誰が大賞でも納得のハイレベルなコンテスト!
2014年9月18日~21日に、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ 2014。最終日の2014年9月21日に開催されたステージイベント“コーエーテクモ コスプレコンテスト2014”をリポートしよう。
このステージは、タイトルからおわかりの通り、コーエーテクモグループの作品に登場するキャラクターをお題にしたコスプレコンテストだ。東京ゲームショウでは過去に何度も行われた恒例の企画ながら、2013年には実施されなかったため、2年ぶりの開催となる。
ステージには、審査員として、コーエーテクモグループ作品のプロデューサーを代表して、鯉沼久史氏が登場。またゲスト審査員として、『真・三國無双』シリーズの趙雲、諸葛亮などを演じる小野坂昌也さんと、『討鬼伝 極』で暦を演じる津田美波さん、さらにコスプレ専門紙「COSPLAY MODE」の副編集長・山本麻子氏を迎えて行われた。
なお今回のコンテストでは、東京ゲームショウ会場内に投票箱を設置。ステージ上の審査員が採点したポイントに加えて、会場内投票から最大10ポイント、さらにニコニコ生放送のコメント数からも最大10ポイントを加算して最終結果が決定された。
それではここから、予選を勝ち抜いて本戦に出場した、コスプレイヤーの皆さん14人を順番に紹介していこう。
【1】夏侯覇(『真・三國無双7』)
(コスネーム:“ジャム”さん)
凛としたたたずまいに、津田さんも「かっこいい!」と声を上げた夏侯覇のコスプレ。特徴的な武器は発泡スチロールを使って自作したそうで、「軽さと安さを追求しました」(ジャムさん)とのこと。
【2】織田信長(『戦国無双4』)
(コスネーム:“Nori”さん)
「信長をやりたくてコスプレを始めました」(Noriさん)というだけあって、ビタっとハマった感のある姿で、鯉沼氏も「お顔も似ていらっしゃいますね!」と納得の様子。こだわりポイントはかつらで、3つのパーツを組み合わせて、原作通りのフォルムを繊細に再現しているのだそうだ。
【3】春日望美(『遙かなる時空の中で3』)
(コスネーム:“ちょーこ・しるばーぺこ”さん)
シリーズ中でも人気の高い、春日望美の姿を忠実に再現。衣装のできばえもさることながら、「同じ女子としてうらやましい色気ですね」(津田さん)との声も上がったように、女性らしい美しさで会場を感嘆させていた。
【4】大谷吉継(『戦国無双4』)
(コスネーム:“さきこ”さん)
人気の高いキャラクターながら、衣装の造形は再現が難しいとのことで、鯉沼氏も「大谷吉継のコスプレを見たのは初めてです。実際に見られるとは思っていなかったので、ありがとうございます(笑)」とコメント。本人いわく、とくにこだわったのは、髪で隠れてしまう部分まできっちり再現したマントだとか。
【5】あやね(『デッド オア アライブ5』)
(コスネーム:“初音雪華”さん)
山本氏が「シンプルですが、キャラクターを演じきっていてかっこいいですね」と賞賛した、あやねのコスプレ。じつは“初音雪華”さんは、当日会場で行われた『デッド オア アライブ5』のエキシビションマッチで予選を勝ち抜いた実力の持ち主なのだとか! ゲームに対する抜きんでた愛情を持っていることがうかがえる。
【6】関銀屏(『真・三國無双7』)
(コスネーム:“のすちゃん”さん)
優雅なスピンを披露しながらステージに登場。小野坂さんが鋭く「バレエをやってる? 動きがキレイすぎるよ!」と指摘した通り、“のすちゃん”さんは、バレエ歴20年にもなるのだとか。コスプレは今回が初めてで、どうしても関銀屏をやりたくて挑戦したとのこと。ちなみにキレイな長い髪はかつらではなく地毛だそうだ。
【7】キースグリフ・ヘーゼルダイン(『アーシャのアトリエ』)
(コスネーム:“棗”さん)
審査員一同、「シブイ!」と声を揃えた、キースグリフのコスプレ。しかし決して奇をてらったわけではなく、本人のキャラクターへの愛情は相当なもののよう。持参した手製の資料を審査員に提示して、ゲーム画面と公式設定資料との差異を力説しつつ、こだわったポイントをアピールしていた。
【8】稲姫(『戦国無双4』)
(コスネーム:“さゆき”さん)
