1999年に登場したシリーズ第2弾

 初代『ストライダー飛竜』の誕生から10年後、アーケードにシリーズ第2弾となる作品がリリースされた。それがこの『ストライダー飛竜2』である。後に本作は『ストライダー飛竜1&2』として、プレイステーションで発売された。
 プレイステーション3で2014年2月22日に発売されたシリーズ最新作の『ストライダー飛竜』には、『ストライダー飛竜2』が含まれた『ストライダー飛竜1&2』のプロダクトコードが同梱されている。
 ここでは新生『ストライダー飛竜』の発売を記念し、『ストライダー飛竜2』の魅力を古株ライター、石井ぜんじがインプレッションする。

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▲シリーズ第2弾となるのがこの『ストライダー飛竜2』。アクションシーンは3Dポリゴンを採用している。デモシーンには優れたデザインの一枚絵が表示され、カプコンファンなら必見のクオリティとなっている。

3Dポリゴンの採用とアクションの継承

 精密なドット絵で描かれた『ストライダー飛竜』であったが、『ストライダー飛竜2』では3Dポリゴンが採用された。ドット絵で描かれたカプコンの『D&Dシャドー・オーバー・ミスタラ』の発売が1996年であり、本作の発売はそれから3年後。アクションゲームにおいて、3Dポリゴンが使われてきた初期の作品である。
 本作において3Dポリゴンは、ボス戦での奥行き表現や、地形を回り込む場面などの表現に活かされている。だがアクションのプレイ感覚は、それまでの2Dアクションを踏襲したものになっている。これは初代『ストライダー飛竜』のゲーム性を受け継ぎ、反映したものと思われる。そのため当時のプレイヤーは、慣れ親しんだジャンプアクションの感覚でプレイすることができた。

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▲地形を利用したボス戦などに、3Dポリゴン独特の演出が加えられている。基本のアクションは2Dジャンプアクションをベースにしており、無理に3D要素を加えなかったところに好感を覚える。

ボリュームアップしたステージ構成

 『ストライダー飛竜2』では、ゲーム開始時に3つのミッションからひとつを選ぶことができる。そしてひとつクリアーすると、新たに“空中戦艦追撃”ミッションが登場する。この“空中戦艦追撃”ミッションはすぐに選んでもよいし、選ばないで最初に出現したミッションの中で、残っているものを選んでもよい。“空中戦艦追撃”ミッションをクリアーするとラストミッションに進む。
 ひとつのミッションはいくつかのシーンに分かれており、比較的短い時間で中ボスなどが出現し、場面が切り替わるようになっている。そのためゲームのテンポはかなり軽快に感じられ、それが本作の特徴にもなっている。
 複数のシーンを含むミッションが5つあるので、初代『ストライダー飛竜』と比べればかなりボリュームアップしている。最初から家庭用に向けて作られたゲームと比べればそれほどでもないが、アーケードゲームとして考えると、かなりやりごたえのある内容だといえるだろう。

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▲最初は3つのミッションからひとつを選ぶ。すべてを見ながらじっくり進めたい場合は、3つのミッションを終わらせてから“空中戦艦追撃”のミッションを選ぼう。

『ストライダー飛竜2』ならではのアクションとは?

 本作は初代『ストライダー飛竜』に比べて、アクション面でいくつか違いがある。本作では2段ジャンプが採用されており、空中でより自由な動きができるようになっている。この2段ジャンプの操作感覚は最新作の『ストライダー飛竜』にも受け継がれているので、比較してみるのもいいだろう。
 またジャンプ中に下→上と入力することで、空中で一瞬停止して連続斬りをすることができる。空中や高い位置にいる敵に有効な技だ。このアクションは本作独特のものだが、なかなか爽快だ。
 そのほか重要なのが、ブーストのシステムだ。ブーストボタンを押すと、一定時間ブースト状態になってパワーアップする。ブースト発動時は攻撃力が上がるほか、敵を追尾する衝撃波を飛ばすことができる。難しいシーンの突破やボス戦に、とても役立つ武器である。しかし強力なだけに、使える回数は限られている。どの場所にブーストを使用するかが、攻略上重要なポイントになっている。

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▲ブーストを使うと、追尾する衝撃波を大量に発射する。このブーストの威力は絶大だ。強敵のいる場所まで温存しておきたいところ。

ノーミスのプレイがアーケードゲームの醍醐味

 本作はライフ制で、いわゆるプレイヤー人数は存在しない(初代『ストライダー飛竜』はライフ+人数制)。ライフがなくなればゲームオーバーとなり、やり直しになる。ゲームセンターでプレイした場合は、ここで百円を追加しなければならない。しかし家庭用でプレイする場合は、気軽にコンティニューして続けることができる。これは家庭用ゲームのよい点でもあり、悪いところでもある。
 本作では敵の配置やブーストの数など、さまざまな要素が考えられたうえで設定されている。それはライフを失わないように、正確なプレイスタイルを追求することで活きてくる。だが食らってもかまわずに無理やり進み、コンティニューしながら進んだのでは、なかなかそれがわからない。
 なぜそこに敵がいるのか、その攻撃をどうすればかわせるのか。これを考えながらプレイすることで、アクションゲーム本来のおもしろさが理解できる。本作はそのような性質の作品だと思う。
 プレイヤーの遊びかたは自由なので、本来どのように遊んでもかまわない。しかしノーミスでのプレイ、いわゆる1コインクリアー(百円玉1枚でクリアーする)を目標にすることで、新たなおもしろさが感じられるはずだ。興味のあるプレイヤーは、ぜひ1コインクリアーにチャレンジしてみてほしいと思う。

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▲コンティニューをくり返していたときは、ただのジャマものにしか見えなかった敵キャラクターたち。しかしノーミスでのクリアーを目指せば、そこに別の意味が読み取れるはずだ。

■筆者紹介:石井ぜんじ
おもにファミ通Xbox 360誌で攻略、クロスレビューを担当してきた古株ライター。ドット絵の時代から3Dポリゴンを経て最新ハードのゲームまで、さまざまなゲームを担当してきました。これからも、ファンが喜ぶ記事作りを目指していきたいと思っています。