記者が見たトロント
ここでは、『スプリンターセル ブラックリスト』(以下、『ブラックリスト』)の取材でカナダを訪れたファミ通.comの記者が見た、トロントの姿をお届けしよう。『ブラックリスト』とはほとんど関係がない、おまけみたいなページだが、トロントの街が持つ雰囲気を少しでも感じ取ってもらえれば幸いだ。
トロントと歴史
トロントは、カナダ・オンタリオ州にある都市で、カナダでもっとも人口が多い大都市だ。ダウンタウンには近代的な高層ビルが建ち並び、カナダの経済を支えている。まずはトロントの歴史を簡単にチェックしておこう
かつてトロントには、先住民のヒューロン族が定住していた。街の名前は、ヒューロン族の言葉で“人が集まる場所”を意味する“トライテン”が由来とされている。18世紀になると、フランス商人の流入でフランス領となるが、1759年の英仏間の七年戦争によってイギリス領に移行。そして1793年に当時アッパー・カナダと呼ばれていたオンタリオ州に認定される。1813年の米英戦争におけるヨークの戦いでアメリカ軍に一時的に占領される事件も発生したが、19世紀にはカナダ有数の都市として大きく発展。その後、世界各地からの移民が流入し、現在のように国際色豊かな他民族都市へと成長した。
トロントの街を歩いていると、さまざまな人種とすれ違うことになる。それもそのはず、トロントの移民の数は、人口の半分を占めるからだ。そのため、街の中心地を離れれば、チャイナタウンやメキシコタウンなど、大小さまざなエスニックタウンが存在する。カナダにいながら各国の文化を肌で感じられるのが、この街のおもしろいところだ。
トロントとCNタワー
街いちばんのランドマークは、何と言っても“CNタワー”だ。1976年に建てられた全長553.33メートルの鉄塔は、東京スカイツリーや中国の広州タワーが建つまでは世界最大の電波塔だったという。ものすごく巨大なため、街のいろいろな場所からCNタワーの姿を眺めることができる。記者はCNタワーの近くにあるホテルに宿泊していたので、道に迷ってもCNタワーを目指して歩けばいいので非常に安心。何度もお世話になりました。
トロントと工事中
トロントの中心地であるユニオン駅周辺は工事ラッシュ。1ブロック歩くたびに工事現場に出くわすことになる。道路工事はもちろん、高層ビルの建築やビルの改修工事など、街のあちこちで、工事の音が鳴り響いている。記者が訪れたときは、ユニオン駅も大規模改修中で、大きな布が掛けられていた。近代的なビルが立ち並ぶトロントだが、より便利な姿を目指して街全体が生まれ変わろうとしているようだ。
トロントと回転ドア
トロントにある建物の入り口は、回転ドアが多い。しかも超重い。なぜだろう? と不思議に思って現地の人に聞いてみたところ、その答えに納得。トロントは北国なので、冬の時期は気温がマイナス20~30℃(!)まで下がることがあるため、暖房の熱を外に逃がさないように重い回転ドアが備え付けられているそうだ。ちなみに、トロントでは地下街が発達しており、高層ビルの下に網の目のように地下通路が張り巡らされているが、これも寒さ対策のひとつだろう。このように、街のいたるところで北国で快適に生活するための工夫を見ることができる。
トロントとスポーツ
トロント市民はスポーツ観戦が大好き。MLB(メジャーリーグ)のトロント・ブルージェイズ、NHL(ナショナルホッケーリーグ)のトロント・メープルリーフス、NBA(ナショナルバスケットボール・アソシエーション)のトロント・ラプターズ、MLS(メジャーリーグサッカー)のトロントFCなど、トロントには数多くのプロスポーツチームが存在する。夜になれば、スタジアムに向かうユニフォーム姿の人々や、スポーツ・バーで酒を飲みながらお気に入りのチームを応援するを見ることができる。