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テレビアニメ『ログ・ホライズン』第2期ついにスタート! 石平監督、寺島拓篤さん、中村悠一さん、藤井ゆきよさんインタビュー【プレゼントあり】_07

 MMORPG(多人数同時参加型オンライン)の世界を舞台とする、橙乃ままれ氏の小説『ログ・ホライズン』(以下、『ログホラ』)。緻密な世界設定、個性豊かなキャラクター、先の読めない物語などが魅力で、いまでは小説だけでなく、コミックやTRPGなど、さまざまな形で展開されている。

 2013年10月にはテレビアニメ化され、2014年3月まで第1シリーズが放送された。そして、この10月より、テレビアニメ第2シリーズがスタート! 

 ここでは、テレビアニメ『ログホラ』の監督を務める石平信司さん、声優の寺島拓篤さん(シロエ役)、中村悠一さん(ウィリアム役)、藤井ゆきよさん(てとら役)のインタビューをお届け。第2シリーズの見どころについて語っていただいた。

※本記事は、週刊ファミ通2014年10月16・23日合併号(2014年10月2日発売)に掲載されたインタビューに、加筆・修正を行った完全版です。

テレビアニメ『ログ・ホライズン』第2期ついにスタート! 石平監督、寺島拓篤さん、中村悠一さん、藤井ゆきよさんインタビュー【プレゼントあり】_02
左から
監督 石平信司さん
シロエ役 寺島拓篤さん
ウィリアム役 中村悠一さん
てとら役 藤井ゆきよさん

■第2シリーズのキャラクターたち

――いよいよ『ログホラ』が第2シリーズに突入しますが、第1シリーズから登場しているシロエとウィリアムには、どのような変化があったのでしょうか。

石平信司さん(以下、石平) と言っても、マサちゅうも、ほぼ新キャラクターのようなものですけどね。

――マ、マサちゅう?

石平 ウィリアム=マサチューセッツのことを、現場では“マサちゅう”とか“マサ”とか呼んでいます(笑)。劇中ではみんな“ウィリアムさん”と呼んでますが。

中村悠一さん(以下、中村) 台本に、たまに“マサ”って書いてあるんです。マサって誰だ、そんな和風な名前の奴いたかな……あぁ俺だ、って(笑)。

寺島拓篤さん(以下、寺島) きっと本名に“マサ”がつくんでしょうね。マサオとかマサシとか。

藤井ゆきよさん(以下、藤井) ああ~、そうかも!

――第1シリーズのウィリアムは、円卓会議を途中で退席してからは、登場しませんでしたね。

中村 そうなんです、そこでアキバからはログアウトしたので(笑)。ただ、収録の際に、ウィリアムは後にシロエたちと行動することになる、とは聞いてはいました。

石平 じつは、円卓会議のシナリオが完成するころには、第2シリーズの話も固まってきていたんです。ですので、「第2シリーズで活躍するキャラクターなんです」とお伝えしていました。

――中村さんは、第2シリーズになって改めて、ウィリアムというキャラクターの役作りを行ったんでしょうか。

中村 そうですね。第2シリーズで、彼の深い部分が描かれるんだろうな、と想定してはいましたが、第1シリーズの中では、僕もスタッフさんも、このキャラクターを掘り下げられずにいました。そういえば、第1シリーズと第2シリーズのあいだに、『チェインクロニクル』(以下、『チェンクロ』)のコラボカードのボイス収録があったんですが……。

寺島 そうだ、『チェンクロ』でラピッドショットしてた。

中村 そのときは、「この演技でいいのかな?」とちょっと悩みました(笑)。

――『チェンクロ』のプレイヤーで、コラボをきっかけに『ログホラ』のアニメを見た人は、「ウィリアムっていうキャラクター、アニメに出てないじゃないか」と思ったそうです(笑)。

中村 そうなんですよ。「こんな奴、いた?」って言われたり(笑)。

石平 第2シリーズを見たときに、「こんな奴だったのか!」とわかって感動するんですよ、きっと!(笑)

――(笑)。では、第1シリーズと『チェンクロ』を経て、いま、まさにウィリアムへの理解を深めているところなのですね。

中村 少しずつ、キャラクターがわかってきているところですね。彼はリーダーなので、自分の気持ちを語ったりはしないんですけど、時おりモノローグが入るんです。それは本心なんだろうな、と思いながら演じています。第1シリーズのときはわからなかったのですが、シロエに一目置いていたり、人とのつながりについて思うところがあったり。「ひょっとしたらシロエは、自分に答えを提示してくれるんじゃないか?」と思っているようなんですよね。そういうところが見えてきて、僕としては、ウィリアムを演じるのがおもしろくなってきていますね。

テレビアニメ『ログ・ホライズン』第2期ついにスタート! 石平監督、寺島拓篤さん、中村悠一さん、藤井ゆきよさんインタビュー【プレゼントあり】_06

――第2シリーズで明らかになる、ウィリアムの新たな一面を見るのが楽しみです。では、シロエを演じている寺島さんは、第2シリーズのシロエをどのように捉えていますか?

