2011年12月に発売された究極のオープンワールドRPG、それが『The Elder Scrolls V: Skyrim(ザ エルダースクロールズ V: スカイリム)』(以下、『スカイリム』)だ。プレイヤーは、ドラゴンの力を使える“ドラゴンボーン”となって、世界を救うべく戦いに赴く……という壮大な物語を、美しいグラフィックと綿密に構築されたゲームシステムで描く作品である。そんな『スカイリム』を究極のRPGと呼べる理由は、物語を進めるも進めないも、すべてをプレイヤーの意志に委ねる自由度の高さ。目的を果たさずに、世界の住人として“もうひとつの人生”を送ることすら許されているのだ。筆者自身も、盗賊としての長い人生を『スカイリム』の中で過ごした。つまり、『スカイリム』はいつまでも遊べるRPGなのだが、さすがに発売から1年を過ぎたころには、触れる機会は少なくなっていた。そんな矢先に登場したのが、3つの追加ダウンロードコンテンツだ。眠れぬ夜を完全復活させたコンテンツを、ここで紹介したい。

吸血鬼かハンターか? 選択で物語が変化する!

 まずは、『Dawnguard(ドーンガード)』。“夜明けを守る者”というタイトルのとおり、吸血鬼の王の野望を中心に描かれるコンテンツだ。吸血鬼の王、ハルコン卿がふたたび動き出し、太陽を消失させようと企む。吸血鬼ハンター“ドーンガード”の一員となるか、吸血鬼の王となって世界を支配するのか。どちらかの組織に所属することで、クエストの内容は変化。女性セラーナとともに旅をする新領域“ソウル・ケルン”には、新しい武器と防具、呪文やシャウトが追加されており、新しい生物たちとの戦いも楽しめる。アピアランス(容姿)を変えてくれる女性も登場するぞ。『スカイリム』らしいポイントは、所属組織を選択できることだろう。元盗賊の自分が目指したのは当然、吸血鬼の王。コウモリに変身して、敵の生命を吸うのが楽しくて仕方がない。『スカイリム』の前作である『オブリビオン』の世界にまたがった新領域といった、シリーズのファンにはたまらない要素も。そして、物語の鍵を握る女性セラーナとの冒険など、“おもしろいストーリーを描く”というRPGとして重要なポイントと、プレイヤーの選択で世界が動く『スカイリム』ならではの魅力が両立したコンテンツといえるのだ。

“スカイリム”の大地がさらに広がるダウンロードコンテンツ『ドーンガード/ハースファイア/ドラゴンボーン』インプレッション_01
“スカイリム”の大地がさらに広がるダウンロードコンテンツ『ドーンガード/ハースファイア/ドラゴンボーン』インプレッション_02
“スカイリム”の大地がさらに広がるダウンロードコンテンツ『ドーンガード/ハースファイア/ドラゴンボーン』インプレッション_03
“スカイリム”の大地がさらに広がるダウンロードコンテンツ『ドーンガード/ハースファイア/ドラゴンボーン』インプレッション_04
▲ヴァンパイアとなって、ドーンガードと戦うのもアリ。死者の使役が可能になるシャウトやドラゴンの骨の武器など、さまざまな新要素が追加されているのだ。
“スカイリム”の大地がさらに広がるダウンロードコンテンツ『ドーンガード/ハースファイア/ドラゴンボーン』インプレッション_05
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▲鍵を握る女性ヴァンパイアのセラーナ。ハルコン卿と何らかの関係を持つらしいが……。彼女と失われた家族の絆をめぐる旅には、伝説のドラゴンも登場する!?

マイホームを建てて家族を守る、そんな人生を楽しもう

 続いて紹介するのは、『Hearthfire(ハースファイア)』だ。これは、『スカイリム』での生活をさらに深く楽しめるようにしてくれる追加コンテンツ。土地の入手から家のカスタマイズ、養子を取って家族を形成できるなど、ゲーム内で家庭を持って生活するという、RPGファンが一度は見る夢を実現した内容なのだ。このコンテンツをダウンロードしたら、まずは各所に用意された土地を購入しよう。自分の土地には、ワンルームクラスのコテージから、武器庫や錬金術の研究室、馬小屋や工場まで備えた大邸宅などを自由に建てられるようになる。マイホームで家族と過ごせて、執事や御者などを雇い入れて家事を手伝ってもらうことも可能。現実では難しい、理想のハッピーライフが過ごせると言えるのだ。誘拐犯や山賊、スキーヴァーなどのさまざまな外敵が登場して、家庭の平和を乱すこともあるので、父親の威厳ってヤツを家族に見せてやろう。

