序盤からサプライズ! 今年はひと味違う‼
2015年6月15日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのオルフェウム・シアターにて、ユービーアイソフトのプレスカンファレンスが開催された。
2012年の『ウォッチドッグス』、2013年の『ディヴィジョン』、そして2014年の『レインボーシックス シージ』。毎年、このカンファレンスでトリプルAタイトルをサプライズ発表してきた、ユービーアイソフト。当然、2015年の隠し玉は何かと、さまざまな憶測を呼んでいたが……その正体が、ついに明らかとなった。しかも2タイトルで、そのうち1本は新規IPという大盤振る舞いを見せてくれたのだ。ほかにも、発売を控えるビッグタイトルに大きな動きがあった、今年のユービーアイソフトのプレスカンファレンス。その模様を詳しくお伝えしよう。
ユービーアイソフトのCEO、Yves Guillemot(イブ・ギルモ)氏が登壇して紹介したのが、今回のサプライズタイトルのひとつ、『For Honor』。侍と騎士、バイキングという三者三様の“剣士”が一堂に会し、城を舞台にした大規模な戦闘をくり広げるアクションゲームだ。勇壮なトレーラーのあとに登場したのは、本作の開発を手掛けるユービーアイソフト・モントリオールのクリエイティブ・ディレクター、Jason Vandenberghe(ジェイソン・ヴァンデンバージェ)氏。いままでにないアクションを実現するべく開発を続けてきた本作が、ついに公開できた喜びを爆発させていた。
本作の概要がもっともわかりやすい例として、4対4のマルチプレイが披露された。騎士で構成された青チームと侍で構成された赤チームに分かれて対戦。自チームにはプレイヤー以外にも仲間がおり、多対多の戦闘が楽しめる模様だ。敵対プレイヤーとは、鍔迫り合いや体当たりによる体勢崩し、防御などをお互いに駆使しながらの重量感あるソードバトルが展開していた。
本作の対応ハードはPS4、Xbox One、PCとなっており、発売時期は未定。新世代機でどこまで迫力ある戦闘を表現できるのか、楽しみに待とう。
2年越しで実機プレイが公開! そして注目作に待望の展開が‼
2013年のE3でサプライズ発表された『ディビジョン』が、ついに本格的にその姿を明らかにしたのも、トピックのひとつ。開発を手掛けるMASSIVE ENTERTAINMENTのゲーム・ディレクター、Ryan Bernard(ライアン・バーナード)氏が「恐ろしく、偏執的で誰も信用ができない世界での戦い」と述べたように、雪がそぼ降るマンハッタンを舞台にしたマルチプレイが公開された。
放置されたパトカーなどの障害物を利用しながら的確に敵を倒し、火炎放射器を持つ“クリーナー”をよけて目的地へ向かう。しかし、仲間が突如襲撃を始め、味方が倒されてしまう衝撃的な展開で幕を閉じた。これが、ライアン氏の「誰も信用ができない」という言葉が意味するもので、エージェントと呼ばれるNPCの存在がゲームをより複雑かつスリリングにしているのだ。詳細は関連記事で解説しているので、チェックしてほしい。北米での発売日は2016年3月8日。Xbox Oneでは2015年内、プレイステーション4とPCでは2016年からベータテストを実施する予定となっている。
ひと際会場を沸かせたのが、昨年のサプライズタイトル『レインボーシックス シージ』だ。PVで“チームレインボー”の指揮官を演じるエミー賞女優のアンジェラ・バセット本人が登壇。さらに本作の敵として、白いマスクを被った謎のテロリストが登場することも明らかとなった。
本作のコミュニティー・マネージャーを務めるGenevieve Forget(ジュヌヴィエーブ・フォージェ)氏の解説で、5人のプレイヤーによるマルチプレイモードの“TERROHUNT”が公開。これは、爆弾を持ってフランス大使館に立て籠もるテロリストたちの制圧を目的としたミッション。ロボットを忍ばせて敵の位置を把握し、防御板を持ったプレイヤーと狙撃役が連携して動き、爆弾を解除するまでに敵の攻勢を食い止めるといった、緊張感溢れる戦闘が確認できた。短いプレイだったが、そのスピーディーな展開に期待が高まるばかりだ。
この“TERROHUNT”モードも楽しめるクローズドベータテストが、北米で2015年9月24日にスタートするとの発表もあった。日本でも2015年10月15日に発売予定となっているが、日本からも参加可能かどうかは不明となっている。
『アサシン クリード』新作、さらにもうひとつのサプライズ!