鯉沼氏が「衣装もさることながら、“目力”がいいですね」と評した通り、凛とした稲姫の魅力が見事に再現されたコスプレ。稲姫のトレードマークである弓は、ライオンボードとウレタンで制作し、衣装の柄は手書きで、3日ほどかけて忠実に描き切ったのだそうだ。
【9】呂布(『真・三國無双7』)
(コスネーム:“皇まなぶ”さん)
コーエーテクモのコスプレコンテストでは常連で、作品ごとに意匠が変わる呂布のコスチュームを、毎回忠実に再現して登場してくれているという“皇まなぶ”さん。小野坂さんからの「なぜ呂布を続けるの?」との問いに対する、「呂布だから」との答えは、なんだか深い感じだ。ちなみに、いままで制作した歴代呂布の衣装を保管するために、ついに貸倉庫を借りたのだとか。
【10】新島八重(『討鬼伝』)
(コスネーム:“城戸春人”さん)
ゲーム中ではメインキャラクターとしてではなく、ミタマとして登場する新島八重。審査員一同からの「イメージを掴むのが難しかったのでは?」という問いには、「この衣装のときは山本姓のはずだから、山本家の家紋を」(城戸春人さん)など、史実に基づいた考証も交えて再現していったのだとか。そのがんばりの背景には、福島を応援したいという思いもあったとのこと。
【11】長宗我部元親(『戦国無双4』)
(コスネーム: ”龍霞”さん)
いかにも長宗我部元親らしい奔放な雰囲気で、鯉沼氏も「ロックな感じで、非常にかっこいいですね!」と賞賛。トレードマークの三味線は、スタイロフォームを材料に自作したものだそうだ。
【12】マリー・ローズ(『デッド オア アライブ5 アルティメット』)
(コスネーム:“あくびん”さん)
津田さんが「うわぁ、どうしよう!(汗)」と思わず赤面した、ちょっと過激なマリー・ローズ。山本氏は、「全体的なバランスがキレイに作られていて、うまくゲームの中から出てきたような感じにできていますね」と評価していた。
【13】陳宮(『真・三國無双7 猛将伝』)
(コスネーム:“全幻”さん)
手の動きや歩みなど、ゆったりとした所作でキャラクターを表現する様子に、審査員も感嘆。とくに小野坂さんは、同じく知将タイプの諸葛亮を演じた経験から、こうしたイメージの再現が難しいことを痛感しているそうで、高く評価した様子だった。“全幻”さん本人も当然そこは力を入れているところだそうだが、そのほかでこだわりポイントを挙げるなら、きっちり形を再現したつけひげだとのこと。
【14】呂蒙(『真・三國無双7』)
(コスネーム:“ひかる”さん)
「肉喰いそう!」(小野坂さん)、「ワイルドですね! その槍で貫かれたらキューンですね!!」(津田さん)、とワイルド感が大好評だった呂蒙。肩当ては、紙粘土で1ヵ月ほどかけて作ったものだそうで、山本氏も「立体感がうまく出ていて、汚しかたなどの表現もすばらしいですね」と賞賛していた。
空前の激戦、各賞の結果はいかに!?
14人のアピールタイムの後、集計を経て、いよいよ審査結果の発表に。“プロデューサー賞”、“スペシャル審査員賞”、“大賞”の三賞が決定した。
【プロデューサー賞】
マリー・ローズ(“あくびん”さん)
【スペシャル審査員賞】
織田信長(“Nori”さん)
【大賞】
陳宮(“全幻”さん)
最後に、審査員たちがそれぞれに今日の総評と感想を語って、イベントは終了となった。皆さんのコメントを以下に紹介しよう。
◆小野坂さん
「今年は例年よりも出場人数が多くてどうなることかと思ったけど、すごく純度が上がっていて。こうなると、自分のコスプレで出てくるのが怖くなるけど、でもつぎはがんばって作って、僕もコスプレで出てこようと思います!」
◆津田さん
「キャラクター全員に、全員の愛が込められていてすばらしかったです。私も、キャラクターに愛を込めるという点では、負けていられないな、という気持ちになりました。つぎはぜひ、暦ちゃんのコスプレで参加させてください!」
◆山本氏
「今日はとても楽しませてもらいました。コスプレは、衣装を作るのも、パフォーマンスでアピールするのも楽しく、遊びかたはさまざまなんです。興味を持った方は、ぜひいまからでも始めてみてほしいですね」
◆鯉沼氏
「本当に皆さんクオリティーが高くて驚きました。ゲームを購入して遊んでくださるだけでもうれしいのに、これだけ愛してくれて、リアルに再現してくれるなんて。クリエイターとして、“ゲームを愛してくれてありがとう”、その言葉しかないです」