いよいよ初代“ポケモン竜王”が決定！
2014年3月22日、株式会社ポケモンは、よみうり大手町ホール（東京・読売新聞ビル内）にて、ポケモンのバトル大会“ポケモン竜王戦”の決勝大会を開催した。このイベントは、株式会社ポケモンが開催、読売新聞社・日本将棋連盟共催による、ポケモンのゲームおよびカードゲームのバトル大会。2014年1月19日の名古屋大会（会場：ナゴヤドーム）を皮切りに、東京、福岡、大阪、札幌、仙台の全国６ヵ所で開催された予選を勝ち抜いてきた選手たち（大会参加対象は、小学生以下）が一堂に集結。“ポケモン竜王”の座をかけて戦うイベントとなる。
ちなみに、“竜王”とは、将棋の世界で使われている称号のひとつ。毎年、読売新聞社を主催に“竜王”を決めるための大会“竜王戦”が開催されるが、この大会は、数ある将棋の大会の中でも最高峰のものとされている。今回の“ポケモン竜王戦”は、ポケモンバトルの持つ、互いのプレイヤーが先を読み合う奥深い戦略性にちなんで開催されるもの。バトルの対象となるのは、ニンテンドー3DSソフト『ポケットモンスター Ｘ・Ｙ』および、“ポケモンカードゲーム”だ。
プロ棋士たちによるエキシビションマッチも大盛り上がり！
決勝大会の当日は、若手のプロ棋士によるエキシビションとして、トーナメント大会が開催。阿久津主税（あくつちから）八段、野月浩貴（のづきひろたか）七段、中村太地（なかむらたいち）六段、田中悠一（たなかゆういち）四段の4人が、ふだんの将棋盤を離れ、ゲームの『ポケットモンスター Ｘ・Ｙ』を使って、棋士界最強のポケモントレーナーの座を優勝を争った。
トーナメント１回戦は、中村六段VS田中四段。中村六段はガルーラ、キリキザン、ニョロトノ、キングドラ、対する田中四段はギャラドス、カラマネロ、バンギラス、ガブリアスを使用してのバトルに。互いに、ニョロトノの特性“あめふらし”とバンギラスの特性“すなあらし”という天候を変更して場を有利にする戦略を狙う展開となったが、手堅い立ち回りを見せた中村六段が勝利。
トーナメント2回戦は、阿久津八段VS野月七段が激突。阿久津八段は、ゲンガー、マリルリ、サザンドラ、ファイアロー、野月七段は、ゲッコウガ、ボーマンダ、リザードン、ナットレイという構成に。フェアリータイプのマリルリが野月七段のボーマンダ、リザードンに対して効果的な攻撃をくり出す活躍を見せるものの、野月七段は“まもる”を有効に使いつつ、ナットレイの耐性の高さと“やどりぎり”で防戦。長期戦の結果、野月七段の辛勝となった。
エキシビション戦の決勝カードは、野月七段VS中村六段（手持ちの構成は、前述のものと同じ）。冒頭から中村六段のガルーラはメガガルーラに、野月七段のリザードンはリザードンＹにメガシンカ。野月七段のリザードンが“ねっぷう”で大ダメージを与えたうえでさらに中村六段のガルーラをやけど状態にしたのに対し、中村六段のメガガルーラはナットレイに攻撃するも、ナットレイの特性“てつのとげ”で反撃を食らってしまう。これをきっかけに、野月七段がバトルを優勢に進める流れとなり、2回戦と同じくナットレイの“やどりぎのたね”を活用した手堅い立ち回りをした野月七段が勝利。棋士界最強のポケモントレーナーの座に輝く結果となった。
森内竜王とオードリー春日が激突！
