“異常現象その1.5”からシリーズを楽しむもよし!

発売直前!『ココロコネクト ヨチランダム』プレイリポート&最新情報をお届け_01

 ラノベやアニメ、マンガなどでファンを魅了してきた『ココロコネクト』シリーズ。当記事では、初のゲーム化となるプレイステーション・ポータブル用ソフト『ココロコネクト ヨチランダム』の遊びどころを、シリーズファンのひとりである週刊ファミ通編集者がリポートする。スペシャルシナリオに関する最新情報も要チェック!

各エンディングを堪能した編集者によるプレイリポート

 週刊ファミ通編集部の川島ケイジです。ゲームについて語る前に、まずは自分が感じる『ココロコネクト』シリーズの魅力を紹介したい。

『ココロコネクト』で登場する高校生たちは、正体が宇宙人や未来人だったり、常人ならざる能力を秘めていたりはしない。ごくふつうの少年少女である。また、文研部員たちが見舞われる数々の異常現象も、人格入れ替わりや時間退行、感情伝導など、娯楽作品のテーマとしては決して珍しいものではない。しかし、そこに少年少女たちのバックグラウンドや心の機微、次第に変化していく関係といった、先が気になる描写を巧みに絡めているのが、『ココロコネクト』シリーズの特徴なのだ。

 文研部員の中には、かなり重い(それでいて、現実離れしすぎてもいない)悩みを抱えている、あるいは異常現象がきっかけで抱えることになるキャラクターもいるが、物語は基本的にコメディータッチで進行する。気軽に読む(見る)ことができるのも、人気の一因と言えるだろう。

 初のゲーム作品である『ヨチランダム』は、時系列としては“異常現象その1.5”、すなわち第1作『ココロコネクト ヒトランダム』のつぎに起きた事件を描いたもの。ゲームを遊ぶ前に、ラノベまたはアニメなどで第1作をたしなんでおくことをおすすめする。だが、シリーズを知らない人も気軽に始められるよう、物語の導入部分で配慮されているので、本作からシリーズに入り込むのも一興かもしれない。第1作における異常現象は“人格入れ替わり”で、それを引き起こしたのは〈ふうせんかずら〉という謎の存在であることを頭に入れておけば、問題なし!

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やり込みたくなる物語とシステムのコンボ

 さて、ここからは『ヨチランダム』の内容について語ろう。物語に関する具体的な言及は控えるが、自分はプレイしているうちに、新鮮さと懐かしさが入り混じったような心地を覚えた。

 原作の最新刊までに、太一と稲葉、伊織の関係はかなり変化しているが、『ヨチランダム』で描かれるのは、それ以前の出来事。彼らのやり取りを見ていると、「そういえば、このころは稲葉と伊織のどちらが太一とくっつくのか、わからなかったなぁ」とか、「もしも、このシーンで稲葉ではなく伊織を選んだら、どうなるだろう?」といった思いがしばしば生じるのだ。そんなとき、キャラクターのセリフを自分で選択できるのが、ゲームならではの楽しみ。明らかに重要な選択肢において、ほかでもない稲葉と伊織のどちらかを選ぶシーンもあるので、ぜひ迷うなり、両方のルートを見届けるなりしてほしい。

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 選択肢によって、視点が別の部員へと切り換わる“五角形(ペンタゴン)ビューシナリオ”も、やり込み心をくすぐる仕組み。同一のシーンでも、視点を変えて臨めば、受ける印象もまた違ってくる。各キャラクターがそれぞれどんな思いでセリフを口にしていたのかがわかると、そのシーンの味わいも増すというものだ。しかも、視点を変えることで、物語の新たな展開が見出せることもある。文研部員はもちろん、彼らの友人や、太一が溺愛してやまない妹に焦点を当てたルートなどもあり、選択肢によって物語はさまざまな展開を見せる。

 初回プレイでは選択肢に制限があることも多いが、プレイを重ねればおのずと解禁されるうえに、物語が分岐するタイミングや数、解禁条件までもが、プレイ中にいつでも参照できるフローチャートで一目瞭然。先が気になる物語と、親切なシステムのコンボで、隅々まで楽しまずにはいられないっ……!

 本作をプレイして、自分は『ココロコネクト』が大好きだ! と改めて思った次第。ステキなゲーム化、ありがとう!

PS Storeでスペシャルシナリオが配信予定!

 本作の初回封入特典プロダクトコードでダウンロードできるスペシャルシナリオ“文研部の日常編”のほかに、PS Storeではさらに2本のシナリオが11月29日より配信開始予定。そこでは、原作ラノベの『ココロコネクト クリップタイム』以降に登場する、文研部の新しい仲間──円城寺紫乃(声:東山奈央)と、宇和千尋(声:豊永利行)が登場するぞ。スペシャルシナリオ初出のイベントビジュアルもアリ。価格は各400円[税込]だ。

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▲高校2年生になった伊織と、円城寺紫乃、宇和千尋。ふたりの後輩を交えて、文研部のどんな日常が描かれる?
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▲【あらたな仲間編】
紫乃と千尋が文研部員になってから数日後のこと。太一たち2年生は、ふたりの後輩を歓迎するべく、部室でサプライズパーティーを行うことにした。しかし、太一と唯が荷物を取りに出たところ、部室へ向かおうとする紫乃たちと遭遇。パーティーの準備ができるまで、引き止めなくては……!
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▲【海に行こう!編】
いつものように部室で過ごしていた文研部員たち。だが、今年も合宿に行こうという青木の発言が議論を呼ぶ。去年は青木が失敗したこともあり、当初は2年生たちが難色を示すも、紫乃と千尋が仲間入りしたことを理由に、希望と想像が膨らんでいく!

※当記事は、週刊ファミ通2012年11月29日号(11月15日発売)の特集記事を、Web向けに構成したものです。


ココロコネクト ヨチランダム
メーカー バンダイナムコゲームス
対応機種 PSPPSP
発売日 2012年11月22日
価格 6280円[税込]
ジャンル アドベンチャー / アニメ・学園
備考 PS Store ダウンロード版は6280円[税込]、愛と青春の五角形BOX(初回限定生産版)は8980円[税込]、原作:庵田定夏