久夛良木健氏も生涯功労賞の受賞で感慨深げ

 2014年3月17日~21日(現地時間)、サンフランシスコ・モスコーニセンターにて、ゲームクリエイターを対象とした世界最大規模のセッション、GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2014が開催。開催3日目を終えた夜には、恒例となる第14回GDC(ゲーム・デベロッパーズ・チョイス)アワードの授賞式が行われた。

 開発者が選ぶ賞ということで、関係者からの注目度も高いGDCアワード(→ノミネート作品はこちら)。2013年を代表する“Game of the Year(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)”に輝いたのは、Naughty Dog開発の『The Last Of Us(ラスト・オブ・アス)』。同作は、“Best Design(デザイン賞)”と“Best Narrative(物語賞)”も受賞しており、三冠達成となった。

 Naughty Dog開発のゲームといえば、2010年にも『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』が、“Game of the Year”を受賞しており(→記事はこちら)、同社がいかに、開発者から高い評価を得ているかを物語る結果となった。受賞時の、彼らに対する来場者からの拍手&歓声も非常に温かいものだった。

『The Last Of Us(ラスト・オブ・アス)』が“ゲーム・オブ・ザ・イヤー”を受賞 『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』が“ハンドヘルド/モバイルゲーム賞”に【GDC 2014】_05
▲『The Last Of Us(ラスト・オブ・アス)』が“ゲーム・オブ・ザ・イヤー”を含む三冠を受賞。

 日本のゲームメーカーでは、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』が“Best Handheld/Mobile Game(ハンドヘルド/モバイルゲーム賞)”を受賞し存在感を見せた。同作が受賞するや会場は大きな歓声に包まれ、海外でも『ゼルダの伝説』が絶大な人気を得ていることを裏付けた。

 また、既報の通り(→記事はこちら)、久夛良木健氏が、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)時代にプレイステーションを生み出し、ブランドとして確立させた“プレイステーションの父”としての業績が評価され“Lifetime Achievement Award(生涯功労賞)”を受賞。登壇した久夛良木健氏は感慨深げな面持ちだった。

『The Last Of Us(ラスト・オブ・アス)』が“ゲーム・オブ・ザ・イヤー”を受賞 『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』が“ハンドヘルド/モバイルゲーム賞”に【GDC 2014】_04
『The Last Of Us(ラスト・オブ・アス)』が“ゲーム・オブ・ザ・イヤー”を受賞 『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』が“ハンドヘルド/モバイルゲーム賞”に【GDC 2014】_02
『The Last Of Us(ラスト・オブ・アス)』が“ゲーム・オブ・ザ・イヤー”を受賞 『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』が“ハンドヘルド/モバイルゲーム賞”に【GDC 2014】_03
▲GDCアワード恒例のMega64によるおもしろ映像は今年も健在。久夛良木健氏の若いころを紹介した、破天荒な映像も。ちなみに右が久夛良木氏らしい。
『The Last Of Us(ラスト・オブ・アス)』が“ゲーム・オブ・ザ・イヤー”を受賞 『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』が“ハンドヘルド/モバイルゲーム賞”に【GDC 2014】_01
▲『Papers, Please』を開発したLucas Pope氏。5回も登壇したので、最後のほうはコメントにも苦慮していたようです。

 一方、同時に行われたインディーゲームを対象にした“Independent Games Festival”にて大賞にあたる“Seumas McNally Grand Prize”に輝いたのは、Lucas Pope氏による『Paper, Please』。ファミ通.comでも紹介している通り(→記事はこちら)、架空の共産国で入国審査官になる本作は、GDCアワードでも“Innovation Award(革新賞)”と、“Best Downloadable Game(ダウンロードゲーム賞)”を受賞、さらに“Independent Games Festival”では、“Excellence in Narrative”、“Excellence in Design”を獲得しており、この日だけで都合5冠を達成。ある意味で、2013年を象徴するタイトルの1本となった。

 第14回GDCアワードの受賞作は以下の通り。

■Game of the Year(ゲーム・オブ・ザ・イヤー/大賞)
The Last Of Us』(ラスト・オブ・アス) (Naughty Dog/Sony)

■Innovation Award(革新賞)
Papers, Please』 (Lucas Pope)

■Best Audio(音響賞)
バイオショック インフィニット』 (Irrational Games/2K Games)

■Best Debut(デビュー賞)
The Fullbright Company (『Gone Home』)

■Best Downloadable Game(ダウンロードゲーム賞)
『Papers, Please』 (Lucas Pope)

■Best Design(ゲームデザイン賞)
『The Last Of Us』(ラスト・オブ・アス) (Naughty Dog/Sony)

■Best Narrative(物語賞)
『The Last Of Us』(ラスト・オブ・アス) (Naughty Dog/Sony)

■Best Handheld/Mobile Game(ハンドヘルド/モバイルゲーム賞)
『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』 (Nintendo EAD/Nintendo)

■Best Technology(技術賞)
グランド・セフト・オートV』 (Rockstar North/Rockstar Games)

■Best Visual Art(美術賞)
『バイオショック インフィニット』 (Irrational Games/2K Games)

■Audience Award(オーディエンス賞)
Kerbal Space Program』 (Squad)

■Lifetime Achievement Award(生涯功労賞)
久夛良木健氏

■Pioneer Award(パイオニア賞)
Brandon Beck and Marc Merrill

■Ambassador Award(アンバサダー賞)
Anita Sarkeesian氏