まるでローマの戦場にいるかのような臨場感
2013年6月11日～13日（現地時間）、アメリカ・ロサンゼルスにて開催中の世界最大のゲーム見本市E3（エンターテインメント・エレクトロニック・エキスポ）2013。プレイステーション4とXbox Oneという新世代機が揃い踏みした、E3 2013だが、マイクロソフトブースでは、『バトルフィールド4』や『デッドライジング3』といった、サードパーティータイトルを含む、9本のXbox One対応ソフトがお目見え。来場者を喜ばせた。なかでも注目度抜群だったのは、Crytek開発による『Ryse： Son of Rome』だろう。Xbox Oneでは新規フランチャイズの育成に力を注いでいるマイクロソフトだが、同作はまさに、Xbox Oneのポテンシャルを知らしめるべく開発された、新規フランチャイズとして期待されるタイトルだからだ。かくいう記者も、先日行われた“Xbox E3 2013 Media Briefing”でも（⇒関連記事はこちら）、『Ryse： Son of Rome』はとくに気になったタイトルのひとつ。6月11日にE3が開幕するや、いの一番でマイクロソフトブースにダッシュ。『Ryse： Son of Rome』がプレイアブル出展しているのを見つけるや、喜び勇んで試遊の列に並んだのでした。
『Ryse： Son of Rome』は、ローマ軍の兵士であるマリウス・タイタスの活躍を描くアクション。E3の会場では、敵地の海岸に上陸したローマ軍が、海沿いにある敵軍の塔を破壊する……というミッションがプレイできた。こちらは、“Xbox E3 2013 Media Briefing”で披露されたデモと同等の内容だ。主人公はマリウスを操作して戦うことになるわけだが、攻撃方法はシンプル。基本ボタンを連打していれば気持ちよく攻撃を仕掛けることができる。状況によっては、画面上に特定のボタンが表示されるので、そのタイミングを逃さずにボタンを押すと、さらに爽快な攻撃が決められるのだ。
海岸に上陸してしばらく進むと、敵の砦にぶちあたる。敵は槍を持って攻撃してくるので、単独行動は危険……ということで、マリウスは部隊を率いて敵地を進むことになる。敵が槍による攻撃を仕掛けてきたら盾で防ぎ、隙を見つけては槍で攻撃する……といった具合だ。具体的な操作方法としては、Aボタンを押せば、盾で敵の攻撃を防ぎ、右トリガは槍での攻撃となる。右トリガを長押ししていれば、敵兵にロックオン。離せば放擲となる。“Xbox E3 2013 Media Briefing”のときから気になっていた、この部隊単位での攻撃だが、実際に体験してみると、妙に楽しい。基本は、自分（マリウス）の攻撃と部隊の動きがシンクロしているわけなのだが、いかにも部隊を率いている感があるのがなんともうれしいところだ。
そして、何といってもグラフィック。個人的には、新世代機になって「これ以上グラフィックが綺麗になっても、そんなに大差ないのでは？」と思っていた口だが、やっぱりいい。キャラクターの表情といい、鎧の質感といい（脂の乗ったサンマみたいにテカテカ光るのがなんともたまらない）、当然のことながら『Ryse： Son of Rome』のグラフィックは、Xbox 360のそれをワンランクもツーランクも上回っていることは素人目にも容易に見分けがつくが、そんな美麗なグラフィックがストーリーへの没入感をより一層促すようなのだ。あと実感するのは“空気感”。リアルなグラフィックを実現するためには空気感が大切という話をよく聞くが、『Ryse Son of Roma』は遠くで破壊される塔のシーンなどを見ると、「ああ、これが空気感というやつなのか」というのを実感することができる。
子どものころに、母親の実家に帰るたびに、おばあさんからお小遣いを渡されて「お金があっても困ることはない！」と言われたのをふと思い出したが、まさに「グラフィックがいくら綺麗でも困ることはない！」ようだ。もちろん、“美麗なグラフィックを実現する＝それだけコストがかかるかもしれない”という事態になる可能性も大いにあるが、そのへんはバランスの取りかた次第ということもあるだろう。とにもかくにも、さらにハイクオリティーな表現を実現し得るという可能性を手に入れたことが大きいことは間違いない。
あくまで現時点での判断になってはしまうが、『Ryse： Son of Rome』はXbox Oneの実力を推し量るには最適の1本と言えるだろう。ぜひとも、日本でリリースしてほしいものだ。
