『EA SPORTS 総合格闘技』から3年。今度はUFCとともに帰ってきた!

 2012年のE3でパートナーシップ契約が発表され、昨年ついに正式アナウンスされた、エレクトロニック・アーツの総合格闘技ゲーム『EA SPORTS UFC』。先日エレクトロニック・アーツの本拠地レッドウッドで本作のデモを触る機会を得たので、リポートをお届けしよう。

IGNITEエンジンによる完全な次世代機向けタイトル

戦いたい奴、出てこいや! 総合格闘技ゲー『EA SPORTS UFC』プレイリポート_04
▲“アイスマン”チャック・リデルもこの通り。

 本作は海外ではPS4/Xbox Oneで今春の発売が予定されている、完全に次世代機(というか今世代機)向けのタイトルだ。
 EAスポーツのタイトルのPS4/Xbox One版に搭載されているIGNITEエンジンのデモビデオにも登場していたのをチラッと見た人も多いと思うのだが、登場するファイターの見た目は、毛穴のレベルまで超リアル。

 ユークスが開発してTHQなどから発売されていた『UFC Undisputed』シリーズを初めて見た時も「顔とすね毛のモジャモジャ具合がすごいなぁ」などと思ったものだが、本作でもファイターたちの顔とボディをスキャンして3Dモデルを作りこんでるそうで、知ってる選手を見ればクリソツ具合にびっくりすると思う。

戦いたい奴、出てこいや! 総合格闘技ゲー『EA SPORTS UFC』プレイリポート_01
戦いたい奴、出てこいや! 総合格闘技ゲー『EA SPORTS UFC』プレイリポート_02
▲鼻のデコボコ、寝技の練習でカリフラワーになった耳なんかも、選手の個性でちょっとずつ違う。

 さて、肝心なゲームプレイの内容だが、基本的には2010年に発売された『EA SPORTS 総合格闘技』の延長上にあると言っていいと思う(開発は同作を担当したEA Tiburonではなく、ボクシングゲーム『ファイトナイト』シリーズを手掛けてきたEAカナダのチームが担当している)。

 総合格闘技ゲームと、いわゆる一般の格闘ゲームとの重要な違いとして、コマンドを入力してからキャラクターが攻撃するまでの反応速度の違いがある。総合格闘技ゲームはれっきとしたスポーツゲームでもあるので、フレーム単位でカチャカチャコンボを出していく格闘ゲームとは事情が異なるのだ。
 ここをゲームチックに早くするのがいいか、それともリアル寄りに遅くするのがいいかというのは開発チームによって異なるし、プレイヤーによっても好みが異なる(テキトーなボタン連打のフックで負けるのはありえないという人も多い)。

 そういったことを踏まえた上で、現状のバランスは、ユークスの『UFC Undisputed』シリーズよりも『EA SPORTS 総合格闘技』に近いテンポ、ややリアル寄りで遅めというのが記者の感想。コマンドを覚えながらのプレイだったので、なかなかコンビネーションが繋がらなかった(笑)。まぁ、実際の総合格闘技でもそうそう綺麗にコンビネーション入らないし。

 繰り返すが、これは現状の調整がそうというだけだし、悪いことではなく、その分、ちゃんと間合いを見て出の早い技と重い技で攻撃を組み立てつつ、前蹴りとかタックルで相手の出を潰していけばいいだけ。
 それに、リアル寄りの調整な分だけ、オクタゴンの金網からの三角飛びハイキックや、三角飛びスーパーマンパンチなどの大技が綺麗に決まった時の快感はかなりのものがある。

戦いたい奴、出てこいや! 総合格闘技ゲー『EA SPORTS UFC』プレイリポート_05
▲ちなみにプレイしたのはPS4版。デフォルトのコントロールでは、打撃は□×が右と左のキック、△○が右と左のパンチで、L2を引きながらだとボディへの攻撃、R2でブロック、L1とR1は攻撃を変化させる“Modifier”となっていた。

 そしてもうひとつ、総合格闘技ゲームで重要なのがサブミッション(関節技・絞め技)のシステム。昔のプロレスゲームじゃないんだから、なんとなく疲れてるから決まるというわけにもいかないし、かといって攻防が複雑怪奇になるのも考えもの。開発チームの腕の見せどころだ。

 本作の設計は、まずL2と右スティックでタックルを仕掛け、うまく転がしたら右スティックでトランジション(体を入れ替えてポジション変更する)を行って状態を有利に進めていく。
 そしてR1と右スティックでサブミッションを仕掛けるのだが、一旦入り始めると、『UFC Undisputed3』や『EA SPORTS 総合格闘技』のチョーク(絞め技)の時に出てきたような枠が中央に出てくる。
 ここで両者が右スティックを使い、攻撃側のプレイヤーが、防御側のプレイヤーと同じ方向に入力し続けるとより技が深く決まっていくという仕組み。逆に防御側のプレイヤーは、攻撃側の方向入力をスカすように動かしていくのだ。

戦いたい奴、出てこいや! 総合格闘技ゲー『EA SPORTS UFC』プレイリポート_03
▲落ちかけてる選手の表情もリアル。

PRIDEモードは……将来的にはなんかあるかも?

 日本の総合格闘技ファンとしては、気になるのが『UFC Undisputed 3』に入っていたPRIDEモードの有無。UFCが日本の格闘技興行PRIDEの権利を持っていることで可能となった、当時のファイターなどを使ってPRIDEルール&リングで戦えるというモードなのだが、海外でも気になっているスキモノは多いようで、本作の発表時から「PRIDEモードは入るの? 入らないの?」といった質問がフォーラムで出ていたりもする。

 そこで単刀直入に「その、“前のUFCゲーム”に入っていた、PRIDEモードはどうですか?」と聞いてみたところ、まずは新しい総合格闘技ゲーム、新しいUFCのゲームとして本作のベースをしっかり作り込みたいとの理由で、少なくとも本作のリリース時には入らないとのこと。
 しかし開発スタッフにもPRIDEファンは多いらしく「俺も兄弟が日本に住んでたからPRIDEのビデオ送ってもらってたんだけど、まずはゲームをしっかり作って、しっかりローンチすることができたら、将来的には何かできたらいいよね」とのコメントも。次作でも有料DLCでもいいんで、ぜひお願いします!(文・取材・編集:ミル☆吉村)