圧倒的リアリティーで描く人類の生存闘争

 スパイク・チュンソフトより2014年10月30日発売予定のアクションシューティングゲーム『メトロ リダックス』。核戦争によって荒廃した近未来のモスクワの地下世界を舞台にした異色のFPS(一人称シューティングゲーム)スタイルのゲームが、プレイステーション4とXbox Oneでパワーアップ! ここでは、プレイステーション4版をプレイしての手触り感や、何が“新しくなった”のか? また、ほかのFPSとの違いはどこにあるのか? といったところを中心にお届けしよう。

『メトロ リダックス』最先端の技術と映像で蘇る本作の最速プレイインプレッションをお届け_01
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 2013年に世界規模で起きた凄惨な核戦争。モスクワも放射能で汚染された廃墟となり、わずかに生き残った人類は地下世界……モスクワを縦横無尽にめぐる地下鉄のトンネルや駅で生活することを余儀なくされた。そして20年後、地上は突然変異によって誕生したミュータントが支配し、人類は恐怖に怯えながら生きていた……というのが基本のストーリー。

 主人公は地下で生まれ育った世代の青年、アルチョム。彼はあるきっかけを通じて街の外に初めて出ることになり、その数奇な過程をゲームで体験することになる。原作はロシアの作家、ディミトリー・グルホフスキーが発表したSF小説を、ウクライナの開発会社4A Gamesがゲーム化という出自を持ち、舞台だけではなく中身もロシアンテイストに満ちた作品なのである。地下鉄の駅や施設は、モスクワに実在する場所をモデルにしており、その地が瓦礫とミュータントが棲まう廃墟として描かれているのも衝撃的だ。

 本作『メトロ リダックス』は、プレイステーション3、Xbox 360、PCで発売された『メトロ 2033』、『メトロ ラストライト』の2作を、プレイステーション4とXbox Oneで再構築したもの。プレイステーション4、Xbox Oneのマシンスペックによって、闇と瓦礫の風景、人物とクリーチャーといったグラフィックが一新。現実と見紛うばかりの驚異の映像が秒間60フレームによって描かれている(注:本稿で掲載している動画はプレイステーション4版・30フレームで表現されています)。また、ゲームのインターフェースも改善されて、遊びやすくなっているのも大きなポイントだ。

■世界観:核戦争後の地下世界で生きる人々

地上を知らぬ世代の旅立ちと冒険を描く『メトロ 2033』

 かつてのソ連時代からモスクワに張り巡らされている地下鉄網。核戦争後の2033年には、駅が人々の居住地となっており、さながら小さな都市が形成されている。青年アルチョムが暮らす“エキジビション駅”もそのひとつ。ある日、この駅にもついにミュータントが急襲。この場に居合わせた戦闘員“ハンター”、養父と共闘してその場を凌ぐ。ハンターは決死の覚悟で単身トンネルの外に向かうが、ついに戻ってこなかった。最後にハンターから託された約束を守るため、兵となって闘うことを志願し、最果ての地下都市ポリスへ向かうことになる。

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 ゲームは、ストーリーにしたがって所定のポイントにたどり着くことで進行する。そのルートはいわゆる“一本道”ではあるが、過程をドラマチックに、そしてインタラクティブに体験していくことになり、狭苦しさはいっさい感じさせない作りになっている。物語は20章近く存在。各章はすんなりクリアーしておよそ10分ほどだが、その10分にさまざまなドラマがあり、怒涛の展開でプレイヤーをゲームの世界に引き込むのだ。

■トンネルの先で出会うものは?【『メトロ 2033』】

 バトル部は本格的なFPSスタイルを踏襲しているので、シューター系ゲームのファンも納得の戦いが味わえる。銃器系の武器はつねに3種類が使用でき、ピストル系、マシンガン系、ショットガン系……などの銃器を使い分けてミュータントや野党などの敵と戦っていく。旧世界の経済や政治体制が崩壊したこの舞台で、通貨となるのは軍用弾薬。弾としても使えるのだが、銃器に対応した弾や銃器のカスタマイズをするには、この軍用弾薬が必要になる。敵やシーンに応じて、多彩な銃器をいかに使いこなしていくかが探索のカギにもなる。両タイトルで操作体系を統一しており、戦いやすくなっている。 地下で起こるさまざまな戦い(敵はミュータントだけではない!)、アルチョムの周囲に起こる超常的な現象……探索を進めるうちに、単なる討伐と冒険に収まらない“希望”の物語を体感できるはずだ!

■戦闘とアクションについて【両タイトル共通】