ。会場の広さを把握しようと見回すと、2階席(3階席?)まで、お客さんでいっぱい。自分はアリーナにいて、ステージまで数メートル距離があるくらい。すぐ隣にはサイリウムを持っているお客さんがいます。

 自分もPlayStation Moveという名のサイリウムを持って、このライブに参戦するわけです。「用意はいいですか?」と大坪Dに言われてヘッドフォンを装着すると、もう、大坪Dの声は聞こえません。視界に広がるのはライブ会場。聴こえてくるのはステージの音(ちなみに、音は5.1チャンネル!)。もう、自分がセガゲームスの会議室にいることなど忘れてしまいそう……と思っているとミクさんの歌がスタート。

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※モニタの上に設置されているカメラは、モーフィアスのハードの一部ではありません。

 今回のライブでミクさんが歌うのは、Mitchie Mさんの楽曲メドレー。まずは「イージーデンス」、「FREELY TOMORROW」を歌ってくれます。目の前のステージにミクさんがいる! というだけで感動なのですが、欲を言えば「もうちょっと近づきたい……!」と思ってしまう、絶妙な距離。ミクさんに近づこうと歩いたら、サイリウムを振っているミクさんファンにぶつかります(もちろん仮想現実なので、すり抜ける形になるのですが……)。なんていうことを気にしていたら、うっかり現実のモニタにぶつかりそうになりました。没入しすぎて、モニタの存在を忘れていたよ(Project Morpheusを体験する際は気をつけよう!)。

 そんな一幕もありつつ歌に聴き惚れていると、PlayStation Moveがブルブルと震えるときがあります。これは、「サイリウムを振ろう!」という合図。PlayStation Moveを振ると、エフェクトが表示され、ミクさんがこちらのほうを向いてくれるのです。自分がどこにいても、自分のことを見てくれる! わー、うれしい……。

 と、喜びに浸っていると、それ以上の衝撃が待っていました。曲が終わり、視界に変化が訪れて……なんと、自分とミクさんが、ステージの上にいっしょに立っているのです。さっきは「近づきたい」ともどかしく思っていましたが、近づきすぎて「うわあ!」と本気でびっくり。そして実感するのです、「うわー、かわいい」

 このデモのミクさんの3Dモデルは、“初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- F”シリーズのものですが、しっかりとPS4用に調整されています。目の虹彩などがしっかりと描き込まれているのが、間近で見るとわかります。個人的には、ライトに照らされたツインテールがキレイに見えたことが印象的でした。

 そして、ミクさんといっしょにステージに立つとわかるのですが、ミクさんの歌声が、ミクさんのいるほうからちゃんと聴こえてくるんですよね。ミクさんが動くと、声が聴こえてくる方向が変わる。ステージで踊るミクさんを目と体で追いながら、「ビバハピ」、「アゲアゲアゲイン」を堪能しました。

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▲「ビバハピ」では、モーショングラフィックスで表現された歌詞がステージ上に表示されます。電子の歌姫のライブならではの表現。
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▲「アゲアゲアゲイン」を歌っているときにサイリウムを振ると、アゲアゲ↑なエフェクトがどんどん増えます!

 いよいよライブは最後の曲へ。その前にサイリウムを振ると、ミクさんがモジュール“スターヴォイス”(デザイン:NIL) に着替えてくれます。そんなかわいい衣装で、かわいい曲「アイドルを咲かせ」を歌ってくれるなんて、ここは天国ですか? 違った、ライブ会場だった。

 曲の最後の最後で、自分がいる方向を見てくれるミクさんがとんでもなくかわいいです。そして、ミクさんがいなくなった後にステージに降り注ぐエフェクトがキラキラしていてキレイで、思わず宙を見上げて眺めてしまいました。

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 ゲームならではの、自分が介入できるインタラクティブなライブ。未来の技術の象徴ともいえるミクさんが、Project Morpheusでも、ゲームの新しい可能性を見せてくれました。この感動を文字で伝えるのはなかなか難しい。モニタに映し出された映像を見ればいい、と思われるかもしれませんが、VRヘッドセット装着者に見えている映像とは違うものだし、解像度も実際の映像より少し劣ってしまうそうです。うーん、これはやっぱり、皆さんに直接体験していただくしかない! もっともっと多くの人がProject MorpheusとSEGA feat. HATSUNE MIKU Project: VR Tech DEMOを体験できるように、SCEとセガゲームスの方にお願いしておきますね!!