ラショウ氏と愉快な仲間たちが集結

 ラショウ氏が監修として携わり、ピグミースタジオが開発を手掛けた野犬シミュレーションゲーム『野犬のロデム』の発売記念イベントが、2014年7月3日、新宿ロフトプラスワンにて行われた。会場には各界の個性溢れるクリエイターが応援ゲストとして駆けつけ、ゲーム界の奇才・ラショウ氏の“コンシューマーゲーム・クリエイター”としての復活を祝った。

 イベント開始時には、『野犬のロデム』の開発・販売元であるピグミースタジオの“工場長”小清水史氏から、PlayStation Mobile対応の一部機種(プレイステーション Vita)での動作不具合についてのお詫びコメントが。現在は原因調査中で、アップデートのめどが立ち次第、公式サイト(⇒サイトはこちら)などにて報告することを発表した。

摩訶不思議な“ラショウ・ワールド”が全開! “野犬のロデム発売記念Live & イタチョコ ラショウ復活祭!”リポート_01
▲オープニングでは、仮面を被ったラショウ氏がハゼモトキヨシ氏のサウンドに合わせて即興的なダンスを披露。仮面ダンサーとしての顔も持つラショウ氏のワールドが序盤から全開となった。
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▲『野犬のロデム』の実況プレイコーナーでは、インディーゲーム『モンケン』の開発チームメンバー、飯田和敏氏と納口龍司氏が登場。『太陽のしっぽ』『ディシプリン*帝国の誕生』など一筋縄ではいかない作品を世に送り出してきた飯田氏から「このゲームの目的は何ですか?」というまさかの質問が飛び出すなど、大いに盛り上がった。
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▲2003年に解散したロックバンド、たまの元メンバーのミュージシャン・石川浩司氏によるミニライブ。ロデムの衣装(ねぶたバージョン)に身を包んだラショウ氏との軽妙なトーク(?)を交えつつ、不思議かつほのぼのとした世界観のナンバーを熱唱した。
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▲ラショウ氏がこのイベントのために脚本を書き下ろした人形劇。『野犬のロデム』のPSM配信をモチーフにした、ちょっとアブない物語が展開した。ぬいぐるみは、きゃりーぱみゅぱみゅのコスチューム用ぬいぐるみなどを手掛けるミヤタケイコ氏が製作。

 トークコーナーでは、現在『Million Onion Hotel』を制作中の木村祥朗氏(オニオンゲームズ)の進行のもと、ラショウ氏の創作活動の源泉に迫る貴重なトークが展開。ゲーム作りの出発点について「お金(儲け主義)への反発から」と答えたラショウ氏に対し、『moon』や『チュウリップ』のクリエイターとして知られる木村氏も同調した。貧乏エピソードをユーモアたっぷりに織り交ぜつつ「このまま生きていければ“ゲームを作りたいから作る”というスタンスでもやっていけることを証明できる」(ラショウ氏)と、語っていた。

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 イベントのラストは、『モンケン』の開発チームメンバーのひとりでもある作曲家・中村隆之氏が編曲した『ボコスカウォーズ』のBGMのライブ演奏。ステージ上では同ゲームのボスキャラ“オゴレス”に扮装したラショウ氏が、ピグミースタジオとともに新作を制作中であることを明かし、来場したファンを驚かせた。小清水氏によれば「正式なアナウンスは諸問題がクリアーになった時点で発表します」とのこと。

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 全身を使ったパフォーマーとしての独特の世界観を展開しつつ、ゲームクリエイターとして”完全復活”を宣言したラショウ氏の今後の活動に期待したい。

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(取材・文 ライター/戸塚伎一)