視認性抜群のスタイリッシュなデザインに進化
2013年1月16日、ついにプレイステーション3向けのPlayStation Store(以下、PS Store)初となる大幅リニューアルが実施された。
PS Storeをバージョンアップし、起動すると、まずそのインターフェースが大きく変わったことがわかる。トップ画面(Welcome画面)には、ゲームとビデオコンテンツの各種バナーが表示され、非常に華やかになっている。ここでは、リニューアルされたPlayStation Storeを実際に触って、どう便利になったかをリポートしよう。また、2013年1月10日発売の週刊ファミ通に掲載したリニューアルの国内プロジェクトメンバーのゲーム担当として、インターフェースやフローの改善、検索機能の向上も手掛けた鈴木章悟氏と、同メンバーで国内におけるビデオコンテンツ配信の誘致・編成なども担当している杉崎大樹氏へのインタビューも合わせてお届け。
【リニューアルのおもなポイント】
・メニューやバナーの表示など、見た目を一新
・新たなナビゲーションシステム
・フィルター機能や並び替え機能などが実装されて検索性がアップ
・ゲームとビデオ(セル版)が同時決済可能に
Welcome画面には、ゲームとビデオコンテンツの新作や特集、キャンペーンバナーが表示。旬のコンテンツやお買い得情報がひと目でわかるデザインとなっている。画面左には、“ゲーム”や“ビデオ”、“PlayStation Plus”、“ダウンロードリスト”、“コード番号の入力”といったメニューがあり、ここから目的のコンテンツへ辿っていくこともできるし、画面左上の“検索”からキーワード(タイトルやコンテンツ名)を入力して直接コンテンツを検索することも可能だ。
カーソルを“ゲーム”に合わせるとゲームストアのトップが表示。そこからコントローラの+キー、もしくは左アナログスティックを右に入力すると、“特集&キャンペーン”や“新着 コンテンツ”、“ランキング”、さらにはPS3向け、PS Vita向け、PSP向け、ゲームアーカイブス、メーカー別といったように、メニュー項目がさらに細分化され、目的のコンテンツを絞りやすくなっている。
キーワード検索の精度が飛躍的に向上
本リニューアルから、キーワード検索の精度が飛躍的に向上している。たとえば、リニューアル前、プレイステーション3向けのオンライン配信専用タイトル『The Unfinished Swan』を“すわん”で検索すると、ヒットしなかったが、リニューアル後はしっかり検索結果に表示(しかも、『ModNation 無限のカート王国』の“ラブバグ&スワンカート レーサー&カードパック”などといったダウンロードコンテンツなどまでヒット)される。今後は、正式タイトル名がわからずうろ覚えのタイトルでもキーワードで見つけやすくなるはずだ。しかも、ゲームとビデオの両カテゴリーから検索が可能。ただ、タイトルの略称、たとえば『ファイナルファンタジー』を“FF”で検索しても、一部コンテンツしかヒットしない。一般的に広く親しまれている略称(タイトルによって複数の略称があり、定義は難しいが)でも検索できると、さらにありがたいが、これについては今後に期待したい。
“フィルターを追加”すると、検索がより快適&便利に! さらに新たな発見も
メニューやキーワード検索からコンテンツを絞り込んだあと、さらにジャンルや価格、発売日年月日といった“フィルターを追加”することで、さらにコンテンツを絞り込むことができる。さらにそこから価格の安い順、発売日順などに並び替えることもできるので「プレイステーション3用のゲームコンテンツでRPGはどれくらいあるのかな? さらに、価格の安い順で絞ると……?」といったように、ウインドウショッピング感覚でPS Storeを楽しむことができるのだ。筆者個人的には、このフィルターを使った絞り込みによるゲームの発見が、本リニューアルでうれしい機能に感じた。
ゲーム、ビデオコンテンツの同時決済が可能に
トップ画面にゲーム、ビデオコンテンツが並び、キーワード検索では両カテゴリーのコンテンツの同時検索も可能になるなど、ゲームとビデオコンテンツが一括管理されている新PS Storeでは、決済も同時に行うことができる(ただし、レンタルは除く)ようになったことも大きなポイントだ。
7年目に突入したタイミングで実施されたPS Storeのリニューアル。デザインと検索性などを向上させ、フィルター機能などにより新たなゲームコンテンツとの出会う楽しさも従来のストアより増した印象だ。パッケージ版だけではなく、ダウンロード版も発売されるタイトルやオンライン専用タイトルも増えてきており、追加ダウンロードコンテンツももはや当たり前となってきている昨今、リニューアルは必然だったのかもしれない。使い勝手は今後も随時改善していくとのことなので、PS Storeのさらなる進化に期待しよう。
最後に、リニューアルの国内プロジェクトメンバーのゲーム担当として、インターフェースやフローの改善、検索機能の向上も手掛けた鈴木章悟氏と、同メンバーで国内におけるビデオコンテンツ配信の誘致・編成なども担当している杉崎大樹へのインタビューを掲載。本リニューアルの意図がより明確にわかるので、興味のある方はご一読を。
――PS Storeは7年目を迎え、初めての大幅リニューアルとなりました。今回は、どういったテーマでリニューアルされるのでしょうか?
