週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”にて連載中の、ゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“Face”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版を、ファミ通.comでお届け! 今回のゲストは、歌手のyucat(ユキャット)さんです。

今週のお題

MIND≒0(マインド/ゼロ)
プレイステーション Vita
アクワイア
8月1日発売予定 6279円[税込](※PS Store ダウンロード版は5300円[ 税込])

 現実世界である“物質界”と裏世界である“狂精神界”、ふたつの世界が存在する現代を舞台にした“ダークスタイリッシュ”RPG。特殊な能力を持つ“MIND使い”を操作して、謎と仕掛けに満ちた世界を探索。バトルでは、“MIND”を呼び出すことで、戦略性の高いコマンド式バトルが楽しめる。

私の楽曲で、皆さんを本作の世界に連れて行けたらと思います

歌手:yucat(ユキャット)
シンガー・ソングライター・ユニット、RYTHEM(リズム)解散後に始動した、加藤有加利ソロプロジェクトの主人公。独自の世界観を表現したファーストアルバムに続く、セカンドアルバム「PARALLEL
WORLD II~第3ノ道~」が、つばさレコーズより9月11日に発売予定。

 新進気鋭のスタッフを迎えて、アクワイア×ゼロディブのタッグが放つ完全新作『MIND≒(0 マインド/ゼロ)』。本作のオープニングテーマを歌うyucatさんに、収録中のエピソードや、楽曲に込めた思いなどを聞きました。

——始めに、ソロプロジェクト、“yucat”とはどういうコンセプトなのか、教えてください。
yucat “yucat”は私、“加藤有加利”の“もうひとりの私”です。私の中だけにあるパラレルワールドにyucatは住んでいるのですが、現実の私が日々生きていくため、毎日の戦いの支えとなってくれているのが彼女だったのですね。そして、日々が戦いだというのは私だけではなく、学生の方だったり、社会人の方だったり、いろいろな方にも当てはまることだと思うのです。そういう方たちを、私なりに応援できないかなと思ったときに浮かび上がったのが、yucatでした。「がんばれ」と言うのではなく、辛かった経験や負の感情をバネにして、「負けるもんか!」とエネルギーに変えて前進する。そういう応援歌を届けられるのが、yucatだと思っています。

——「暴走マシーン MIND≒0 ver.」は、どのような曲でしょうか?
yucat 「暴走マシーン」は、もともと私のファーストミニアルバム「PARALLEL WORLD~終わりの始まり~」の最後に入っていた曲なんです。アルバムは、“みんなをyucatの住むパラレルワールドに連れて行く”というストーリーのもとに作られていて、楽曲の中でyucatの自己紹介や世界観の説明をしています。そして、“最後に暴走マシーンに乗って、パラレルワールドの扉を開く”というところで終わっています。今回はその楽曲を、「MIND≒0(マインド/ゼロ)」の世界観に合わせて、新しく収録させていただきました。

――本作の挿入歌に決まったときの心境はいかがでしたか?
yucat もともとゲーム音楽がとても好きで、とくにRPGのサウンドトラックなどはよく買っていました。楽曲を作るときにも、ルーツとして自分の中にゲーム音楽があったので、今回のオファーはとてもうれしかったですね。

——楽曲を新しく収録し直したとのことですが、何か印象的なエピソードなどはありましたか?
yucat 収録の際には、『MIND≒0(マインド/ゼロ)』チームの方にも来ていただいたのですが、そのときに「上手かどうかより、もっとyucatのほとばしる感情が聴きたい!」とアツく言っていただけたんです。いままでは、もっときれいに、もっと上手に歌うことを求められることが多かったので、とても衝撃的でしたね。最初はなかなか感情の殻を破るのが難しかったのですが、何度も歌っていくうちにどんどん解放されて、最後には新しい扉が開いて感情がほとばしっていました。奇跡のテイクが録れたと思います。私の伝えたかった、“負の感情を昇華させて、前に進んでほしい”という気持ちも全面に出せました。オープニングムービーを見てくださったファンの方からも、「こっちのほうがもっといいよ」、「早くCD化してほしい」と言っていただけました。

――オープニングムービーをすでにご覧になったとのことですが、感想はいかがですか?
yucat オープニングムービーは、最初からサビで始まっていたりと、楽曲のいいところ取りでした。また、アニメーションと風景画像を織り交ぜているところが、物質界と狂精神界の交差する感じをとてもよく表現しているなと思いましたね。yucatの世界も現実世界とパラレルワールドが交差しているので、ゲームも楽曲も、お互いぴったりです。共鳴しあう作品に楽曲を届けられて、すごくうれしかったですね。

——「暴走マシーン MIND≒0 ver.」のCD販売の予定はありますか?
yucat 『MIND≒0(マインド/ゼロ)』の予約特典に、今回の曲がが収録されています。また、9月11日発売予定のセカンドアルバム、「PARALLEL WORLD II~第3ノ道~」の初回盤にも収録予定です。

—— セカンドアルバムの聴きどころを教えてください。
yucat セカンドアルバムでは、いよいよ皆さんをパラレルワールドの中に連れて行く段階になります。ウェルカムソングが入っていたり、中の住人たちの自己紹介の歌がイラストつきで登場したりします。

――先ほどゲーム音楽が好きとおっしゃっていましたが、ゲームはよくプレイされるのですか?
yucat よく遊びます。ただ、すごくゲーム音痴なので、ひとりでクリアーするのが難しいことがほとんどです。とくにRPGが好きなのですが、ザコ敵にも勝てないことが多くて、よく友だちに進めてもらっています。パズルやレースゲームなどは大丈夫なのですが、RPGだけは中ボスが倒せなくて挫折することが多いですね。

――ということは、レベル上げが苦手なのでしょうか?
yucat はい。ストーリーの続きがとにかく気になって、レベルを上げずに先を急いでしまうんですよね。だから、RPGは自分で遊ぶより、友だちのプレイを見ているほうが好きかもしれません(笑)。

――本作もRPGですが、プレイする予定はありますか? また、クリアーはできそうですか?
yucat 思考錯誤してがんばりたいと思います。世界観も好きですし、主人公の声を担当している声優の杉田智和さんがとても好きなので、プレイせざるをえません(笑)。

——yucatさんの曲は、オープニングだけに使われているのですか?
yucat じつは、まだ一度も言っていないので、初公開の情報なのですが、オープニング以外に、私の楽曲をゲーム内で挿入歌として使っていただいています。どこで使われているかは、プレイしてのお楽しみということで。私もその場面まで行けるように、がんばってプレイしたいと思います(笑)。

——最後に、読者へのメッセージをお願いします。
yucat 私の楽曲が、皆さんを現実世界から『MIND≒0(マインド/ゼロ)』の世界に連れて行く突破口になったらいいなと思って歌いました。ぜひ曲にも注目しながら、この世界に入り込んで楽しんでもらえたら、とてもうれしいです。