ジョブバランスの細かい調整は直近のパッチ3.05で実施

 プロデューサーレターLIVEは、『FFXIV』のプレイヤーから寄せられた質問に答える形で、次期アップデートの詳細やゲームバランスの調整方針などをプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏が直接説明する人気番組。今回は『蒼天のイシュガルド』をプレイしてプレイヤーが抱いた感想や疑問について吉田氏が直接回答する形式で放送が行われた。吉田氏は、進行役を務めるコミュニティチームの室内氏ともに登場。冒頭で、Mac版『FFXIV』発売前における情報伝達の不徹底を謝罪、Mac版『FFXIV』販売中断の経緯をあらためて説明した。

 続いてジョブに関する質問への回答からスタート。吉田氏の回答を通じて明らかになった、おもな新情報をピックアップして振り返っていこう。

アレキ零式報酬は宝箱から直接+交換用アイテムに! 『FFXIV』第23回プロデューサーレターLIVEまとめ_04
▲あとはいつものペース。とくに注釈のないかぎり、発言はすべて吉田氏によるものだ。

機工士だけでなくすべてのジョブについて、フィードバックを参考に調整の検討を行う。すでに、実際に作業に入っているものもある。

・『新生エオルゼア』時代はウォール残影が強すぎたために、結果的に魔法属性の攻撃を増やさざるを得ない状況になっていた。

・パッチ3.Xシリーズの中で新しいジョブを追加する考えは現時点でない。おそらく、4.0シリーズ開幕以降になる。

・パッチ3.0時点で追加された全ジョブの武器から命中が削除された理由は、ILの高い武器を手に入れても、実際に装備すると命中が不足していて使えないという状況をなくすため。命中を削除したことで生じる不足分は、『蒼天のイシュガルド』側のモンスターに要求される命中の値を引き下げることで対応した。

・今後必要であれば、命中付きの装備を追加する可能性がある。

・『蒼天のイシュガルド』側の装備で『新生エオルゼア』のコンテンツに挑戦したとき、命中が不足してしまう状況が発生しているので、こちらは調整を加える。

吟遊詩人機工士など支援に長けたジョブ向けの新ロールを作る予定はまだない。その理由は、コンテンツファインダーのマッチングに影響を与えてしまう恐れがあるため。

・DPSの高さは戦士の特性。斬耐性を下げて攻撃できるため、サブタンク時の戦士はとくに強い。暗黒騎士はサブタンク時に戦士と同等の火力を出せるが、その性質は“瞬発力の高さ”とは異なるもの。

ナイトは(防御に長けているので)戦士暗黒騎士ほど火力は出せない味付けになっている。

アレキ零式報酬は宝箱から直接+交換用アイテムに! 『FFXIV』第23回プロデューサーレターLIVEまとめ_01
▲インビンシブルは、''ナイト''のアイデンティティなので調整するつもりはない、と吉田氏。

・DPSに追加されたアクションを踏まえて、タンクが確保できる敵視の増加量を『蒼天のイシュガルド』開幕時点で増やしてある。ただし3.0シリーズはレベル60の冒険者のあいだでも装備の差が開きやすいので、敵視の確保が問題になるようであれば何らかの対処を行う。

・特定のコンテンツで極端にMPが不足する場合は、個別に調整を加える。

吟遊詩人は、とくに動く必要のない状況下でメヌエットを使用することで、さらにDPSを上げてもらおうというコンセプト。吟遊詩人のプレイ全体で、移動しながら攻撃ができなくなるわけではない。(移動と固定砲台化を)切り替えるタイミングを考えてもらうためにメヌエットを設けた。

ピーアンは常時使うことを想定して追加したものではない。効果時間が短いなどの意見をいただいているので、そうした声を踏まえたうえで必要に応じて調整していく。

召喚士のエギの見た目を変えるシステムは、すべてのアクションに対応させる必要があるためもう少し時間が掛かる。

黒魔道士のエノキアンを再使用した際の効果を“延長”から“上書き”に変えようと思っている。

暗黒騎士のリビングデッドを使いやすくする検討を行っている。機工城アレキサンダー:零式(ハード)の公開後の状況を見てから作業に入るつもりでいる。

戦士のディフェンダーによるHP回復量上昇は、現状では生命活性法やテトラグラマトンなどの効果に影響を及ぼさない仕様になっている。この部分は、機工城アレキサンダー実装後のフィードバックを見てから検討したい。

占星術師は、レイドの結果を待たずに、全体的に手を入れようと思っている。まずカードの効果が感じにくいので、この問題を解消したい。ほかにも、キープを非戦闘状態でも使えるようにしたり、シャッフルのリキャストを短くしたりする予定。またライトスピードも、より明確に強さを感じられるよう調整を加える。運命の輪と星天対抗は、ほかのヒーラーと似たような性能にするのではなく、スタンス切り替えができる占星術師らしい調整を行いたい。

学者の転化は、エーテルフローを全快させたいときに使うもの。常時使用する前提で発案されたものではないので、たとえばレイド戦でフェーズが途切れる瞬間などに発動するといいのでは。

・レベル60時点でのフェアリーの回復量が低くなっているように感じられる理由は、レベル1から50までのフェアリーの成長曲線よりも、51から60までの上昇率のほうが、角度としてはゆるやかになっているため。レベル60の状況がしばらく続くので、今後のアイテムレベルの上昇を踏まえてバランスを取った。

モンクの闘気を一発で5段階まで上げることを一時期検討はしたが、現時点では実現できない。その理由は、(ザコ戦など)個別の戦闘の際に毎回大きなダメージが出せてしまうため。

竜騎士の方向指定は、工夫する余地として残しておきたい。ただし、側面や背面が取れない状況下でのダメージロスが大きいので、その部分についてはパッチ3.05までに調整する。

・ゲームパッドの操作について、今後ボタンが足りなくなったときのために備えて “ダブルクロスホットバー” という新仕様を検討している。

アレキ零式報酬は宝箱から直接+交換用アイテムに! 『FFXIV』第23回プロデューサーレターLIVEまとめ_02
▲“ダブルクロスホットバー”の仕組みが気になるところ。編集部の予想では、L1とL2(またはR1とR2)を同時に押すことで、第2のExホットバーを呼び出せるようになる?

