小学生にPS Vitaの普及が加速

 2011年に製品版が発売されて以降、世界のゲームファンのあいだで人気を博している『Minecraft』(以下、『マインクラフト』)。昨今、盛り上がりを見せている実況動画などでも、有名実況者を始め、多数のプレイヤーが動画をアップし、国内外のゲームイベントなどでも出展されることが多いだけに、一度は目にしたり、耳にしたことがあるタイトルだろう。

 そんな『マインクラフト』は、国内でも昨年、プレイステーション版が順次発売されると人気が加速。ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)は、PlayStation Storeでの累計販売(有料ダウンロード)本数が2月2日時点で50万本を突破したという異例の発表を行った。しかも、小学生を中心にブームの兆しがあるという。本特集では『マインクラフト』の人気の秘密と今後のブレイクの可能性を探る。

※本記事は、週刊ファミ通3月26日号(3月12日発売)の記事に加筆・再編集したものです。

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国内では小学生にも人気! ついにPS Vitaパッケージ版も本日(3/19)発売の『マインクラフト』人気の秘密に迫る_02
▲1月から2月にかけて、東京・名古屋・大阪・福岡で開催されたイベント“次世代ワールドホビーフェア '15 Winter”のSCEJAブースの『マインクラフト』コーナーは、小学生を中心に大盛況だった。

『マインクラフト』とは

世界で5400万人以上がプレイするメガヒットゲーム

  『マインクラフト』は、スウェーデンのストックホルムにあるゲーム開発会社Mojang ABが開発したサンドボックス型ゲーム。2009年に初期バージョン(クラシック版)がPC向けにリリースされ、2011年には製品版が発売。その後、PCのほか家庭用ゲーム機、スマホなど、さまざまなデバイス向けにリリース。いまや、世界で5400万人以上がプレイする大ヒットゲームへと成長した。人気の要因は、所有するデバイスで手軽に遊べる間口の広さ、ゲーム自体の自由度・完成度の高さなどが挙げられる。また、そのゲーム性から、実況者の個性も出しやすく、実況動画も多数公開され、それが観る側の興味を喚起。さらに人気を後押ししている、という側面もあるようだ。

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▲『マインクラフト』の世界では、木も土も鉱物も動物も、すべてが立方体のブロックでできている。それを設置して何を作るか、どう遊ぶのかは自由だ。
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国内ではプレイステーション版が牽引

 国内のプレイステーション版は、PS3版が2014年6月24日に、PS Vita版が10月29日、PS4版が12月25日にダウンロード専売で販売開始。累計販売本数は、PS Vita版は約20万本、PS4版が約50000本、PS3版が約23万本(1月25日時点。ファミ通調べ)を記録。とくにPS Vita版は、PS3版から4ヵ月遅れの3ヵ月間で約20万本というハイペースで売れ続けており、年末商戦の隠れたヒット作となっている。今後、どこまで数字が伸びるか注目だ。

識者が見る『マインクラフト』の人気

 これまでは、知る人ぞ知る名作という印象でしたが、子どもたちのあいだでは『おはスタ』やニコ生の実況動画で爆発的に人気が出たようです。やれることが多い分、それをよく子どもたちが理解できたなぁと思いました。映像の力は大きいですね。お問い合わせをいただくのは、小学生くらいのお子さんかその親御さん。PS Vita本体はまだ持っていない方も多いですね。いまは小学生の低年齢層を中心に広がっていますが、今後は、上の層にもどんどん伸びていくと思います。中高生はPS Vitaを持っている世代ですから、彼らにいかに『マインクラフト』に気付いてもらえるかが大事。ブレイクする可能性はすごく感じています。(GAMESマーヤ店長 秋谷久子氏)

 ゲーム実況で盛り上がっているタイトルで、そういう意味では新しいユーザー層の広がりに貢献しているタイトルです。私の子どもも、プレイはしていないのですが、動画を見るのは大好きですね(笑)。ただ、見るだけだった人たちが、実際にやってみてハマっていくという広がりになっているのかなと感じます。『マインクラフト』というタイトル自体は知っているけれど、やったことはない、という人はまだまだいると思いますし、今年あたりからスマホのゲームを手軽に動画配信できるという流れができつつあるので、それが流行り出すと、中高校生などYouTuberに憧れる層にちょっとしたブームがくるかもしれませんね。(SMBC 日興証券 株式調査部 シニアアナリスト 前田栄二氏)