いよいよ本日(9月19日)配信開始です!

『D4: Dark Dreams Don't Die』の3つのコンセプトは“感覚再現”、“感情移入”、そして“100%エンディング到達”【TGS 2014】_16
▲SWERY氏。抱えているのはパートナーのシャラポア。この夏からパートナーになったとのこと。な、謎過ぎる。

 2014年9月18日~21日、千葉県・幕張メッセにて東京ゲームショウ 2014が開催。開催初日の18日に日本マイクロソフトによる『D4: Dark Dreams Don't Die』のプレゼンテーションが行われた。既報の通り、配信日が9月19日であることがアナウンスされた『D4: Dark Dreams Don't Die』(⇒関連記事はこちら)。プレゼンが行われたのは、奇しくも配信日前日で、同作のディレクターを務めるアクセスゲームズのSWERY氏(末弘秀孝氏)は、「いよいよ配信が明日に決まりました! 東京ゲームショウでお披露目して“明日遊べます”と言いたくて、いままで秘密にしてきました」と、配信日の発表が配信前日というサプライズになった経緯を語った。まずは、発売日決定に合わせて公開されたローンチトレーラーからお届けしよう。


 東京ゲームショウでは、昨年についでのプレゼンとなる『D4: Dark Dreams Don't Die』(⇒記事はこちら)。今年のプレゼンで披露されたのは、昨年の飛行機の中でのシーンからさらに進んだ飛行機の地下にある格納庫の場面。進むべき道に電源が届いておらず、パズル的な要素を解きながらがゲームを進めていくというシチュエーションだ。パズルを解く際に頼りになるのが“ビジョン”。Kinect対応の本作では、両手の先をこめかみの部分にあてがうと“ビジョン”モードに移行し、ヒントが表示される。そのヒントを頼りにゲームを進めていけばいいのだ。“パズル的な要素”には、電源を通わせたりといったミニゲーム的な要素もあり、プレイヤーを飽きさせない。

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 アクションシーンは、ご存じのQTE。Kinectならではの没入感が味わえる。『D4: Dark Dreams Don't Die』がユニークなのは、失敗してもおもしろい演出が見られて先に進めること。QTEで失敗するとシンクロ率が下がり、リザルトの評価点も下がる。結果として手に入れられるボーナスが少なくなるが、けっしてゲームオーバーになるということはない。その理由をSWERY氏に聞いたところ、「このゲームでは、ストーリーやドラマの演出を楽しんで欲しかったからです」とのこと。本作を開発にするにあたっては、“感覚再現”、“感情移入”と、そして“100%エンディング到達”の3つをコンセプトして掲げていたとのことで、誰が遊んでもエンディングまで行けるゲームを作りたいというのが、最初からの目標だったというのだ。遊んだ人が100%エンディングまで行けるというのは、ある意味相当難易度が高いことのようにも思われるが、「おもしろいものを提供することで、エンディングまで遊んでもらえる」ということに対して、本作では相当な手応えを感じているようだ。

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 で、何はともあれ本作でもっとも強調されているのが“感覚再現”。基本、“感覚再現”はゲーム中でキャラクターが取る行為と実際にプレイヤーが取るアクションをできるだけ一致させることでもたらされるが、Kinect対応のゲームデザインでありがちなミスが、ゲーム中でキャラクターがドアを開けるからといって、プレイヤーにも同じアクションをさせようとするというゲームデザイン。「プレイヤーは、ドアを開けるくらいでこんなに大きな動きをしたくないんです」(SWERY氏)だからだ。ただし、ドアを開けたいという気持ちはある。要はその気持をゲームの中でシンボル化して、開けた感じにさせればいいというわけだ。「何かの行動を起こした気持ちを再現することで、ゲームに没頭できるようなデザインを心掛けました」とSWERY氏。

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 そういう意味では、キャラクターとプレイヤーが同じアクションを取る必要は必ずしもなくて、ポイントポイントでゲームをプレイヤーが同じ動きをさせるようにしたほうが効果的だとSWERY氏は言う。たとえば、QTEで障害物を避けて走るというシーンでは、もともとは全シーンを決められたポーズで避けるようにしていたという。それが最終的には走るときに思いっきり手を振るというアクションに特化。それ以外のシーンはあえて簡略化することで、プレイヤーは映像演出もしっかりと見られるし、走りに注力できるので、“感覚再現”がより促されるというのだ。

 と、SWERY氏の話を聞いていると、相当Kinectでのゲームデザインに注力してきたであろうことがうかがえる。SWERY氏は以前本作のことを「Kinectで遊ぶとより楽しい」と発言していたが、まさにそれがゆえであろう。一方で、『D4: Dark Dreams Don't Die』は“Kinectだけ”というわけではない。「本作は、コントローラーでも遊べるようになっていて、コントローラーならではの感覚再現にこだわっているんです。ですから、ふたつのゲームを調整して作るような労力が必要でした」とSWERY氏。“感覚再現”というキーワードは、必ずしもKinectだけのものではないのだ。Kinectであるか、コントローラーであるかを問わず、プレイヤーのやりたいことを記号化して、ゲームで再現したかったというのが“感覚再現”のコンセプトであるという。

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 もうひとつ、『D4: Dark Dreams Don't Die』で注目してほしいのが“観察”というシステム。こちらは、ゲーム中に手をかざすとビックリマークが表示されて、その場所(もしくは人)の情報が読み取れるというもの。“観察”システムで意図したのは、プレイヤーとゲーム中のキャラクターとの接続。“観察”システムはキャラクターが頭の中で考えているひとりごとのようなもの。たとえば、冷蔵庫を観察したときに、ただ単に“これは冷蔵庫”ではなく、“ビールがあるかな?”とすれば、「このキャラクターはビールが好きなんだな……」ということがわかる。そういった形で、キャラクターの脳内の気持ちを文字にすることで、プレイヤーに対してキャラクターとの接続を生むためのシステムだというのだ。同時に情報も与えられ……と、「僕はちょっとした発明だと思っています」とSWERY氏は笑う。

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 さて、冒頭で述べた通り、本日(9月19日)配信となる『D4: Dark Dreams Don't Die』。昨年の東京ゲームショウのプレゼンではテレビドラマのようなエピソードごとの配信を予定していると語っていたが、そのことを確認してみると、今回配信されるのは、プロローグとエピソード1、エピソード2がセットになった“シーズン1”。もちろん“シーズン1”と銘打たれているからには、これで完結というわけではなくて、まだまだ『D4: Dark Dreams Don't Die』は続くようだ。

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▲トレーラーにも登場する、謎の少女はプロローグに登場する。物語に深く関わってくるようであるが……。

 最後にSWERY氏は、「今回、Kinectを使って、最初から最後まで遊べるゲームを開発してみました。すごくチャレンジャブルでたいへんだったのですが、価値のある作品ができたと思っています。ぜひダウンロードして、その真価を皆さんの目でたしかめてください」とコメント。Xbox Oneがもたらす新しいミステリーアドベンチャーの世界に飛び込んでみてはいかが?

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