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▲土地を購入したら家を建て、どんどん増築していこう。武器庫や錬金術塔など、カスタマイズの幅は広い。複数の土地を購入して不動産王を目指すのも楽しい!
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▲新ツールの製図台や大工の作業台を使えば、材料を加工して家を飾りつけることが可能となる。戦利品を飾った部屋で子どもと遊ぶなんて生活も、夢ではない。

未知の世界で究極のドラゴンボーンを目指せ!

 最後は、『Dragonborn(ドラゴンボーン)』。個人的には、このコンテンツが大本命。“最初のドラゴンボーン”の謎を解き明かす、『スカイリム』のサイドストーリーが描かれる。風土が異なる新しいフィールドに足を踏み入れ、そこに生息する敵や人々と邂逅しつつ、冒険することになる。舞台は、モロウウィンドにある新しい島“ソルスセイム島”。レイヴン・ロックに住むダークエルフの開拓者で先住民“スコール”との邂逅を通して、ドラゴンボーン復活の謎を解き明かそう。最強の敵として立ちはだかる“最初のドラゴンボーン”との対決に勝利し、真なるシャウトを身につけるのだ。スカイリムとは異なるソルスセイム特有の風土や生物を楽しみながら、新しいダンジョンに挑んで、さらなる力を手に入れるのだ!

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▲スカイリムの北東にあるソルスセイム島は、先住民が暮らすレイヴン・ロックなど、スカイリムとは異なる風土が感じられる。
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“スカイリム”の大地がさらに広がるダウンロードコンテンツ『ドーンガード/ハースファイア/ドラゴンボーン』インプレッション_20
▲ドラゴンの内なる力を呼び覚まし、自身の能力を強化するシャウト“ドラゴンアスペクト”も登場。“最初のドラゴンボーン”ミラークも使う強力なシャウトだ。
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▲ソルスセイムの新たなる敵“リークリング”など、いままで見たことのない生物が多数出現する。新作と言われても遜色のないボリュームとなっているのだ。

ドラゴンに乗って空を駆ける快感! 

 さて、なぜ、この『ドラゴンボーン』が本命なのかというと、ドラゴンに騎乗できるからに尽きる。ドラゴンを使役する“シャウト”は必須だが、習得すれば最高の体験が待っている。ドラゴンで移動できるようになるうえに、ドラゴンで街を襲うことも可能となるのだ。スカイリムへ移動して、過去に訪れたことがある場所で大暴れ! なんて、非情な体験も楽しめる。しかも、ドラゴンどうしの対決という“怪獣大戦争”的なプレイも実装されている。ドラゴンにまたがって、思い出の詰まった土地に飛来したときの征服感は、クセになること確実。

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 吸血鬼の王を目指すもよし。家族を守る父となるもよし。ドラゴンで世界を駆け巡りながら、新たなる謎を解き明かすもよし。ダウンロードコンテンツの総プレイ時間は、3作品を合わせると30時間を優に越えるボリュームとなっている。『スカイリム』のディスクを眠らせている冒険者の諸君。もう、新しい人生への扉は開いている。旅立て! あ、現実に戻れなくなっても、責任は取れないよ!

【筆者紹介】
コンタカオ
週刊ファミ通編集者。『スカイリム』ではアルゴニアン(女)でした。ダウンロードコンテンツは3本とも止めどきがわからないほど楽しいので、ほどほどにしておきましょう。


The Elder Scrolls V: Skyrim(ザ エルダースクロールズ V: スカイリム)Dawnguard(ドーンガード)/Hearthfire(ハースファイア)/Dragonborn(ドラゴンボーン)
メーカー ベセスダ・ソフトワークス
対応機種 PS3プレイステーション3 / X360Xbox 360
発売日 配信中
価格 『Dawnguard(ドーンガード)』PS3版:2400円[税込]XB360版:1600マイクロソフト ポイント、『Heathfire(ハースファイア)』PS3版:600円[税込]XB360版:400マイクロソフト ポイント、『Dragonborn(ドラゴンボーン)』PS3版:2400円[税込]XB360版:1600マイクロソフト ポイント
ジャンル RPG / ファンタジー