ダンテ・カーヴァーは初代『アサシン クリード』からのファンだった!

『アサシン クリードIII』&『ACIII レディ リバティ』主演の浪川大輔と甲斐田裕子が明かすゲームならではの収録の舞台裏【UBIDAY2012】_02

 2012年10月27日、東京・秋葉原でユービーアイソフトのプライベートイベント“UBIDAY2012”が行われ、『アサシン クリードIII』と『アサシン クリードIII レディ リバティ』のステージが行われた。ゲストとして登場した浪川大輔と甲斐田裕子へのショートインタビューと、ステージの模様をまとめてお届けする。

 当日は『アサシン クリードIII』(プレイステーション3版、Xbox 360版、Wii U版)、そしてPS Vita『アサシン クリードIII レディ リバティ』のプレイアブルデモも出展されており、アサクリファンが大集結。アサシンにコスプレしたファンもいた。

 実は浪川大輔は『プリンス・オブ・ペルシャ』(2008年版)に、甲斐田裕子は『ベルベット アサシン』で同社のタイトルに参加しているのだが、主役が『アサシン クリードII』から『アサシン クリード ブラザーフッド』、『アサシン クリード リベレーション』と関智一が演じてきたエツィオから『アサシン クリードIII』でコナーへと久しぶりに代替わりすること、『アサシン クリードIII レディ リバティ』の主役アヴリーンが初の女性アサシンということで、それぞれ違った難しさがあった様子。

 浪川はコナーを「クールでストイックなイメージ」と評する。収録時は、最初は自分で考えてきたコナー像で演じてみたところ、「落ち着きすぎている」とのオーダーが入り、若さや荒削りな部分を入れて微調整したそう。ナンバリングタイトルだけにテキスト量も多く、中でもモノローグは数ページに渡るものもあったとのこと。作中ではコナー14歳の頃から、アサシンとして成長していく成人期まで演じており、雰囲気が変わるよう注意したという。

 一方で甲斐田は、アヴリーンをキービジュアルのように女アサシンとして完成された姿を想定して演じたところ、実は彼女はフランス人とアフリカ人奴隷のハーフながら、しっかりとした教育を受けて育てられており、可愛らしい部分やお嬢様のような部分も求められたとか。アサシンとして成長してからも、潜入するために複数のペルソナを使い分けるところがあるそうで、浪川コナーともども、その辺りの演じわけの違いも注目のポイントとなりそうだ。

 ちなみに、ゲームの発売を海外とできるだけ近づけるために、まだ各シーンが完成していない8月頃に収録が行われており、スタジオではふたりともゲーム画像なしで、英語音声を聞き、波形を見ながら合わせていったそう。
 また浪川は、コナーが発するインディアン風の掛け声(独特な巻き舌が入るらしい)に、甲斐田はマヤ文明の遺跡である“チチェン・イッツァ”という単語に苦労したとのこと。

 ステージでは、『アサシン クリードIII レディ リバティ』でコナーとアヴリーンが遭遇するシーンの生アテレコも披露。実際の収録は別々に行ったそうなのだが、複雑な家庭環境を持った新大陸のアサシンであるふたりの凛としたやり取りは、会場の空気が一気に引き締まるほど。

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 そしてラストには、コスパとのコラボレーションで作られたコナーの衣装を着込んだダンテ・カーヴァーも登場した。素材感などの細部までこだわって作られた特製のアサシン衣装に、ダンテも「すごく嬉しいデス」とご満悦の様子。実は「最初(初代『アサシンクリード』)からずっと大好きです」と、アサクリファンであることが判明。目深に被ったフードに「すいません、何も見えなくて(笑)」と苦戦しながらも、「トライしてクダサイ」とプッシュしていた。

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年齢を徐々に重ねていく演技に注目!

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 続いてステージ後に行ったショートインタビューをお届けする。

■ある意味、初共演!?

――ゲームのイベントに参加されることも多いと思いますが、感想を。
浪川 ゲームショーとかと違って、本当に好きな人、『アサシン クリード』を好きな人が集まっているイメージがあるので、そこはいつもとちょっと違う感じでしたね。静かな闘志を感じるというか(笑)
――皆さんじっくり見ている感じはありましたね!
甲斐田 ヘタなこと言えないよね(笑)。皆さんの方が知っているかもしれないぐらいなので。
浪川 そう。そういう、“いい緊張感”があったと思います。それと例えばダンテさんもそうですけど、コスプレ(をしてきた人の)衣装の力の入れ具合がじっくり丁寧に作っているものなので、イベントもそういう感じになればいいなと思って、やらせて頂きました。
――甲斐田さんはいかがですか?
甲斐田 ゲームの収録ではひとりぼっちだったんですが、こうして共演者と会ったりとか、公開でアフレコやるのも初めてだったので……
一同 初めてだったんですか!?
甲斐田 CDドラマなんかはあるんですけど、絵に合わせてというのは。
浪川 ああ、滅多にないもんね、そう言えば。
甲斐田 現場ではできなかったことができたのが楽しかったですね。
――ガンダムシリーズなどで共演されていますが、そういった現場でも?
浪川 共演はありますけど、外ではやらないですね(笑)
甲斐田 人がいるっていうのは、中々ね。
――ではいかがでしたか?
浪川 スタジオでも前に人がいることはほとんどないので、今日は人が前にいるという恥ずかしさが、ね?
甲斐田 ちょっと緊張して、声が出るかどうか心配でした。
浪川 じっくり集中して聞かれてるしね。でも、共演できたのがうれしかったです。