夜のBGMの製作期間は?

 ジョブ関連の話題に続き、クエストやストーリーにまつわる質問について吉田氏の回答をまとめた。こちらも発言はすべて吉田氏によるものだ。

・『蒼天のイシュガルド』開幕時点で公開したメインクエストでは、狙って選択肢を増やした。人によって抱く印象は違うので難しい面もあるが、今後も重要な意思決定を行う場面では、プレイヤーが行動を選択できる機会を増やしたい。

・ドラヴァニア雲海のモーグリ関連の(指定品回収系)クエストはさすがにやりすぎたと思っている。今後そうしたクエストを作らないようにする。

・夜のBGMは吉田氏が祖堅氏にお願いして3日で制作した。

・決着のついていないキャラクターに焦点を当てたシナリオについては、レターモーグリを含めたサブクエストや、メインクエストなどでフォローしていく。

・『FFXIV』2周年に向けてのショートストーリーがLodestoneにて掲載される予定。その中で、イゼルとフレースヴェルグのあいだで起こったことが描かれるのでは。

・ドマ冒険者団のクエストは今後も続いていく。

・アバラシア雲海でたまに見かける飛空艇(の正体)は、パッチ3.1リリース後にわかるはず。

ノーマル版の機工城アレキサンダーで得られる素材の数の増加を検討

 続いてバトルコンテンツやアイテムに関する質問に。その中で吉田氏は、機工城アレキサンダーのノーマル版で得られる報酬(素材)の数について初めて言及した。またパッチ3.1の内容に大きく踏み込んだ発言もしている。

アレキ零式報酬は宝箱から直接+交換用アイテムに! 『FFXIV』第23回プロデューサーレターLIVEまとめ_05
▲まだ発売が確定していないという、グゥーブーのぬいぐるみ(試作品)をお披露目。プレイヤーの要望が高ければ、こうした製品化を積極的に行うとのこと。

オーディンの参加者が少なくてクリアできない状況が目立つが、今後、ボスのレベルがどんどん下がっていくので倒しやすくなるのでは。

・今回のメインクエストで登場したラスボスの高難度版の実装は、まだ何とも言えない。実装しないとは言っていない。

デイリー系のコンテンツを翌日に持ち込むシステムについては、サーバー全体に関係してくるのですぐには難しいが検討してみる。

バディチョコボのランク上限の開放は、いまの時点では予定していない。チョコボと魔導アーマーを使った遊びの実装を企画しているので、そのタイミングで調整することになりそう。

機工城アレキサンダーのノーマルと零式の違いは、難度と報酬品のアイテムレベルの高さ。また、零式の装備の見た目はノーマルと同じだが、こちらは染色が可能となっている。冒険者の強さに直接関わるものではないが、仲間に自慢できる報酬も用意されている。

・機工城アレキサンダーのノーマル版の報酬品については、今後ドロップ数を増やすかもしれない。

グランドカンパニーの新たな階級の開放は、すでに予定のなかに組み込まれている。グランドカンパニーに自分の小隊を作る遊びの企画が進んでいるので、そのコンテンツを実装するタイミングで開放するつもり。パッチ3.1のそのつぎになる見込み。

カンパニーチェストはサーバーを吹き飛ばす危険があるので、慎重に検討している。しっかり確認をした後で、イシュガルドに設置したい。

フリーカンパニーの名称変更は、パッチ3.1で可能になる。

オルシュファンの肖像画とミニオンの開発は、パッチ3.1の公開に向けてがんばる。

オルシュファンの盾は、サブクエストなどを通じて手に入るようにしようかと思っている。

・ポーションなど薬品類の効果については、レベル60に見合ったレベルになるよう調整したい。

・レアもののミニオンの入手方法は、増やすことがあってもドロップ率は変更しない。理由は、手に入りにくいからこそほかのプレイヤーから注目されるものだから。

・モブハント以外にもセントリオ記章の入手先を増やす。パッチ3.05で別の手段を追加するだけでなく、それ以外の入手方法についても検討していく。

・今後も新エリアが追加された際には、まずグラウンドマウントで地上を旅してから飛べるようにするつもり。

イディルシャイアでのマウント騎乗と、低地ドラヴァニアへのエーテライト設置は、時間が掛かるかもしれないが実現させたい。

・クリスタルタワーに続く新規24人レイドダンジョンの中身は、2周年記念で放送するプロデューサーレターLIVEあたりから情報を出していきたい。

・『ファイナルファンタジータクティクス』のヴァレリアン装備については、ご要望が多ければ世界観にマッチする形で取り入れたい。

・ミラージュプリズム用の装備がアーマリーチェストを圧迫していることは理解している。リテイナーに渡した装備から直接武具投影を行える場所を用意するなど、サーバー負荷を考慮したうえで利便性を高めていきたい。

・高低差を利用した宝箱探しのコンテンツについては、“宝島探索”というコンテンツの公開を予定しているので、今後の情報に期待してほしい。

・『FFXI』に登場したモンスターは、今後も随時追加される予定。