【ファミキャリ!会社探訪(19)】ネイティブアプリでグローバルナンバーワンを目指すドリコムを訪問!_07

ファミキャリ!会社探訪第19回はドリコム

 ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナーの第19回は、ドリコム。
 ソーシャルゲームやソーシャルラーニングなど、インターネットにおけるさまざまなサービスを提供しているドリコム。ゲームでは、サイバーコネクトツーと開発した『フルボッコヒーローズX』など、話題作も多い。今回は、そのソーシャルゲーム事業の中心人物・古屋基親氏に話を聞いた。


嗜好性の違いに戸惑いながらも結果を出した海外事業部時代

【ファミキャリ!会社探訪(19)】ネイティブアプリでグローバルナンバーワンを目指すドリコムを訪問!_03
ドリコム 執行役員
ソーシャル事業本部長
古屋 基親氏

――最初に、簡単に古屋さんの経歴から教えてください。
古屋基親氏(以下、古屋) いまから8、9年前になりますが、ドリコムの前に勤めていた会社に就職するときのことですが、「これから成長する業界に行こう」と思っていて、それがインターネットビジネスでした。当時、モバイル系はまだこれからという状態だったので、モバイル系の会社に行こうと思いました。それで、最初はモバイル系の広告ビジネスを担当していたのですが、コンテンツを作る側の仕事をしたいと思うようになりました。ちょうどそのころに、ミクシィやMobage、グリーといったソーシャルゲームが出てきて、「ソーシャルゲームを作りたい」と思うようになりました。そして、Mobage向けとAmeba向けのゲームを作っていました。

――“先見の明”があった、と。
古屋 そうなのでしょうかね(笑)。その後、この業界としては順調に大きくなってきていると思います。ゲームの開発に携わるようになったのは、いまから6年くらい前からです。

――もともとゲーム開発に興味があったのですか?
古屋 いえ、そういうわけではありません。ただ、前の会社ではソーシャルゲームを作っていたのですが、たまたま人材会社の方からお声掛けいただいて、弊社の長谷川(敬起氏・取締役)や(内藤裕紀)社長と面談しました。まだ企業の文化が定まっていない会社に行って、そこで新しく文化を作りたいと思っていました。

――近い業種の会社から転職されたわけが、ドリコムを選んだいちばんの理由は何ですか?
古屋 いちばんは“人”ですね。内藤や長谷川含め、面接を担当した人に魅力を感じました。

――ドリコムにはゲームを作るために転職されたわけですね。
古屋 そうですね。そのころのドリコムは、グリーやMobage、ミクシィそれぞれのプラットフォームで結果を残していました。その後、海外に進出するにあたって、海外事業部を立ち上げることになり、その部署の責任者として入社することになりました。英語はまったく話せないのですが(笑)。

――では、入社してから現在まではどのようなお仕事を?
古屋 海外向けのネイティブアプリを開発するために、海外事業部を立ち上げました。その部署では、おもに北米向けに4~5タイトルを開発したのですが、なかでもグリーさんといっしょに作った『Reign of Dragons』(日本では『神縛のレインオブドラゴン』として配信)が北米でベスト10に入り、それなりの結果を上げることができました。ちょうどそのころ、日本ではブラウザゲームの状況がきびしくなりはじめていたので、今度は国内に注力しようということになり、そのタイミングで海外事業部をいったん閉じて、国内の事業部と統合することになりました。それから、国内向けにブラウザゲームとネイティブアプリの両方をやっていたのですが、この1年半で「今後はネイティブアプリになるだろう」という判断もあり、ネイティブへとシフトしました。

――最初は海外向けのみをやられていたわけですね。
古屋 そうです。ただ、言葉は調べたり、翻訳の方に聞けばなんとかなるのですが、ゲームの嗜好性については苦労しました。ゲームデザインや感性の部分を補完するのが、かなり難しかったですね。とくにビジュアル面が難しかったです。たとえば、かわいいと感じる女性キャラクターも全然違いますからね(笑)。

――ただ、結果的には成功したわけですよね。
古屋 個人的には満たされたわけではないのですが、一応収益の出せるアプリを作ることはできました。いまはいったん日本のマーケットに集中することになりました。日本のネイティブマーケットも大きい規模ですからね。日本でヒットしたものを、ゆくゆくは海外へと展開していきたいと考えています。これまでの経験が活きるといいなと思っています。