目指すは年齢層を問わず楽しめるパズルゲーム

 Nestossが開発を進めているタイトルは『James's Legacy』(ジェームスの遺産)と名付けられたパズルゲーム。プレイヤーはさまざまな惑星を訪れ、そこに秘められた謎を解明していく。柔らかなグラフィックが印象に残る、PlayStationにぴったりのタイトルだ。同社のCEOであるJongyoun Kim氏とアートディレクターのJames Jeong氏にお会いできたので、簡単ではあるがゲームの内容を尋ねてみた。

●James`s Legacy: The prologue

韓国で開発中のPS4タイトル『James's Legacy』の若きスタッフを直撃!【G-STAR 2014】_01
韓国で開発中のPS4タイトル『James's Legacy』の若きスタッフを直撃!【G-STAR 2014】_02
韓国で開発中のPS4タイトル『James's Legacy』の若きスタッフを直撃!【G-STAR 2014】_03

――こちらはパズルゲームと紹介されていますが、もう少し具体的にゲームの内容を教えてください。
Jongyoun Kim氏(以下、Kim) シナリオに重点を置いたパズルアドベンチャーです。プレイヤーがフィールドに建築物を建てたり、ほかのプレイヤーとコミュニケーションを図ったりと、自分の個性が他人にアピールできるようなコンテンツを取り入れる予定ですので、日本のプレイヤーにも楽しんでいただけるとかと思います。2015年の夏に詳しい情報が公開できるよう、現在開発を進めています。
――プラットフォームはPS4だけになるのですか?
Kim いいえ。もともとはGear VR(サムスンとOculus VRが共同開発したVRヘッドマウントディスプレイ)用のゲームとして開発に着手した経緯がありますので、リリースを予定しているプラットフォームはモバイル、PC、PS4になります。モバイルとPCはGear VRを着用してプレイするスタイルになります。リリース時期は、PCが来年の夏、モバイルとPS4は未定です。
――なかなか実験的なタイトルだったのですね。ほかのプラットフォームと比べるとPS4版の開発だけが特殊な環境になるように思えますが、無事にクリアーできそうですか?
James Jeong氏(以下、Jeong) 韓国の多くのデベロッパーはコンソール機のタイトルを開発した経験はありませんが、弊社はPS3のタイトルの開発経験があり、いまでもその当時の人材が何人か所属していますので、とくに危機感はありません。むしろ、イメージの共有や資料の受け渡しなど、開発チームのコミュニケーションが円滑に進めば、PS4のほうが開発期間が短くなるかもしれません。いまは無料で使えるコンソール向けのUnityを使って開発しているのですが、こちらが安定すればさらにスピードは上げられそうです。
――最後に、日本の読者に向けて本作の魅力を聞かせてください。
Kim いま30代後半くらいの方が子どものころに遊んでいた、スーパーファミコンのゲームのような懐かしさが感じれるゲームになれば、と思っています。同時に、若いプレイヤーにはこの雰囲気を新鮮に感じていただきたいです。
Jeong 例を挙げるとすると、『ぼくのなつやすみ』のようなゲームを目指したいですね。新しくもあるし、懐かしさも感じる。そんな部分を見てもらいたいです。
――わかりやすい例えをありがとうございます(笑)。完成を楽しみにしています。

韓国で開発中のPS4タイトル『James's Legacy』の若きスタッフを直撃!【G-STAR 2014】_04
▲左がアートディレクターのJames Jeong氏、右がCEOのJongyoun Kim氏。

 開発がスタートしたばかりで、まだまだ詳細が語れる時期ではない様子だったが、それでも意欲的なアイデアが聞けた。何より、ソニー・コンピューターエンタテインメント コリアの奮闘によって、韓国のデベロッパーがコンソール機に目を向け始めた事実がうれしい。いい意味で小粒ながらも良質のゲームが今後、韓国で生まれそうな気配を感じたぞ。