北米では2015年10月23日の発売が予定されているシリーズ最新作『アサシンクリード シンジケート』では、新たなトレーラーが公開された。産業革命後のロンドンを舞台にした本作では、馬車だけでなく汽車を舞台にした戦闘が実現。かのビッグ・ベンを背景に、馬車どうしの激しいチェイスが確認できた。いままで以上に洗練された主人公は、銃とアサシンナイフだけでなく、流れるような近接戦闘、新たなガジェット“ループランチャー”を使った移動などを駆使して戦うことになる。
本作のクリエイティブ・ディレクターを務めるユービーアイソフト・ケベックのMarc-Alexis Cote(マーク・アレックス・コテ)氏は、このE3でプレイアブルを出展することを明らかにし、大きな喝采を浴びていた。映像だけではわからないが、アクションのスピード、“シンジケート”というタイトルが意味する内容をブースにて確認するので、詳細は後ほど。
そして、カンファレンスの最後を飾ったのは、もうひとつのサプライズタイトル。それが、『ゴーストリコン』シリーズの最新作となる『Tom Clancy’s Ghost Recon Wildlands』だ。『ゴーストリコン』は、ユービーアイが誇るトム・クランシーシリーズのひとつで、戦闘のプロである特殊部隊の活躍をリアルな設定で描く人気シリーズ。
最新作の舞台は、なんと南米のボリビア。敵は、脅威的な存在となったドラッグカルテルとなる。南米という設定を活かした色彩豊かで起伏に富んだフィールドは、広大なオープンワールドとなっており、さまざまな戦闘が楽しめるようだ。今回確認できただけでも、クルマやバイク、ヘリにボートといった移動手段があり、仲間との連携が重要になるアクションシューターとなっているようだ。
怒涛の新作ラインアップを一挙に紹介!
『THE CREW WILD RUN』は、オープンワールドのアメリカを舞台にした多人数同時参加型のオンラインレースゲーム『ザ クルー』の拡張パック。モンスタートラックやドラッグスターなどの新しい車種や、荒野での大規模レースなどが追加され、さらに新しいレースが楽しめるようになる。海外では2015年11月17日より発売されるとのこと。
勇壮な音楽にユニコーンと猫という組み合わせのPVで、ある意味会場を驚かせた『Trials Fusion Awesome Level Max』も、人気のバイクアクション『トライアルズ フュージョン』の拡張パック。その名の通り“Awesome”な激ムズのダウンロードコンテンツや新しいコースだけでなく、全DLCを収録した決定版だ。ちなみにユニコーンと猫も実際に操作できるらしい。プレイステーション4とXbox One、PCに対応しており、北米では2015年7月14日より配信予定だ。
都市を建設して拡大していくシミュレーションゲームの人気シリーズ『ANNO』の最新作は、月と地球を舞台にした『Anno 2205』。PCのスペックを活かした緻密なグラフィックで描かれる未来都市の美しさは、RTSであることを忘れさせるほど。北米では2015年11月3日発売予定。
体感的な操作と有名楽曲を多数収録することでも人気のダンスゲームシリーズから、最新作『Just Dance 2016』の発売も決定。デビュー曲が全米1位を獲得した人気シンガーのJason Derulo(ジェイソン・デルーロ)の歌を幕開けに始まった本タイトルの発表では、北米でWii/Wii U/PS3/PS4/Xbox 360/Xbox One向けに2015年10月22日に発売されることが明らかになった。さらにWii U、PS4、Xbox One版では、スマホ用アプリと連動することで、スマホを使った新しいプレイが楽しめる。
また、同じくWii U、PS4、Xbox One版では、定額制のストリーミングサービス“Just Dance Unlimited”が提供されることも発表。新たな楽曲だけでなく、いままでのシリーズ楽曲がすべてプレイできるようになる。
いままで紹介してきたタイトル以外にも、原作者のトレイ・パーカーとマット・ストーンが登壇した『サウスパーク』のアクションRPG『South Park: The Fractured But Whole』、新たなレースシムゲームである『Trackmania Turbo』が発表。じつに芳醇なラインアップが出揃い、ユービーアイソフトのの実力を世界中に示したカンファレンスとなった。
E3のユービーアイソフトのブースでは数多くのタイトルが試遊できるとのことなので、そのリポートは追ってお届けしよう!