プロ・アマ問わず音楽好きが集う

 2014年10月26日、東京流通センターにて、音系・メディアミックス同人即売会“M3”が開催。この即売会は、おもに音楽や映像、マルチメディアで活動するサークルが集まって行われたもので、『ワイルドアームズ』シリーズのBGMを作曲したなるけみちこさんや、シンセサイザーやデジタルピアノなどを販売するKORGなど、プロや企業も参加している。今回は、hibikuという名前でインディーズで活動する声優の山村 響さんが出展するということで、取材をさせていただいた。

音楽同人即売会“M3”リポート 声優&歌手として活躍するhibiku(山村 響)さんへのインタビューも!_03
hibiku(山村 響)さん
声優・山村 響としては、『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』のハルナ役や、『エスカ&ロジーのアトリエ』のクローネ役などで活躍。また、アーティストとしてはhibikuを名乗っており、M3会場にて最新シングル『Plastic Shoes』を発売した。

──今回は、歌手の小林 楓さんと合同で出展されていましたね。これまでにM3出展のご経験は?

hibiku M3には、今回が初参加です。以前からこういった即売会があるということは知っていましたが、実際にどういう活動で、どういう雰囲気で行われているかはぜんぜんわからなくて。ただ、即売会はお客さんとの距離がすごく近くて、実際にどういった方が買ってくださっているかがわかるイベントですから、参加してみたいとは思っていました。そこで、今年の春に行われたM3に見学に行ってみたところ、出展するサークルさんもお客さんも音楽に対して熱い思いを持っている、エネルギッシュなイベントだということがわかって。それでますますやってみたくなって、参加を決めました。

──実際に参加してみていかがだったでしょう?

hibiku 春のときよりも、熱気があった気がします。開場の瞬間に拍手をしてお客さんをお出迎えしたんですが、そういうことも初めての体験で。みんなでイベントを作り上げて、みんなで音楽シーンを盛り上げていこうという熱気が伝わってきて、鳥肌が立っちゃって、泣きそうになっちゃいました(笑)。お客さんもからも、「いろいろなブースを見ながら、自分の好きな音楽を探すぞ!」みたいな気持ちが感じられて、すごくいいなと思いましたね。私は、ふだんライブや通販でCDを販売していますが、自分のCDを買ってくださっている姿を見るということがないので、私が売り子になって接客ができるのは、すごく新鮮に感じました。

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▲パネルのイラストも、hibikuさんが描いたもの。

──終始楽しそうにお客さんと触れ合っている姿が印象的でした。ちなみに、あちらに飾られているロボットは、マスコットキャラクターでしょうか?

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hibiku あれは、1stアルバムの『hibiku the Universe』をリリースするときに作った、ココロボットというマスコットです。『hibiku the Universe』という表題曲のミュージックビデオを作るにあたって、“忘れ去られてしまいそうな大事な何か”という象徴が欲しいと思ったんですね。そこで、“壊れかけて錆びついてしまっているけど、まだ心臓は動いている”というロボットを登場させたいなっていうつもりで私がラフを描いたら、スタッフさんがそのまま形にしてくださって。とてもかわいいので、これからどんどん、自分のマスコットキャラとして定着させていきたいなと思っていて、いまはTシャツなどいろいろなところで活躍してくれています。

──Tシャツもとてもかわいらしいですね。では、M3会場でリリースされた新曲『Plastic Shoes』についてうかがいたいと思いますが、この曲には、どんな想いを込めましたか?

hibiku この曲は、自分を奮い立たせるつもりで作りました。生きていく中で、いろいろ悔しい思いをすることがありますが、そういうときは塞ぎこんだままでいてもしょうがないし、ヤケクソでやってしまおうぜと奮起する気持ちが起こるように歌っています。かなり激しいロックナンバーで、本当にカッコいい曲に仕上がっているので、ぜひ聴いてみてください。

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▲『Plastic Shoes』のジャケット。本CDは、近日Amazonにて販売予定。

──『Plastic Shoes』には、表題曲の『Plastic Shoes』と、カップリングの『Milk&Honey』のハイレゾ音源も入っています。それにともない、hibikuさんが出展されたブースでは、ソニーの機材を使ってハイレゾ音源を視聴することができました。実際にハイレゾ音源を聴かれてみて、いかがでしたか?

