こまる役決定で、内田彩さんが犬のように大喜び!?

  去る2014年8月9日、宮城県仙台市にて開催された、スパイク・チュンソフトの人気作『ダンガンロンパ』シリーズのイベント“希望ヶ峰学園修学旅行~仙台篇~”。サプライズだらけの内容で、大盛り上がりとなった。じつは、そのイベントが終わったばかりのタイミングで、イベントにも出演されていた、『絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode』(以下、『絶対絶望少女』)の主人公・苗木こまるを演じる内田彩さんと、『ダンガンロンパ』シリーズのアソシエイトプロデューサーを務める、齊藤祐一郎氏にインタビューをさせていただいた。2014年9月25日に発売を迎える、『絶対絶望少女』で内田彩さんはどのように、こまるを演じているのか。『ダンガンロンパ』シリーズの大ファンだという内田彩さんの役が決まった瞬間も含め、おふたりにいろいろとお話をうかがった。
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■プロフィール

『絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode』は苗木こまるの成長記? 苗木こまる役内田彩さんと、齊藤祐一郎AP独占インタビュー!_01

■左
『ダンガンロンパ』シリーズ アソシエイトプロデューサー
齊藤祐一郎氏(文中は齊藤)

■右
苗木こまる役
内田彩さん(文中は内田)

仙台イベントの感想からこまる役の秘話まで直撃!

――まず最初に、今回のイベントの感想をお聞かせください。
齊藤 僕は仙台出身ですので、こういうイベントが地元で開催できたことが感慨深かったです。あと、地元の皆さんに来ていただけて、イベントを楽しんでいただけたことがうれしかったですね。『ダンガンロンパ』は、全国にいらっしゃるファンの方々に育てていただいたタイトルですので、そのお返しの一歩を地方から始めることができてよかったなあと思っています。
内田 私自身は、『ダンガンロンパ』という作品のイベントに表立って参加させていただいたのは初めてだったのですが、お客さんの皆さんの楽しそうな空気や、役者の皆さんの作品を愛していらっしゃる空気が伝わってきたので、こんなに笑ってもいいのかなと思うくらい、舞台上でケラケラとしてしまい、記念すべき初参加のイベントが、このような楽しい形になって幸せだと感じています。

『絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode』は苗木こまるの成長記? 苗木こまる役内田彩さんと、齊藤祐一郎AP独占インタビュー!_02

――内田さんは、こまる役に決まる前から『ダンガンロンパ』がお好きだとうかがいましたが、どの作品からのファンだったのでしょうか?
内田 以前、うちの事務所に緒方恵美さん(苗木誠役や狛枝凪斗役の声優)が所属していらっしゃって、先輩であり、直属の上司のような感じだったので、私が養成所に入ったときから、よくしていただいていたんですね。そんなときに、『ダンガンロンパ』の1作目が発売されて、緒方さんからも「おもしろいんだよー」と聞いて、1作目からプレイしていたんです。
齊藤 出演してくださっている方がファンだなんて、何よりもありがたいお話ですね。
内田 当時、うちの事務所にいた人から、「緒方さんが主役で出演されているなら、ほかの子も出してもらえるチャンスがあるんじゃないか」という話が出たことがあって。でも、当時のマネージャーさんから、「ほかの出演者の人が豪華すぎるから、まだムリだねー。出演できるようにがんばれよ!」なんて言われたのです。そういうこともあって、『ダンガンロンパ』に出られることは、本当にうれしかったんです。

――おお、それはいいお話! 続いて、齊藤さんにおうかがいしますが、そんな内田さんのキャスティングの決め手は?
齊藤 『ダンガンロンパ』もシリーズ3作目で、1作目が緒方恵美さん、2作目は高山みなみさんと、僕らなりにユーザーさんへ驚きを出そうという考えを含めたキャスティングをしていたんです。それで、3作目も驚きを出したいという想いもあったんですが、シナリオの小高(小高和剛氏)たちと話していく中で、今回の『絶対絶望少女』に関しては、意外な人を選ぶという驚きよりも、苗木こまるという等身大の女の子を演じてもらえる人を優先的に選ぼうという話になって。そこで、内田さんだったら、僕らの考えるこまるを演じてもらえるんじゃないかと思い、お願いさせていただきました。

