ダンテ・カーヴァーさんの『ファントムペイン』出演も決定!?

 2014年9月18日~21日、千葉・幕張メッセで開催されている“東京ゲームショウ 2014”(以下、“TGS 2014”)。一般公開日の9月20日、KONAMIブースで“KOJIMA PRODUCTIONS Special Stage -Voyager 小島プロダクションのモノ創りの秘密に迫る-”と題されたステージイベントが開催され、小島秀夫監督らが登壇した。

“門外不出”の資料も解禁! 小島プロダクションの“世界に勝てる”モノ創りに迫る【TGS 2014】_21

 本ステージでは、『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』(以下、『ファントムペイン』)にも採用されている、小島プロダクションが開発した“FOX ENGINE”の性能や、小島監督独自の“モノ創り論”が明らかに。“門外不出”の貴重な資料も公開されたステージの模様をお届けしよう。

 小島監督によると、ゲームは“技術”、“ゲームデザイン”、“物語・世界観”の3つが揃って初めて世界に通用するコンテンツになるという。ゲームデザインに関して、“27”というキーワードが提示。これは何の数字かというと、シリーズが目指す“臨場感ある自由な潜入ゲーム”の構想の歴史。小島監督は、『メタルギア ソリッド V ファントムペイン』でようやく実現しつつある“自由な潜入ゲーム”を、27年前から考えていたという。

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▲小島秀夫監督。

 すべての始まりである『メタルギア』は1987年にMSX2用ソフトとして発売されたが、MSX2では小島監督の頭の中の構想をハードに落とし込むことができなかった。そこで小島監督は、スクロールすらできなかった当時、1画面の中で完結するパズルアクションとして『メタルギア』を生み出したという。やりたいことを可能な限り実現するために、ハードの性能からひるがえってルール化を行ったのだ。もちろんハードの性能が上がれば“できること”の幅も広がっていく。

 つぎに、『メタルギア』がどのようなゲームデザインの変遷(進化ともいえる)をたどってきたかがスライドで示された。

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▲作品ごとに、小島監督の理想とする“自由な潜入ゲーム”に近づいていることがわかる年表。『ファントムペイン』では「経路や輸送手段も自分で決められるようになった。ハードは当然ながら、ソフトが進化することで、ようやくできるようになったかなぁ、と」(小島監督)。

 『メタルギア』シリーズの単行本の編集を担当したKADOKAWAの矢野健二氏は、小島監督がなぜ本シリーズのような作品を作れたかという理由について、「昔、あらゆるエンターテインメントは何をするべきかという話のなかで、それは受け手の気持ちをうまくコントロールすることだと伺った」と回想。さらにゲームデザイナーは、物語、音楽、演出、すべてを行って初めてゲームデザイナーになれるという。その上で、「小島監督は、使えるものを全部使ってユーザーの気持ちをコントロールし、どう盛り上げるかを目標にしている人。それに加えて本人がおもしろすぎるので、ゲームがおもしろくないわけがない!」と語った。

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▲右が矢野健二氏。