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▲ソニーのスタッフがお客さんにハイレゾ音源を説明。

hibiku ハイレゾはすごいですね! かねてからハイレゾはいいという噂は聞いていたのですが、実際にものすごくいい機材をソニーさんに準備していただいて聴いてみたところ、まるで、その場で演奏しているものを聴いているような感覚になりました。歌声が耳元で聴こえてきますし、空間が広がっているような感覚があるんです。いままでは圧縮された音源を聴いていたんだなというのがわかったので、ハイレゾが再生できる機材が欲しくなっちゃいました(笑)。

──いまはハイレゾ再生機も安くなっていますし、こちらもぜひ体験してみてほしいですね。さて、hibikuさんは、声優とアーティストで活動名を変えていらっしゃいます。何か理由はあるのでしょうか?

hibiku 声優として活動するときと、音楽をやるときって、仕事のベクトルがやっぱり違うので、そういった意味で変えています。声優のお仕事は、みんなで作り上げていく作品に、自分もひとつのピースとして嵌まるというスタンスでやっているんですが、音楽の活動は、自分がこういうものを表現してみたいという気持ちが先に立たないと、動いていかないものなので。だから、自分の中で活動の切り替えができるように……というのが理由のひとつですね。

──では、もうひとつの理由とは?

hibiku 私の名前は“響”と書いて“ひびく”と読むんですが、“ひびき”って読まれちゃうことが多いので(苦笑)。だから、読みかたを認識してもらううえでもローマ字にしたらわかりやすいし、ちょっとアーティストっぽいかな……と思いまして(笑)。

──納得しました! そんなhibikuさんが、アーティスト活動でいちばん表現したい部分はどんなところにあるでしょう?

hibiku とにかく、自分の想いを偽らず、そのままの自分をお伝えすることかなと思います。自分がやりたくないと思ったことを、ムリして自分のアーティスト名でやらなくていいかなって。だから、自分が素直に思ったことや感じたこと、これをやってみたいって思ったことをスタッフと相談して、どういう風にしたらお客さんに楽しんでもらえるかということを考えています。

──ツイキャスで配信されているのも、そういった活動の一環でしょうか?

hibiku 私はインディーズで音楽活動をしているので、アーティストとしてのプロモーションは、自分でやるしかありません。だから、とにかく曲を聴いてもらえる機会を作りたいなと思って、ツイキャスを始めました。それで、家の一角を使って気軽にリラックスした雰囲気で、飲み物を飲みながらやってみるのもいいんじゃないかという話になりまして。皆さんに喜んでいただけているから、続けていってもいいのかなという思いで、いまも恐る恐るやっています(苦笑)。

──きっと、ファンの皆さんは素のhibikuさんを見られて、うれしいと思います。ちなみに、hibikuさんは声優・山村 響として、キャラクターソングを歌われることもありますが、キャラクターソングとご自身の歌で、歌い分けなどは意識されていますか?

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hibiku 歌い分けをとくに意識するのは、キャラクターソングのほうですね。キャラクターソングはキャラクターありきの歌なので、キャラクターが歌っているところを想像できるように表現したいと思っています。反対に、自分の歌を歌うときは、そのままの自分で歌えるように意識をして。だから、キャラクターソングのほうが、神経は使うかもしれません。ただ、個人の活動も、キャラクターソングも、どちらも楽しいです。キャラクターソングのときは、キャラクターを1枚“着て”歌うのが楽しいですし、キャラクターソングを作ってくださっている方とパズルを埋め合わせていく作業をするのがすごく楽しいんです。自分の歌のときは、自分が歌にしたいものだったりとか、こういうものを作ってみたいという気持ちが最初にあってできるものなので、キャラクターソングとはまた違った楽しさがありますね。自分の中では、それぞれベクトルが違う作業なので、どちらも楽しんでやらせていただいています。

──12月には、アーティストhibikuとしてのライブが控えていますね。

hibiku 12月27日の土曜日に、吉祥寺Planet Kというライブハウスでワンマンライブ“hibiku PLANETARIUM Winter Live 2014 ~Colorful~”をやらせていただきます。ライブのタイトルは、私の1stアルバム『hibiku the Universe』にちなんだものです。このアルバムは、私の曲が自分にとって大切な、輝く星のような存在だというコンセプトで作っていたので、その星々を皆さんに見ていただく機会ということで、プラネタリウムという名前にしました。だから、自分がいま出せるすべての力を出して、皆さんに楽しんでいただけるライブにしたいと思います。また、“~Colorful~”というサブタイトルは、声優としてもアーティストとしても幅広くいろいろな活動をして、カラフルな色を見せたいという私の目標から名づけました。今年はたくさんのキャラクターソングを歌わせていただきましたし、シングルも『風を感じて』と『Plastic Shoes』の2枚をリリースさせていただきました。『hibiku the Universe』には、自分がそのときに出せる精一杯の音楽を詰め込んでいます。ライブでは『hibiku the Universe』からもいっぱい楽曲を歌うので、ぜひ来ていただけたらうれしいです。

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▲2014年7月に発売されたシングル『風を感じて』(左)と、アルバム『hibiku the Universe』(右)。

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▲会場では、hibikuさんとCD購入者との握手会も行われた。
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▲M3会場には、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなどでも活躍する、なるけみちこさんの姿も。
▲『すもももももも 地上最強のヨメ』のオープニングテーマなどを手掛けたユニット、MOSAIC.WAVで、ボーカルを務めるみ~こさんも出展。