■大統領と会話した男

――アフレコ中に印象に残ったセリフなどは?
甲斐田 難しかったのはさっきステージでも言った“チチェン・イッツァ”です。
浪川 相当嫌だったんだね(笑)
――固有名詞はやっぱり難しいことがありますか?
浪川 言い慣れてないですからね。
甲斐田 外国の地名は難しくて、単独なら言えるんですけど、繋がってたり、叫んでたりすると難しいですね。
浪川 これが埼玉とか東京とかだったら言いやすいんでしょうけど、聞いたこともない地名だったりすると、やっぱり。
甲斐田 人の名前とかもね。
浪川 今回印象に残ったと言えば、(役上で)ジョージ・ワシントンと会話しましたから。大統領と話す経験は今後ほぼないんじゃないかと思いますね。

――ダンテさんの衣装はいかがでしたか?
甲斐田 いいですよねぇ。なので私にコレを(キービジュアルのアヴリーンのコスチュームを指さして)
浪川 似合いそうですね。それと、(アサシン クリードは)センスもいいですよね。
――おしゃれですよね。海外のゲームの中では女性ファンも多いんですよ。
浪川 やっぱりそうなんですね。
甲斐田 絵も綺麗だし、こういうところもね。
浪川 こだわり抜いている作品なんだなって印象がありますね。シナリオもすごい細かいし。街並みもすごいロケハンしていて、行ったことがない場所でも迷子にならないらしいじゃないですか。「あ、ここ曲がったことがある」みたいな。

■時系列を意図して演じる

――レディリバティではコナーは主役ではないわけですが、演じ方などは変わるんですか?
浪川 時系列がつながっているので、『アサシン クリードIII』の流れから、何才の時点で行っているから、こんな感じでというのを念頭に入れて演じています。
 (『アサシン クリードIII』では)年齢的にも小刻みに年を取っていくので、すごい微妙な変化をつけていますね。20、21、22……と、そんなに大きくは変わらないんですけど、24になって気付いてみると20の時の演技よりオトナになっているみたいな。
 少年時代は女性の声優さんが演じているんですけど、18、9から始めて30ちょっとぐらいまで年齢を重ねていって、最後に14才を収録しました。
――いきなり若返るわけですね。
浪川 14才の分は最初は自分が収録するか決まっていなかったんですね。英語の声優さんも(成年期と)同じ人がやるのかわかっていなかったので、結局、同じ人がやっていて、声もそんなに変わらないということで、演らせて頂きました。
――甲斐田さんは演じ分けはどうでしたか?
甲斐田 私も最初は10代からで、少女時代は別の人ですね。
浪川 できそうだけどね(笑)
甲斐田 できないですよ。お母さんとはぐれるシーンがあったんですけど、それはやらずにお嬢様な状態から入りましたね。(凛としたアヴリーンが描かれているポスターを指さして)でもこのイメージでやったら、「ちょっとかっこよすぎるから」って言われて、可愛らしくしました。そこに持っていくのにちょっと時間がかかりましたね。原音(英語音声)にも合わせて。
浪川 原音もあるんですけど、モノローグなんかは長いので、そこでちょっとずつ変えていく感じでしたね。
――アニメとかともまた違う感じですよね。
浪川 でも外画(外国映画の吹き替え)でやっているので、聞いて喋るのはやっていることなんですけど、絵という一番大きな情報が欠けているので、そういう意味では神経を使いますね。それと、長い現場だと座ることもあるんですが、ずっと立って収録したので疲れました(笑)
――そこで立って収録したのはなぜですか?
甲斐田 立って収録した方が声が出ますからね。芝居もしやすいし。
浪川 座って戦えない、みたいなところですね。……叫んでばっかりだったなぁ。ほとんど叫んでた。その辺りも楽しみにしてほしいです。

――最後に
浪川 今回、大作の主役を任されるということでプレッシャーもありましたが、収録中は大変なこともありましたが、出来上がってみるとやっぱりうれしいし、参加できてよかったですね。新しいシステムなども増えているそうなので、楽しんで頂ければと思います。よろしくお願いします。
甲斐田 初の女性アサシンなのと、PS Vitaという未来を背負っている感じなので。
――大きく出ましたね(笑)
甲斐田 画面を触って操作するとか、新しい機能もありますので、楽しく遊んで頂けたらいいですね。絵も綺麗なので、本当に楽しんでもらいたいです。