寺島 第2シリーズのシロエには、第1シリーズでの成長が土台にありますね。ただ、第2シリーズの中でもどんどん成長していくので。人とのつながりかた、心情の置きかたが一秒一秒変化していっている感じがあります。第1シリーズで、“受け入れる強さ”を得たから、それができるんじゃないかと思います。

石平 ある重要な案件があるとして、誰にその件について話をして、誰には隠しておくか。そういう選択をする場面が増えていますね、シロエは。

寺島 成長したぶん、見えるものが多くなって、見えているがゆえに、それをどうするか、と考えることが増えている。より頭を使っているんだと思います。

石平 はたさん(『ログホラ』の音響監督を務める、はたしょう二氏)に言われたんだけど、第2シリーズになって、シロエが眼鏡をスチャっとする(眼鏡をいじる)回数が増えているらしいんですよ。僕は無意識だったんだけど。

寺島 考えるシーンが増えているってことなんでしょうね。ターニングポイントとなるところでスチャってると思うので。

石平 ボス戦でも、チャッチャチャッチャやってますよ(笑)。

寺島 眼鏡、調整してもらったほうがいいんじゃないですか(笑)。でも確かに、戦闘シーンは目まぐるしいですし、お話の展開が早くなっているので、そのぶん、スチャる回数が増えているように感じるのかもしれません。

石平 “やたらと眼鏡をクイクイするアニメ”だと思われちゃうかな(笑)。

寺島 『ログホラ』では“眼鏡のキャラクターには何かある”とみんな思っているので。眼鏡に注目するのも、ひとつの楽しみかたかもしれません。

藤井 寺島さんご自身は、スチャりますか?

寺島 もちろんスチャりますよ。下がってくるからね!(笑) どんな眼鏡だって、ちゃんと調整しなきゃ下がってきますから。

――シロエがスチャった回数を数えながら観ると、おもしろいかもしれませんね(笑)。

寺島 第1シリーズのときに、すでに気になって数えている人もいましたよ。きっと、数える人が増えると思います(笑)。

――(笑)。続いて、藤井さんが演じるてとらについてうかがいたいと思います。てとらは第2シリーズからの登場となりますが、どのようなキャラクターなのでしょうか?

藤井 てとらが初めて登場するシーンでは、きっと、胸やけを起こしてしまうと思うんです。でも、その胸やけもクセになってしまうようなキャラクターです。それから、ええっと……あ、ちょっと、事前に書いてきたメモを見てもいいですか?

寺島 あらかじめメモしてくるなんて、すごいね。

藤井 真面目なんです、私。

寺島 自分で言うの!?(笑)

――いま、藤井さんとてとらが重なった気がしました(笑)。そのメモにはどんなことを書かれたのですか?

藤井 読みます! “てとらは、胸やけを起こしてしまうキャラクターで、「この子だったら、しょうがないな」って思われてしまうオトクなキャラクターというか、ここまでなら本気では怒られない、という限度をわかってふざけているキャラクターです。何をやっても憎めないキャラクターにしたいな、と思って演じています”。

石平 なぜなら、てとらはアイドルだからです。自称銀河系アイドル。

――かわいいアイドルなら、何をしても許される! ということですね。

藤井 そういえば私、ウザいからオーディションに受かったらしいんです。誰よりも。

――えっ、ウザいから?

石平 そうなんですよ。藤井さんのオーディションは、なかなかのウザさ……ウザかわいさで。その後、ほかの方にもオーディションを受けていただいたんですけど、演技が終わるたびに「藤井さんよりウザい」、「藤井さんよりウザくない」と考えている自分がいて。いつのまにか、藤井さんが物差しになっていたので「ってことは、藤井さんじゃん!」と思い、抜擢しました。“自分はアイドルだから、こうしなきゃいけない”という勢いがいちばん感じられたのが、藤井さんだったんですよね。

――ちなみに監督からは、演技に関して、皆さんにリクエストされたことはありますか?

石平 いえ、皆さん、しっかりと演技を考えてから収録現場にいらっしゃるので、大きく変えることはないですね。キャラクターの表情と演技のニュアンスがちょっと違うぐらいであれば、表情のほうを直して対応します。それに、『ログホラ』は長ゼリフが多いので、そのセリフの途中だけ直すと、だんだん前後と合わなくなってきちゃうんですよ。

寺島 監督がそのようなスタンスなので、僕はできるだけ原作を読み込んで、芯からズレた演技をしないように気をつけていますね。シロエはセリフが多いので、修正が多いとたいへんですから。

石平 そういえば僕は、第1シリーズのオーディションの前は、シロエに対して、もっと冷たいイメージを持っていたんですよ。でも、オーディションで寺島さんに喋ってもらったら、思っていた以上に、“リアルでは大学院生である”というシロエの一面が出ていた。「あっ、これがシロエだ!」と思いました。

寺島 僕が思っていたのは、そういうシロエだったんです。パブリックイメージとは違う人なんだと。それを仲間になるキャラクターにはわかってもらわなければいけないので、そのような演技にしました。彼の等身大の部分を表現できるように心がけています。

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