若手プロ棋士たちによるエキシビション戦の後には、森内俊之 竜王・名人（将棋の名人位を通算5期獲得すると与えられる資格“永世名人”を獲得し、2013年には渡辺前竜王から竜王位を獲得）がステージに登壇。ゲストとして急きょ会場に駆け付けた人気芸人、オードリー・春日との対決が行われた。バトルの形式は、森内竜王と春日のそれぞれが、観客席からパートナーを選んでのマルチのダブルバトル。森内竜王チームはゼルネアス、ゼクロム、サーナイト、リザードン、春日チームはイベルタル、レシラム、バンギラス、チャーレムという、伝説のポケモン＆メガシンカが可能なポケモンのみの手持ち構成となった。ゼルネアスの“ムーンフォース”やイベルタルの“ゴッドバード”などの大技が飛び交うド派手なバトルを制したのは、バンギラスの“いわなだれ”をいいタイミングで使った春日チーム。観客席から参加したパートナー、フクイ ヨシキくんによる春日へのアドバイスが功を奏した。
白熱の決勝大会リポート！
イベントの最後を飾るのは、ゲームとポケモンカードゲーム、それぞれの初代“ポケモン竜王”決定戦。当日行われた予選リーグと準決勝を勝ち進み、決勝戦に駒を進めたのは、ポケモンカードゲームでは、ハセガワ アサキ選手（8歳）とニシムラ コウト選手（11歳）。ゲームでは、テラサワ リン選手（12歳）とオオグシ カズキ選手（11歳）という顔ぶれ。
ポケモンカードゲームの決勝戦は、序盤からコインの出かたにも恵まれたニシムラ選手が多くのカードを使い、バトル場のリザードンEXを軸にして場を整えていく展開に。一方のハセガワ選手がバトル場に出したのは、ランドロスEX。ニシムラ選手のリザードンEXがメガリザードンEXにメガシンカし、攻撃の態勢さえ整えばニシムラ選手が圧倒的に優勢になる展開になったものの、最後は、少ない手数である大きなダメージを与えられる技でジリジリと状況を好転させていったハセガワ選手が勝利を収めることとなった。
この日の最後に行われたゲームのポケモン竜王決定戦は、テラサワ選手のクチート、ロトム（ウォッシュロトム）、ボーマンダ、ナットレイ、オオグシ選手のガブリアス、ロトム（ウォッシュロトム）、クチート、トゲキッスが激突。互いに、ロトム（ウォッシュロトム）とクチートを用いた組み合わせとなった。勝負の明暗を分けたのは、テラサワ選手のロトムが放ったオオグシ選手のガブリアスへの“おにび”。これによる“やけど”により、カブリアスの物理攻撃のダメージが半分に落ちたことで、形勢は一気にテラサワ選手に傾くことに。最後まで響くことに。互いの手持ちが3匹ずつ倒れた結果、最後はテラサワ選手のナットレイとオオグシ選手のメガクチートの一騎打ちになったが、2回にわたるボーマンダの交替により、相手の攻撃を下げる特性“いかく”がクチートに対して2回発動。高い物理攻撃が売りのメガクチートの攻撃がすっかり低下してしまう。結果、耐性の高いテラサワ選手のナットレイに決定的なダメージを与えることができず、バトルの流れをうまく先読みしたテラサワ選手が初代ポケモン竜王の座に輝くことになった。
ポケモン竜王の座に輝いたふたりはWCS2014への出場が決定！
見事、初代ポケモン竜王の座を獲得したポケモンカードゲームのハセガワ選手とゲームのテラサワ選手は、2014年8月にアメリカのワシントンD.C.にて開催される“ポケモンワールドチャンピオンシップス2014”（以下、WCS2014）への参戦が決定！ ポケモンのゲームとカードゲームの世界チャンピオンを決める戦いに挑むことになる。
なお、2014年5月2日～5月5日には、公式インターネット（大会“ポケモングローバルリンク ジャパンカップ2014”が開催。この大会のランキング上位者は、後日開催予定の“ポケモンワールドチャンピオンシップス 日本代表決定大会”への出場権が得られる。春からは、WCS2014につながるバトル大会が本格スタートするので、世界の頂点を目指してバトルの腕を磨いておこう。