――念願の『ダンガンロンパ』シリーズに出演が決まったとき、内田さんはいかがでしたか?
内田 もう意味がわからなくて(笑)。現場に行く途中の交差点で、いまの担当マネージャーさんから「『ダンガンロンパ』に出られることになりました」と教えてもらったんですが、「えーーー! やったーーー!」とうれしさのあまりわけがわからないくらい喜んじゃったんです(笑)。しかも、苗木くんの妹って聞いて、「え! 妹? (『1』に)出てたよ! あの子?」みたいに興奮して。当時は、まだどういうお話なのかもわからなかったので、「妹、いなくなっちゃってたけど、どうなったのかな。すぐ死んじゃう役かな」とか、冗談交じりに話して、ひとりで勝手にいろいろ想像していたんです。それからちょっとして、会社に台本が届いたんですけど、すっごい薄くて。それを見た瞬間に、「すぐに死んじゃうんだ……!」って思って(苦笑)。
一同 (笑)。
内田 でも、じつは入っていたのはキャラクターの資料だけで、それは台本じゃなかったんですね。それで、その資料を見たら、“プレイヤーキャラクター”って書いてあって。「え……?」って、またビックリして。人間、あまりに驚くとわけがわからなくなるんだなってことを何度も味わわせてもらいました(笑)。
内田さんのマネージャー 最初に交差点で、「『ダンガンロンパ』決まりましたよ」って伝えたときに、「やったー!」って、そのまま走っていっちゃったんです(笑)。
内田 そうそう、あとで「犬みたい」って言われて(苦笑)。でも、外だったので、作品名は言ってないですよ!
齊藤 そういう話!?(笑)

――(笑)。齊藤さんにお聞きしたいのですが、内田さんが演じたこまるの印象をお教えください。
(ここで、突然、プロデューサーの寺澤善徳さんが乱入)
寺澤 齊藤は、もうポロリした?
齊藤 してないですよ!(笑)

『絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode』は苗木こまるの成長記? 苗木こまる役内田彩さんと、齊藤祐一郎AP独占インタビュー!_03

――(笑)。では、寺澤さんも交えて、改めて、内田さんが演じたこまるの印象をお教えください。
齊藤 苗木こまるというのは、苗木誠の妹ということで、ユーザーさんの中には特殊な能力を持っているんじゃないかと想像される方が多いんですが、こまる自体はふつうの少女なんですね。しかも、監禁生活のあいだに、何事も諦めがちになっていて、今回の舞台に放り出されたときにも、すぐにネガティブなセリフを言ってしまうんです。でも、パートナーとなる腐川冬子といっしょに進んでいくことで、こまるの中に徐々に変化が芽生えていくんですが……。そういう小高の書いたシナリオを、内田さんが演技でしっかり表現してくださって。「最初のころはあんな諦めがちだったのに、ここまで来たら……」という、こまるの成長が感じられるので、ぜひ注目していただきたいですね。本当に等身大の少女に感情移入できるんじゃないかなと。

――寺澤さんはいかがですか?
寺澤 最初の収録に立ち会わせていただいたんですが、すごく素直に聞けました。いままでは、キャラクターも濃いし、声優さんもベテラン陣の濃い方々が多かったので、それと比べると、いい意味で色がついていないと言いますか。これは、いいキャラクターになるし、スタッフが表現したいと考えているキャラクターに仕上げていただけるだろうなと思いました。

――内田さんは、こまるを演じてみていかがでしたか?
内田 前作を知っていたので、プレッシャーというか、不安がありましたね。最初は、苗木誠くんの妹ということを、私が気にしすぎてしまって。私の中で、緒方さんが演じる苗木誠くんのイメージが強くあったので、遊んでくださっているファンの皆さんが苗木誠くんの妹だと感じてもらえるような役作りをしたほうがいいのかなとか、すでに世界観ができあがっている『ダンガンロンパ』という作品に、どういう形で入っていけばいいのかと、ひとりで悩んでしまったんです。でも台本を読むと、こまるは、超高校級の才能を持っていないふつうの子なんだってわかって、そこですごく安心したんです。『ダンガンロンパ』のこれまでのキャラクターだったら、なんでもない人でも、じつはすごい才能を持っていたりしますが、こまるは本当にふつうの妹で。『絶対絶望少女』というタイトルが示す通り、何かすごい才能を持っていたら、“絶対絶望”というほど追い詰められないですし(笑)。だから、そういうふつうの子だったら、この緊張した気持ちとかを素直に出していったほうがいいんだろうなと考えられたときに、すごく救われた想いがありました。

『絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode』は苗木こまるの成長記? 苗木こまる役内田彩さんと、齊藤祐一郎AP独占インタビュー!_04

――では、こまるに内田さんの心情がそのまま入っている部分もありますか?
内田 けっこう入っていると思います。「どうしよう、ああ~~~」って(笑)。
寺澤 そういうシチュエーション、多いもんね(笑)。
齊藤 収録のときも、僕らとしてはオーケーテイクだったものであっても、内田さんの中でイメージしているこまると違って、自主的にリテイクをされて、積極的に録り直しをされていましたね。
内田 ごめんなさい! ちょっと時間かけちゃった……(笑)。
齊藤 いやいや、大丈夫ですよ! そのぶん、本当に等身大のキャラクターができあがりましたから。
寺澤 こまるから、すごく不安感が出てるよね。
内田 ……演技ですよ?(笑)
一同 (笑)。
寺澤 そんなこまるの不安な演技が見どころです!(笑)

――こまるのセリフで印象深いものはありますか? ネタバレなしでお願いします!
齊藤 等身大のキャラクターなので、見たまんまの感想を言うことが多いんですよね。それ以外のものになると……ネタバレになっちゃう(苦笑)。
寺澤 僕は、「もうやだよー」というセリフがグッと来ましたね。
齊藤 ああ、それはそういう性的な趣味で?(笑)

――ああ、寺澤さん、そういうご趣味ですか……(笑)。
寺澤 そういう話じゃないから!(笑)
齊藤 軌道修正すると、こまるはそういう否定をするセリフが多いんですよね。
内田 そうですね。「でも」といった、ちょっと不安な言葉が多いんですが、ストーリーが進むにつれて、だんだん変わっていきます。私が好きなのは、最初は「腐川さん」って呼んでいたのが、だんだん「冬子ちゃん」に変わっていくところですね。こまるの呼びかたが変わると、そのキャラクターの見えかたも変わって来る気がして。
寺澤 そうですね。徐々に変わっていく、ふたりの関係性が見どころです。

――では最後に、本作を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。
寺澤 僕の仕事は、スタッフが作りたいと思っているものを、いかにそのまま実現できるかだと思っていて。今回も、好きなようにやってもらえたと思っています。その結果を楽しみにしてください!
内田 今回は、新しい操作性のゲームになっているので、いままでのファンの方々も、これまでとは違う新しい楽しみかたができると思います。個人的には、モノクマを直接攻撃できるのは、本当に楽しいと思うんです! 私は、モノクマはかわいいと思うんですけど、ゲームをやっていると、ムカつくな―とか、うるさいなーとか、かわいいなーとかいろいろな感情が出ると思うんですね。その感情を自分自身でぶつけられるのがすごく楽しみです。今回の『絶対絶望少女』には、これまでの『ダンガンロンパ』にあった楽しさと、そこにさらにプラスした楽しいことがたくさん詰まっていると思うので、多くの方に楽しんでもらいたいです!
齊藤 『ダンガンロンパ』の『1』も『2』もそうでしたが、つねに新しいことにチャレンジをしてきて。最初はアドベンチャーに対するチャレンジで、“ハイスピード推理アクション”というジャンルを作ったわけですが、今回はそもそもジャンルをガラッと変えて“コトダマアクション”という形で僕らもチャレンジをしているつもりです。ユーザーの方の中には、“俺らが待っていた『ダンガンロンパ』と違う”ととらえる人もいると思うんですが、そこはユーザーさんも“これまでと異なる『ダンガンロンパ』の物語”にチャレンジしてもらえるとうれしいです!

『絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode』は苗木こまるの成長記? 苗木こまる役内田彩さんと、齊藤祐一郎AP独占インタビュー!_05

絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode
メーカー スパイク・チュンソフト
対応機種 PSVPlayStation Vita
発売日 2014年9月25日
価格 6500円 [税抜]/7020円 [税込(8%)]