あの地獄のような戦いが再び勃発!

 巨大生物との死闘から早くも6年半。平和かと思われた地球に、再び巨大生物と異星人フォーリナーが攻めてきたのだ! このままでは地球がヤバイ、というわけで我々地球連合軍、通称“EDF”が4たび戦いへと赴くことになったのである。……何の話かって? そりゃー7月4日に発売される『地球防衛軍4』に決まってますがな!

 2006年末にXbox 360版が発売された『地球防衛軍3』からじつに6年半、待望のシリーズ最新作がやっと登場するのだ。まあ、この6年半まったくシリーズが出なかったというわけではなく、なんか要素がアレコレ追加されたプレイステーション Vita版『地球防衛軍3 PORTABLE』が出たり、海外スタジオ制のスピンオフ作品『EARTH DEFENCE FORCE: INSECT ARMAGEDDON』が登場したが、ナンバリングの最新作はえらい久々。こりゃテンションも上がるってワケですよ。
 というわけで、まずはざっくり解説から。『地球防衛軍』シリーズでは、一軒家ほどある大きさのアリやらクモやら、ビルぐらいある巨大ロボットとかがワンサカ襲ってくる。“EDF! EDF!”と叫びながら、そいつらを全滅させるTPSだ。もちろん、ミッションごとに襲ってくる敵(フォーリナー)はさまざまに変わってくる。

たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_01
たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_02
▲人間の数倍はあろうかという、巨大な昆虫たちが群れをなして襲ってくる。味方のEDF隊員とともに立ち向かうのだ!
▲巨大なロボットや飛行ドローンなど、SFチックな敵も登場。こちらも尋常じゃない数が押し寄せてくる。

 低い難度では敵が弱いため、画面を埋め尽くすほどの巨大生物をバッサバッサと倒しまくる爽快感を味わえる。武器の種類も異常といえるほどに豊富で、とりわけ爆発系のロケットランチャーとかグレネードでアリを大空に吹き飛ばす爽快感は、筆舌に尽くしがたい。日ごろ仕事で苦労しているサラリーマンのストレスも、綺麗サッパリ吹き飛ばせるだろう。
 本シリーズのもうひとつの魅力が、その世界観だ。本作の戦場は山岳地帯や海岸などが存在しているが、注目したいのは都市のステージ。妙に狭い道路や無数に建てられた電柱、緑色のフェンス、果ては赤い郵便ポストなど、これ以上ないほどに日本の街並みが忠実に再現されているのだ。日本が舞台となるゲームは多数あるけれど、国産ゲームならではの再現度といえる。このリアルな街並みのおかげで、日本を守るために戦うという使命感が燃え上がるのだ。
 ちなみに本作の建物は、爆発系の武器で割と簡単に壊すことが可能で、これも爽快感を味わえることにひと役買っている。何も考えずに街並みをブッ壊しまくるのは楽しいため、昔『シムシティ』で怪獣を呼んだり、竜巻を巻き起こしてニヤニヤしていたような人は要チェックだ。

たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_03
たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_04
▲ザ・日本といった景観は『地球防衛軍』ならでは。海外製のゲームだと、さすがにそば屋は登場しないだろうしねぇ。
▲こんな感じで建物もドカーンと壊せるのが魅力。一面が(おもに自分のせいで)焼け野原になるもの珍しくはない。

最強の武器を求めて戦いまくるのだ!

 もうひとつ、『地球防衛軍』を語るうえで外せないのが、主人公の成長要素だ。敵を倒すと、まれにアイテムが出現する。回復アイテムは瞬時に自分の体力が回復され、アーマーアイテムをゲットすると、ミッションクリアー時に主人公の体力上限が上昇する。武器アイテムは、これまたミッションクリアー時にランダムで武器を入手できる、という仕組みだ。

たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_05
たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_06
▲敵を倒すと、こんな感じでアイテムが出現。赤はアーマー、白は回復アイテム。大きな白い箱は大回復アイテムだ。
▲武器アイテムを拾うと、ミッションクリアー時にランダムで武器を入手できる。ワクワクする一瞬だ。

 本作では防具は(一部を除き)存在しないため、主人公の耐久力は、体力の上限値が大きくモノをいう。そのため、体力の上限値を増やすことがとても重要なのだ。また武器は種類によって威力や攻撃方法、リロード時間などがまったく異なるため、使いやすく威力も高い武器を見つけ出すのがセオリーであり、また本作の楽しさの一部でもある。

たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_07
たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_08
▲武器は数百種類も存在する。なかにはネタにしか見えない武器も……。人によっては、それを使いこなす楽しみかたも。
▲ミッションの難度はEASY~INFERNOの5段階。高難度ほどよい武器が出現するのだが、とにかくINFERNOは難しく、クリアーするのは至難の業だ。

特長がガラッと異なる兵科が4種類!

