『ウルIV』の“真の猛者”を決める全国大会、東京から始動!

 2014年8月23日、東京秋葉原のアキバクロスフィールド アキバ・スクエアにて“『ウルトラストリートファイターIV』 2014 賞金制全国大会 一秋千撃杯”の東京予選が開催された。その模様をリポートする。

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 家庭用が発売されて、ますます対戦の熱が高まる『ウルトラストリートファイターIV』。2014年4月から稼働が始まっているアーケード版の本作を用いた賞金制の全国大会が、“一秋千撃杯”だ。この日行われた東京予選で、頂点を決める戦いがついに始まった。3人1組のチームによる“3on3”(一般的なものと異なり、1戦ごとに両チームのメンバーが代わる形式)と、個人戦の“シングル”というふたつの部門で競われるこの大会。いずれの部門も事前エントリーを経て選出されたプレイヤーたちが会場に集まり、10月に開催予定の決勝大会を目指して対戦をくり広げた。

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▲タイトー西村氏、カプコン杉山氏、綾野氏のスピーチから東京予選が開幕。トーナメント表はこの場で初めて発表されて、組み合わせに一喜一憂するチームの姿も。
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大会前のウメハラ選手。カプコンの小野氏も大会の観戦に訪れていた。

3on3は“ウルIV女子部”からプロチームまで!

 予選は、まず3on3から開始。この部門では全32チームによって競われた。A~Dのブロックに分かれてトーナメント戦を行い、各ブロックの頂点に立ったチーム決勝進出となる。会場でもっとも目を引いたのは、ウメハラ、マゴ、ときどの3人からなる“MADCATZ”。格ゲー界ではおなじみ、ゲーム周辺機器メーカー、マッドキャッツの支援を受けたプロゲーマーによる強豪チームだ。ほかにも、BP(バトルポイント。本作でプレイヤーの強さを表す指標)が全国上位の強豪プレイヤーや、過去の対戦格闘ゲーム大会でも常連のプレイヤーも多数出場。激しい戦いが予想された。
 また、『ウルIV』をゲームセンターで盛り上げる活動を行っている“ウルIV女子部”も2チームに分かれて参加。チームは女性プロゲーマーのチョコさんや、グラビアアイドルの倉持由香さんもメンバーだ。1回戦でこのうちの1チームが“MADCATZ”チームとあたり、なんとプロゲーマーのウメハラに勝つという衝撃の一幕も!(この日の“ウルIV女子部”の活躍リポートは、後日特設ページにて掲載)

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▲8セットの筐体で大会が進行。注目の試合ではアール氏の実況、カプコン綾野氏と杉山氏の解説とともにストリーム配信されていた。
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▲あのウメハラを倒したのは、ウルIV女子部Aチーム期待のプレイヤー、まりぼーさん。チームは初戦敗退したものの、お祭り騒ぎに。
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▲各ブロックの決勝はステージで行われた。『ストIV』時代から活躍しているベテランから、『ウルIV』のバトルポイントランキングひと桁代となって名が知られるようになった新鋭までが集まる戦いはこれまでにないもの。世代の広がりを実感した。
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【決勝大会進出】MADCATZ(ときど、マゴ、ウメハラ)
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【決勝大会進出】KARUの昆虫採集物語 (にのまえ、KARU、北千住DJ)
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決勝大会進出】ダブルドラゴン (きょく、キャベツ、шおじさんш)
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【決勝大会進出】ちま(猫舌、板橋ザンギエフ、えいた)

シングルでは予選とは思えないハイレベルな戦いに

 続いてはシングルの部門。こちらは128人が参加した。A~Hからなる8ブロックに分かれたトーナメント戦を競い、勝ち残った8人が決勝大会進出となる。レベルの高い東京地区の予選とあって、こちらも過去の大会でおなじみの強豪プレイヤーが多く出場。また、3on3とダブルエントリーして、ふたつの部門で決勝大会進出を狙う人も。あたかも全国大会のような強豪どうしの対戦が、会場のあちらこちらで同時に展開されており、ギャラリーも、ハイレベルな試合を追いかけるのに大忙しという贅沢な(?)悩みも起きるほど。

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▲128人から8人を選ぶという狭き門のシングル予選。通過を目指す過程でふるい落とされるプレイヤーの中には、大規模大会の常連も。なお、この日大会で使われたタイトーの筐体“ビュウリックス”では、次ロットから採用される新型モニターを特別に使用。遅延が限りなく低くなり、発色も優れたものという。
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▲シングルの部門のブロック決勝戦。3on3と違って、頼れるのは自分自身の実力のみ。最後の勝負に懸ける思いが表情やプレイから伝わる。
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【決勝大会進出】猫舌
【決勝大会進出】三太郎
【決勝大会進出】キャベツ
【決勝大会進出】マゴ
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【決勝大会進出】にのまえ
【決勝大会進出】ウメハラ
【決勝大会進出】EG.ももち
【決勝大会進出】NISHIKIN

アーケード新企画“格ゲー復刻プロジェクト”の発表も! 

