3部作の第1弾を飾る、新たな“アサシン クリード”

『アサシン クリード クロニクル チャイナ』プレイインプレッション――“殺めず”が基本!? 今度の『アサシン クリード』はかなりパズルチック!_01

 ユービーアイソフトより、2015年4月22日に配信開始のダウンロード専用タイトル、『アサシン クリード クロニクル チャイナ』(プレイステーション4、Xbox One、PCに対応)。暗殺者(アサシン)を操り、オープンワールドで数々のミッションをこなしていく人気アクションゲーム『アサシン クリード』シリーズの最新作にして、今後3部構成で展開していく『アサシン クリード クロニクル』の第1弾だ。

 主人公は、中国最後のアサシンである“シャオ・ユン”。ゲーム本編でプレイヤーが操作できる女性アサシンとしては、『アサシン クリードIII レディ リバティ』のアヴリーンに続いてふたり目となる。しかも、あのエツィオ(注:エツィオ・アウディトーレ・ダ・フィレンツェ。『アサシン クリードII』、『アサシン クリード ブラザーフッド』、『アサシン クリード リベレーション』、計3作品の主人公であり、偉大なアサシンのひとり)の最後の愛弟子というのだから、シリーズファンにとっては、いろいろとくすぐられるものがあるはずだ。ちなみに、このシャオ・ユン、2011年に発売された『アサシン クリード リベレーション』の特典ダウンロードコンテンツ映像である『アサシン クリード エンバース』に登場していたりする。彼女の名前を見ただけでピンときた人は、かなりの『アサシン クリード』通だろう。

 また、本作の舞台は明王朝の混迷期である、1526年の中国。シリーズでは初のアジアが舞台となる作品であり、当時の中国内の情勢、そしてアジアにまで手を回しているテンプル騎士団の組織力など(それを言うならアサシン教団も、だが)、見どころは数多い。と、いったところで、本作のプレイインプレッションへ。

■パズル要素の強い、これまでにないプレイ感覚
 ユービーアイソフトが“2.5Dアクションゲーム”と銘打つだけあって、本作の画面構成は平面的でありながら、キャラクターやオブジェクトなどは3Dで表現されている。かなりシャキシャキと小気味よく動かせるので、シリーズ本編とは若干異なる操作方法にさえ慣れてしまえば、ストレスなくプレイできる。

 ある程度進めてみた印象としては、“パズルアクション”という言いかたがしっくりくる感じ。暗殺や剣での攻撃、ジャンプ、壁への張り付き、イーグルダイブ(まさか2.5Dでも見られるとは予想外!)といった、アサシン特有のアクションに加え、シャオは固有の“ガジェット”を使用できる。敵をシャオの近くへおびき寄せる“笛”、敵を気絶させる“爆竹”、ロープを切ったり、攻撃にも使える“投げナイフ”、敵を任意の場所へおびき寄せる“ノイズダート”の4つがそれだ。笛以外は消耗品のため、ストックを考えて使わなければならない点に注意が必要(ステージ内のガジェット箱で補給はできる)。これらの使いかたを考えつつ、いかに敵に見つからないように進むか、という内容になっている。

 もちろん、従来の『アサシン クリード』のように、強引な突破も可能ではあるのだが、それだとステージ内の各セクションで評価される“スタイルグレード”が低くなり、アクションの強化や体力ゲージの増加など、各種アップグレードが得られなくなってしまうのだ。敵に発見されないほどスコアが高くなり、最初は“シャドウ”だが、敵をひとりでも暗殺すると“アサシン”、敵に発見された状態で殺害すると“喧嘩屋”と評価が下がる。各評価はそれぞれゴールド、シルバー、ブロンズの3段階に分かれているため、“シャドウ・ゴールド”が最高の評価、ということになる。ひとつふたつであればシャドウ・ゴールドを得るのは難しくないが、ステージ内ですべて、という話になると、各ガジェットの使いかたやアクションの手順など、それこそ攻略パターンを組み立てないと、かなりキツめ。既存のシリーズ作品と同様、いったんクリアーしたステージは何回でも挑戦できるので、なんだかんだと試行錯誤することになりそうだ。

『アサシン クリード クロニクル チャイナ』プレイインプレッション――“殺めず”が基本!? 今度の『アサシン クリード』はかなりパズルチック!_02
▲敵には視界範囲が定められており、そこへ入ると察知される。だが、視界範囲を示す“コーン”が赤くなる前に離脱すれば、発見はされないのだ。わざと気づかせて敵をおびき寄せるといった芸当も可能だが、かなり難しいのでムリに狙わないほうがいい。いやほんと。
『アサシン クリード クロニクル チャイナ』プレイインプレッション――“殺めず”が基本!? 今度の『アサシン クリード』はかなりパズルチック!_03
▲笛は音が届く範囲を指定しつつ使うことができる。自分の近くにしかおびき寄せられないため、使い勝手がいいとは言えないが、何回でも使えるという強みがある。まずは笛を使い、敵の動きのパターンがどうズレていくかを探るといいだろう。
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▲スタイルグレードの結果により、スコアがステージごとに定められた数値を超えると、各種アップグレードが得られる。ガジェットのストック数が増えたりもするので、なるべく高評価を狙っていきたいところ。
『アサシン クリード クロニクル チャイナ』プレイインプレッション――“殺めず”が基本!? 今度の『アサシン クリード』はかなりパズルチック!_05
▲背景の美しさも特筆モノ。まるで水墨画を思わせる見た目で、建物の形や飾りなど、きちんと中国を連想させるものになっているのもすばらしい。こればかりは写真だと伝わりにくいので、ぜひとも実機でご覧いただきたい。