 本作では、“レンジャー”、“ウイングダイバー”、“エアレイダー”、“フェンサー”と、4種類の兵科が存在する。それぞれ装備できる武器が異なるほか、体力も個別に設定されているのだ。では、それぞれを詳しく見ていこう。

<レンジャー>
もっともスタンダードな兵科。移動やジャンプ、前転などが行え、武器を2種類装備できる。装備できる武器のバリエーションは多彩で、アサルトライフルやスナイパーライフル、グレネードなど、状況に応じて武器を使い分ける楽しさも味わえる。

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たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_10
▲体力が高く、多彩な武器を使えるレンジャー。もっとも使いやすい兵科といえる。

<ウイングダイバー>
唯一空を飛べる兵科。ただし無限ではなく、飛ぶたびに専用のゲージを消費する。このゲージは飛んでいない(ジャンプボタンを押していない)あいだ、ゆっくりと回復していく。武器はレーザーのような光学系を使用でき、リロードには飛ぶためのゲージを消費する。この仕様のため、機動力と火力のバランスをうまく取りながら戦う必要があるのだ。体力も低いため、慎重に戦う必要がある。

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▲耐久力は低いが、空を飛べるというオンリーワンの長所を持つ。過去作に登場したペイルウイングに近い。

<エアレイダー>
サポートタイプのクラス。武器を2種類装備でき、さらにビークルを1種類装備できる。このビークルとは搭乗兵器のことで、戦車やヘリなどシリーズおなじみの兵器を出現させられるのだ。武器はちょっとクセのあるものが多く、たとえば初期装備の“リムペットガン”からして、撃つだけではダメージを与えられず、起動ボタンを押して爆発させることでダメージを与えるという特殊仕様。また一部の武器は、リロードに功績が必要となる。榴弾砲やビークルといった強力な武器は、一度使用すると一定以上敵を倒さないと再使用できない仕組みなのだ。どちらかといえば中級者向けのクラス。

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▲多種多様なビークルを呼べるのが、この兵科の大きな特長。ただし通常の武器はちょっとクセが強い。

<フェンサー>
いわば重歩兵で、なんと4種類もの武器が装備できる。さらに一部の武器は特殊アクションが使用可能で、たとえば“ブラストホール・スピア”という武器の場合、攻撃に加えて前ダッシュが使えるのだ。体力が高く、また盾を装備できるなど火力と耐久力の面では申し分ないのだが、その代わり機動力は低め。また行えることが多く、かつ操作方法もほかの兵科と少し異なるため、慣れるまでに時間がかかる。上級者向けの兵科といえるだろう。

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▲ポテンシャルは高いが、操作に使用するボタンがほかの兵科より多く、扱うのが難しい。特殊アクションを考慮して武器を選びたい。

オンラインのEDF隊員と共闘プレイ!

 本作最大の魅力は、オンラインでの協力プレイに対応していることだ。オフラインプレイとは仕様がちょっと異なるため、解説しよう。

 まず、プレイできるミッションは基本的にはオフラインと同一。進行状況はオフラインとは別に管理されるため、オフである程度ゲームを進めていても、オンラインではミッション1からのスタートとなる。またオンライン専用のミッションも登場する。
 各兵科の体力や武器は、オフラインと共通。ただし、オンラインのミッションには体力上限や使用できる武器に制限が設定されている。オフラインでキャラクターを育てまくっても、オンラインプレイではプレイするミッションに適した能力でチャレンジすることになるのだ。なおこの制限は、オンラインミッションを進めていくと取り払うことも可能になる。

たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_17
たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_18
▲武器や体力の最大値は、オフラインのモードと共通で利用できる。
▲各ミッションには、武器レベル制限やアーマー限界が設定されている。要は、強すぎる状態ではミッションに挑めないのだ。

 また定型文でのメッセージのやりとりも行える。自分でメッセージを編集することも可能だ。
 というわけで筆者もファミ通.comの編集部員とプレイしてみたのだが、やっぱりマルチプレイは楽しい! ともに巨大生物に立ち向かう共闘感は、生身のプレイヤーと遊ぶ場合、NPCのそれよりも何倍にもふくれあがる。ソロでは扱うのが難しい“ウイングダイバー”を試してみたり、アイテムを“どうぞ、どうぞ”と譲り合ってみたり、ジョークで的外れな定型文を送ってみたりと、生身の人間相手ならではのプレイを存分に楽しめた。

たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_19
たいちょー! 久々にEDFの出番であります!! 『地球防衛軍4』プレイインプレッション_20
▲チームメイトに定型文のメッセージを送ることが可能。その数はかなり多く、意思疎通には困らなさそう。
▲協力プレイの場合、倒れた仲間を助けることも重要。その場合、救助側のプレイヤーは体力の最大値の半分を分け与えることになる。

 シリーズのよさはそのままに、大幅なボリュームアップと快適なプレイ環境を実現した本作。ファンはもちろん、シリーズ未体験の人もぜひプレイしていただきたい。とくに協力プレイは熱いので、みんなで“EDF! EDF!”と叫びながら遊べば、楽しさ倍増のハズ。さあ、地球を守るためにみんなで出撃だ!

■著者紹介:喫茶板東
ファミ通Xbox 360で海外ゲームマニアックス、実績解除愛好会などを担当していたフリーライター。昨年末にやっとこ『地球防衛軍3』の実績をコンプリート。さー、本作でも実績解除がんばるぞー!


地球防衛軍4
メーカー ディースリー・パブリッシャー
対応機種 X360Xbox 360 / PS3プレイステーション3
発売日 2013年7月4日発売
価格 6980円[税込]
ジャンル オンライン対応3Dアクションシューティング
備考 Xbox 360/Xbox LIVE 3ヶ月ゴールドメンバーシップ同梱版(数量限定):オープン価格