 表彰式では、カプコンの杉山晃一プロデューサーと綾野アシスタントプロデューサーがプレゼンテーターとして登壇し、決勝大会への“切符”となる賞状を選手に授与。奮闘をたたえた。
 セレモニーが終わり、これで予選大会もお開き……という雰囲気の中、壇上の綾野アシスタントプロデューサーから「じつは、今日、この場で始めてお披露目する情報があります」という聞き逃せない発言が飛び出した。ここで、『ウルIV』小野義徳エグゼクティブプロデューサーと、“NESiCAxLIVE”藤本貴文プロデューサーが登壇。カプコンが過去にリリースした対戦格闘ゲームを、タイトーの業務用ゲーム配信システム“NESiCAxLIVE”で復刻させる“格ゲー復刻プロジェクト”を発表した。
 配信予定タイトルは『ハイパーストリートファイターII』、『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』、『ストリートファイターZERO3』、『ヴァンパイアセイヴァー』の4つ。16:9のワイド画面に対応しているほか、戦績保存が行える公式モバイルサイトにも対応している。
 この1週間後の、2014年8月30日に行われる“ウルトラストリートファイターIV 2014 賞金制全国大会「一秋千撃杯」大阪予選会場(梅田スカイビル タワーウェスト3階 ステラホール)にて、プレイアブルテストが開催される予定だ。

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カプコン『ウルIV』&“格ゲー復刻プロジェクト”キーパーソン インタビュー

 閉幕後に、カプコンの小野義徳氏、杉山晃一氏、綾野智章氏からコメントをいただく機会に恵まれた。『ウルIV』大規模大会の予選初戦を終えた感想と、そしてサプライズ発表された“格ゲー復刻プロジェクト”の詳細をおうかがいした。

――お疲れ様でした。大盛況でしたね!

杉山晃一氏(以下、杉山) 3on3では対戦ごとに両チームのメンバーが入れ替わる形式を採用したこともあり、波乱が起きるのでは……と思ったのですが、終わってみれば順当に強豪チームが勝ち上がってきましたね。決勝大会が楽しみです。いっぽう、シングルは、内容が濃い試合が多くて、見ている側も非常に興奮しましたね。こんなにも盛り上がって、皆さんに感謝しています。

綾野智章氏(以下、綾野) Ustreamとニコニコ生放送で試合の模様を配信していまして、こちらを通じて観戦してくださった方も多いかと思います。少しドタバタしてしまいましたが、次週の大阪大会ではストレスなく視聴していただけるように、タイトーさんとともに改善いたしますのでご期待ください。

小野義徳氏(以下、小野) 運営さんががんばってくれたおかげで、進行が遅れることなく終えられたのは素晴らしいですね。格ゲーの大会はたいてい遅れてしまうものですから(笑)。

――次週は大阪予選が開催されます。期待していることは?

杉山 現段階で、家庭用の発売から2週間経過していますが、そろそろ家庭用で腕を鍛えた猛者が現れるんじゃないかと楽しみです。また、今日は都合で参加できなかったプレイヤーや関西地区の素晴らしいプレイヤーさんが多く出場すると聞いていますので、いまから大阪予選が待ち遠しいですね。私たちも朝から解説としてがんばりますよ。

――今日は予想していなかった“格ゲー復刻プロジェクト”の発表がありました。経緯を教えていただけないですか?

小野 まず「アーケードを盛り上げたい」という思いがありまして、『ウルIV』ではアーケード版を先行して投入しました。さらに続くアクションとして、『ウルIV』以外のコミュニティーが対象で、かつゲームセンターの方にも負担のない形で実現できるものを模索していた矢先に、タイトーさんからNESiCAxLIVEで過去作を配信する方法をご提案していただいた次第です。

――『ウルIV』と同様に、タイトーさんとの協力関係から生まれたものだったのですね。

小野 いざ、始動となると、NESiCAxLIVE版を制作してくれる社内のスタッフを集めるのが大変でした。この“格ゲー復活プロジェクト”チームは当時を知っている世代が中心。チームの平均年齢は40歳を超えています(笑)。

――ところで、なぜこの4タイトルなのでしょうか?
 
小野 『ハイパーストリートファイターII』は、当初『スーパーストリートファイターII X』にしようかと思ったのですが、登場してからあまりにも時間が経ちすぎているな、と。『ハイパー』ならば今でも大会を開いてくださる店舗もありますからね。『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』はほかに代わりがなく、即決定という感じです。『ストリートファイターZERO3』は家庭用でリリースした最終作『ZERO3↑↑(ダブルアッパー)』も候補に挙がったのですが、やはりアーケードファンに愛されている『ZERO3』がいいという結論になりました。最もモメたのが『ヴァンパイアセイヴァー』。『セイヴァー』と『ハンター』にするか意見が分かれて、本気で喧々諤々の議論を重ねました。仮に2タイトルを同時に進めるにしても、平均年齢40歳オーバーの開発チームでは体力的にも無理がきかなくて……(笑)。最後まで迷いに迷って、決めたタイトルです。

――開発はどれくらいまで進行しているのでしょうか?

小野 じつはゲーム内部に関してはほぼ終わっています。現在は配信タイトルとして稼動させるための“詰め”を行う段階まできています。

――そうなんですか! 近いうちにゲームセンターで出会えそうですか?

小野 どうでしょうか?(笑) どうか配信開始日までお楽しみに!

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