オリジナルのテイストを忠実に守りつつ、ゲーム性を広げていった

『Plants vs. Zombies Garden Warfare』に注目! キモカワイイゾンビとの戦いはコンシューマーでさらに熾烈に!?【gamescom 2013】_06

 2013年8月21日~25日(現地時間)、欧州最大のゲームイベント、gamescom 2013が開催された。ここでは、エレクトロニック・アーツが開発を進めている、『Plants vs. Zombies Garden Warfare』の個別インタビューの模様をお届けしよう。そもそも、本作のベースとなった『Plants vs. Zombies』は、PopCap Gamesから発売されたタワーディフェンス型のゲーム。そのタイトルからも明らかな通り、プレイヤーはPlants(プラント)つまり植物を庭に配置して、迫り来るゾンビを撃退していくという内容になっている。2009年にWindows版で配信を開始した本作がとくに人気を博したのは、2011年に配信がスタートしたスマートフォン版。スマートフォンという端末との相性もよかったようで、長らくランキングの上位を独占した。この8月には、iOS向けに最新作『Plants vs. Zombies 2』の配信が開始され(⇒関連記事はこちら)、ダウンロード数が5日間で1600万を達成するという、まさにモンスター級のアプリとなっている。『Plants vs. Zombies 2』が、アプリのシリーズ最新作だとすれば、『Plants vs. Zombies Garden Warfare』はコンシューマー版の新たなる展開というわけだ。先日行われたマイクロソフトの発表会では、Xbox OneとXbox 360、そしてPC向けに先行リリースされることが発表されたばかりだ。まずは、gamescom 2013にあわせて公開された、最新トレーラーからご覧いただこう。


『Plants vs. Zombies Garden Warfare』に注目! キモカワイイゾンビとの戦いはコンシューマーでさらに熾烈に!?【gamescom 2013】_01

 取材に応じてくれた、PopCap Gamesのプロデューサー、ブライアン・リンデレイ氏によると、そもそも、コンシューマー版の準備に着手したのは2012年。「スマホでの成功が、私たちのチャレンジを後押ししてくれたのですが、『Plants vs. Zombies』のゲームプレイが、コンシューマーにフィットするだろうなと思ったのが、『Plants vs. Zombies Garden Warfare』のきっかけです。ユーザーの皆さんからフィードバックを得られたので、このシリーズをより幅の広い展開にしていきたいと思ったんです」(リンデレイ氏)とのこと。リビングでくつろぎながら、気軽に楽しんでもらえるゲームを志向したのだという。

 オリジナルの『Plants vs. Zombies』は、タワーディフェンス型のゲームとして好評を博したが、『Plants vs. Zombies Garden Warfare』は、協力プレイ重視のアクションになっている。ゾンビで溢れかえった街を救うために、植物たちが立ち上がるという筋立てだ。迫り来るゾンビの大群を倒していくというタワーディフェンスを思わせる“Survival”というモードも用意されており、数々の趣向が凝らされているようだ。さらにXbox One版では、KinectやSmartGlassにも対応しているらしい。リンデレイ氏によると、『Plants vs. Zombies Garden Warfare』の開発にあたってもっとも注力したのは、オリジナルの世界観を守るということ。「どこにでもあるアクションゲームを作っても仕方ないので、『Plants vs. Zombies』がもっている世界観を最大限に保てるようにしました。具体的に言うと、キャラクターデザインだったり、彼ら(キャラクター)が持つユーモア感覚だったりといったものが、コンシューマー版では消えないようにすることに、いちばん腐心しました」(リンデレイ氏)ということだ。

『Plants vs. Zombies Garden Warfare』に注目! キモカワイイゾンビとの戦いはコンシューマーでさらに熾烈に!?【gamescom 2013】_02
『Plants vs. Zombies Garden Warfare』に注目! キモカワイイゾンビとの戦いはコンシューマーでさらに熾烈に!?【gamescom 2013】_03

  たしかにゾンビのキモかわいさは本作の大きな魅力。ご存じの通り、欧米では(日本でも?)ゾンビは大人気で、市場には “ゾンビエンターテインメント”が溢れかえっているが、『Plants vs. Zombies』のような方向性はあまりない。「『Plants vs. Zombies』は、小さなプロジェクトとしてスタートしたのですが、そのとき目指していた方向性が、怖い体験ではなくて、プレイして楽しい気分になるような体験をしてもらいたいと思っていたんですね。その過程で、ああいったユーモア感覚のあるゾンビという発想が出てきたようです。うちのゾンビはユーモアがあってかわいらしい(笑)」とリンデレイ氏。リンデレイ氏自身は、コンシューマー版の制作から本プロジェクトに加わっており、シリーズの黎明期のことは知らないらしいが、シリーズのテイストを維持していきたいという思いは強いようだ。

 ちなみに、「いま、オススメのゾンビエンターテインメントはありますか?」と聞いてみたところ、「うーん、悩みますね(笑)」としばし沈黙のあと、『ウォーキング・デッド』(TVドラマ)かなあ」(リンデレイ氏)とひと言。「あ、あとゲームだと『レフト4デッド』には影響を受けましたね。協力して敵を倒すところとか……」とのことだ。

 最後にユーザーへのメッセージをお願いしたところ、「まずは、iOSで『Plants vs. Zombies 2』をプレイしていただいている皆さんに感謝したいです。で、日本の皆さんに『Plants vs. Zombies Garden Warfare』を早くお届けしたいと思っています。私たちがこのソフトを好きなのと同じくらいに、皆さんも好きになってもらえるとうれしい」とリンデレイ氏。あとは、日本リリース決定の吉報を待つばかりかな。

『Plants vs. Zombies Garden Warfare』に注目! キモカワイイゾンビとの戦いはコンシューマーでさらに熾烈に!?【gamescom 2013】_04
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