鈴木章悟氏(以下、鈴木) 検索性とナビゲーション性を高め、いままでバラバラだったコンテンツを集約して、ユーザーが直感的に目的のコンテンツを探せるストアにしたかった、というのがリニューアルのおもな理由です。ナビゲーションシステムも一新し、左メニューのカテゴリ内からは、フィルター機能を使用してジャンルや機種、配信日、価格などで絞り込めますし、ソートも可能です。タイトル本編のメニューには、体験版や追加コンテンツの情報も紐づけられているので、従来のPS Storeよりもわかりやすく、操作も大幅にショートカットできると思います。
――ジャンルで絞り込めるのはいいですね。
鈴木 ジャンル別での絞り込みは、ユーザーの皆様からもリクエストを多くいただいていましたので、我々自身も今回、ようやくという思いです。
――最近は、ジャンルを区分しづらい作品も多いですが、何を基準に区分しているのですか?
鈴木 弊社Webサイトの“PlayStation.com”に掲載しているカタログを基準にしています。現状は、各タイトルにひとつのジャンルしか紐づけていないので、たとえばアクションRPGの場合、どちらで検索すればいいのか、といった問題もありますが、そのあたりはどちらのジャンルで検索してもヒットするよう、随時改善していきたいと思います。
――キーワード検索もより精度が高くなりました。これはどう改善したのでしょうか?
鈴木 キーワード検索に関しても、ユーザー様から改善してほしい点として声が多かったもののひとつでした。現在、PS Storeにあるコンテンツのメタ情報(詳細データ)を整備し、さらにコンテンツごとにひらがなやカタカナといった“よみがな”の情報を紐づけて、検索精度を向上させました。
杉崎大樹氏(以下、杉崎) ゲームコンテンツだけではなく、ビデオコンテンツも同時に検索、およびソートが可能です。ゲーム、ビデオ(レンタルは除く)とも、同時にカートに入れて決済できるようになります。
――バナーが一気に増えて、見た目もわかりやく、賑やかになりましたね。ゲームとビデオのバナーもページ内に同時に表示されるようになりました。
鈴木 バナーの大きさ、配置を調整して、さまざまなレイアウトが可能になるので、テーマに沿ったページを作ることもできるようになり、ユーザーの方々にも興味を持ってもらえる仕様になっていると思います。右、もしくは左にスクロールすると、別ページに移動してページの雰囲気をガラッと変えることができるので、ゲームメーカー様やビデオコンテンツの提供元様にとっては、コンテンツのテイストやテーマに準じたプロモーションにもご利用いただけるのではないかと思います。また、バナーを表示できる数に制限があった従来のPS Storeでは、新規コンテンツやキャンペーンのバナーを、ローテーション表示させざるを得なかったため、興味のあるバナーが表示されるまで、少し待たなくてはいけませんでした。それがPS Storeを使っていて個人的に改善したかった点なので、ローテーションバナーを極力使わなくてもよ
くなったという点は、利点になったと思います。
杉崎 背景に使うキービジュアルなど、とくにビデオコンテンツのものは凝っているものが多く、これまではそのままだとバナーで隠れてしまっていたのですが、リニューアル後は、キービジュアルに合わせてバナーを配置できますので、表現の幅も広がり、作品の特性もより伝えやすくなったのでは、と感じています。
――ところで海外では、すでにリニューアルされたPS Storeがオープンしていますよね?
鈴木 はい。お待たせして申しわけないのですが、ローカライズの期間を経て、ようやく国内で実装できる準備が整いました。
――プレイステーション Vitaへの対応は?
鈴木 いまのところは未定です。
――では最後に、ひと言ずつお願いします。
杉崎 ビデオコンテンツの売り場もわかりやすくなっています。今後も、ゲーム好きなユーザーの方々に楽しんでいただける映画やアニメを続々と追加していきますので、ゲームとビデオの両方を楽しんでいただければと思います。
鈴木 新着コンテンツがひと目でわかり、コンテンツの検索もわかりやすく、便利になっています。今後、さらに利便性が高まるようアップデートしていきたいと思いますので、ご期待ください。
※本記事のリポートは、2013年1月16日現在のもの、インタビューは2012年12月中旬に行ったものをもとに作成しています。